「文藝」編集部に訊く。再起動する文芸とは何か 「日本文学って、ほんとうにおもしろいんですよ」 丹野未雪 編集者、ライター 「紙」からウェブへの移行が主流化するなかで、いま、雑誌から発信する意味とは何だろうか。およそ20年ぶりに全面リニューアルした季刊文芸誌「文藝」(夏号、4月刊)が売れている。一時、書店やネット書店での在庫が追いつかない事態になるなど、「赤字媒体」と揶揄される文芸誌としては好調なスタートを切った。「文芸再起動」をコンセプトに掲げ、「文芸誌だけに限らず、全雑誌がライバル」と語る編集部の3人——編集長の坂上陽子さん、竹花進さん、矢島緑さんに、いま、「文芸誌」である必然性を訊いた。 「文芸誌」でも、いい企画をやれば「売れる」 ――「文芸誌は売れない」といわれているなか、リニューアル号が売れているそうですね。赤字もある程度想定していたのではと思いますが、予想と比べていかがでしたか。