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ブックマーク / kappansanpo.cocolog-nifty.com (31)

  • 第7回活版工房を終えて - 活版散歩

  • ドイツでの軌跡 - 3 工房初日 - 活版散歩

    週が開けて、工房での作業のはじまりです。 まずは何を作るか。とその前に、私はどんな活字があるかを見てからいつも作るので、 先日見せて頂いたのですが、、、何しろその数のすごいこと。 日では主に使うのが6pt〜10.5pt(5号)でそのほかの見出しなど〜最大基42ptまで。 ところが!こちらは木活字も次ぎから次ぎへと出てくるので、どれがどれやらわからなくなってしまうくらいです。 欧文の鉛活字は基72ptまで、木活字は特別大きい物は高さ30cmくらいのものもあります。 折角なので日ではできないものを、と考え、クリスマスカードやポスターは作る予定にしていました。というわけで、最初にクリスマスカードから始めることに。 まず、ドイツで組むのは初めてなので、まずは活字の大きさ、クワタ、込め物などなど、道具の説明から。事前に読んで行ったのですが、活字の大きさなどは実際に触れてみると、頭での計算は飛

    ドイツでの軌跡 - 3 工房初日 - 活版散歩
  • オフセット印刷と活版印刷 - 活版散歩

    先日、とある方に活版印刷で印刷した小さな文字(6pt〜8pt)を見せると、「普段、老眼鏡をつけないと見えないこんな小さい文字が、スッと目に入ってくる。不思議ね」と言われました。「目にやさしい」と言われますが、まさにその通りのお言葉に驚きです。文章も読んでいて疲れないと言われます。では、今の印刷とどう違うのでしょうか。 現在、私たちが見る印刷されたものは「オフセット印刷」と呼ばれる方式のものが大半になります。 印刷方法には,凸版印刷,凹版印刷,平版印刷があり、オフセットは平版にあたります。 平版には他にリトグラフなどもあります。 活版印刷は凸版。他にはフレキソ印刷。 では凹版は? グラビア印刷(雑誌のグラビアページはほとんど使われている)が今の代表でしょうか。金属や石などに彫り、凹みによる残ったインクでプレスして印刷します。紙幣やパスポートなど細密なものに使われるのが多いです。 凸も凹も紙に

    オフセット印刷と活版印刷 - 活版散歩
  • 散歩11 真映社 - 活版散歩

    先日樹脂版をお願いしたときに見せて頂いた、真映社さんです。 竹橋と神保町の間の神田錦町にあり、竹尾の社にも近いです。 丁度夕方頃、亜鉛版を作る所だったので、出来上がるまでを見させていただきました。 凸版での活版では絵や活字でない文字など、主に樹脂版や亜鉛版を使用します。 他にもマグネ版や銅版などもあります。 ちなみに亜鉛版は活版専用ではなく、箔押しや平圧機でフィルムなどに印刷する場合にも使います。 亜鉛は劇薬の硫酸を使うので、使った分は貯めて業者に持っていってもらうそうです。腐させるのに使います。 版に印刷する部分を転写し、チェックをして一度洗浄します。 亜鉛は劇薬の硫酸を使います。腐をさせるのですが、この使った液体は普通に捨てることはできませんので、貯めて業者に持っていってもらうそうです。洗浄の時に水を使っても硫酸に浸けた後の場合、やはり捨てれないので、分解して貯めるのです。 これ

    散歩11 真映社 - 活版散歩
  • 散歩10 秀英体展示室 - 活版散歩

    五反田にある新しい大日印刷さんのビルにある秀英体展示室。 秀英体デジタルフォントが発売されることが発表されたばかりのタイミングで、訪問をする機会を頂きました。 http://www.dnp.co.jp/jis/news/2007/070702.html 残念ながら写真撮影が禁止だったので、文字のみでお伝えします。 秀英体とは、明治時代から使用されている大日印刷のオリジナル書体の名前です。http://www.dnp.co.jp/shueitai/index.html 様々な書籍に使われています。2階に秀英体に関する資料があり、活字時代からCIDフォントまでの移り変わりなどが、印刷物と一緒に紹介されていました。 秀英体は当に文章を読みやすいように作られているな、と思う美しい書体。スッと目の中に入ってくるのです。 活字時代とデジタルでは形が少しづつ変わります。印刷の仕方や仕組みが変わるの

    散歩10 秀英体展示室 - 活版散歩
  • TypographyとLetterpress - 活版散歩

    「活版印刷」を英語で言うと、letterpressと表現している方も多いですが、実はそれは凸版での印刷のこと。正式には活字を使った活版の方はtypographyのようです。辞書によっては活版印刷と言われる所もありますが。。。そして日ではタイポグラフィは書体そのものの事を指している方が多いです。樹脂、亜鉛版は凸版印刷にあたります。 大きなくくりで「凸版印刷」があり、その中に「活版」があるという感じですね。印刷の方式は活字でも樹脂でも同じですので、活版印刷と言われることがありますが、印刷所の方でも全てを活版印刷と表現される方もいれば、凸版と活字活版で分けて話される方もいます。 活字での印刷は、一つ一つ鉛活字を拾って(もちろんあれば木版や銅版活字なども)それを組み合わせて版にしていくので時間がかかります。スペースもクワタという鉛をパズルのように組み合わせて、四角い版にしていきます。 樹脂版と亜

