国内のDTP環境が普及して10年を越え、利用できるデジタルフォントの種類もかつての写植時代を凌駕して大幅に増えた。誰でも簡単に多様なフォントを利用できる時代となったとも言えるだろう。 かつてデジタルフォントと言えば、小サイズのビットマップを除くと印刷物を想定することがほとんどであった。 しかし現在、デジタルフォントは印刷だけでなく、パソコン用OS向け、モバイル機器などの小サイズディスプレイ、デジタルTV、家電製品や日用品向けのユニバーサルデザインなど、新たな分野の用途も増えている。 そのため、書体のデザインや考え方も用途に応じて多様化しつつある。 本セミナーでは、これまでの書体デザインの変遷と現在の方向性、現代における印刷物向けの書体デザイン、およびデジタルフォントのさまざまな利用法、今後の展開について取り上げる。