    TypographyとLetterpress - 活版散歩
  • 散歩9 ABC dé タイポグラフィ - 活版散歩

    青山ブックセンターで開催されている、「ABC dé タイポグラフィ」。 残るところ後3日間の30日土曜に訪問してきました。 今日は新しく朗文堂さんが発売された、Adana-21Jによるワークショップ最終日で、沢山の参加希望者が待っていらっしゃいました。 入り口に入ると小さなAdanaが2台。道具も全てピカピカという状況は、近年の活版印刷では見ることはありませんでした。そのため真新しい印刷機も道具も、とてもかわいらしくも見えます。インクが付く円の部分には、銀色のインクが付いていますが、同色なので、わかりにくいかもしれません。 作る物は、封筒と便せんに名前、もしくはメールアドレスなどを入れます。活字はアルファベットのみで、3書体から選びます。紙も何種類かの色が用意されていて、2種類選んで印刷されている方も。 Adana開発の実務面を担当されている大石さん。 「活字の表面はキズがつきやすいので気

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  • 散歩8 活字地金彫刻師・清水さん-2 - 活版散歩

    「金」の文字と平行して8ptくらいの活字に円を彫られました。 その細い線の美しいこと!! (残念ながら私のカメラではその鮮明さが写すことができませんでした) 大きい活字と小さい活字では、小さい活字の方が難しくないとか。 「大きいのはすぐ粗がわかってしまうから大変なんですよ」。 でも6ptに画数の多い文字とか当にすごいです。 「好きな文字を彫りますよ」とおっしゃったので、見学者の一人が「木」をリクエスト。あっという間に出来たその文字でさらに驚いたのは、木の横線がものすごく細いこと。「来はもっと細い」とおっしゃいますが、、、これぞ神業。 ここから仕上げで砥石で表面を研ぎます。 活字の輪郭外を彫り落としていきます。 この工程を繰り返します。 清水さんの使われている道具はお仕事をされている時のものと同じです。 刃も自分で研いで作ります。1文字を殆ど一で作業されるそうです。 小刃の隣はデバイダ

    散歩8 活字地金彫刻師・清水さん-2 - 活版散歩
  • 散歩8 活字地金彫刻師・清水さん-1 - 活版散歩

    5月26日、活字研究会の高内さんのご厚意により、 大田文化の森で活字地金彫刻師「清水金之助」さんの実演会が催されました。 会場の部屋に入って角の隅に、清水さんが作業できるよう机と道具がセッティングされて座ってらっしゃいました。愛用されている机、刃、ルーペなどなど。 周りに人が集まり実演会が始まりました。 清水さんが彫っているものは、電胎母系(ガラ母型)の種となるもの。 母型を作るための種字を活字合金に逆文字を直接小刃で彫っていくのを「地金彫刻」と言います。彫られた物から母型ができるのは5回くらいまでだそうです。その母型からは何万もの活字が生まれて行きます。 今で彫られて活字が置かれている。字面の光沢が命なのです。 清水さんは2004年に活字研究会の依頼で約40年ぶりに活字を彫りました。その時にはとても出来ないのでは、と思ったのが「身体が覚えていてね、指が動いて彫れたんですよ」と。 始めに初

    散歩8 活字地金彫刻師・清水さん-1 - 活版散歩
  • イワタ活字工場見学会 - 活版散歩

    日はイワタ活字工場の見学会でした。 高内先生、来て頂いた方々、当にありがとうございました。 始まりはあいにくの雨でしたが、帰りにはやんでいたので良かったです。 高内さんからの活字の歴史や母型の作られ方など、一通りお話を聞いた後工場を見学。お話されることも貴重なことばかり。(←名匠・大間先生が彫った木版の文字)一つ一つ方眼紙の上でトレペに3人一組で文字をデザインして描いて、(ちなみに一日で25文字作成していたとか!!)また文字が揃ってきたら並べて検討して、修正して、検討して、、、そこからベントン彫刻機で彫った物を元に、母型を作り鋳造して活字になる。そして印刷。 こうやって人々の手に印刷物が渡っていたのです。今我々がフォントなどを気軽に扱えているのも、こういったもの長い時間大変な労力で作られたものがあってこそなのですね。スゴイの一言です。 工場ではクレジットカードなどの数字の文字活字(スチ

    イワタ活字工場見学会 - 活版散歩
  • 散歩4 日本名刺印刷センター - 活版散歩

    東京メトロの日比谷線/東西線、「茅場町」3番出口横の蕎麦屋を入って少し行くと、気を付けて見ないと通り過ぎてしまう小さな活版屋さんがあります(私は思いっきり通り過ぎました) 小さなこの空間は、機能的かつ魅力的でまるでコクピット。 そこに流れるラジオからのクラシックと杉田さんがまたかっこいい! 杉田さんは現在73歳。同年代の方々が次々店を閉じられるのを寂しく感じながらも、大好きな活版印刷を営んでいます。名刺とハガキなどが主で、営業は午後13時頃まで。 また、「僕は趣味だからね」と出てくるコレクションのような活字の数々。 こだわりと活字に対する情熱がこもった印刷物はとても美しいのです。 「正楷書体の18ptでウチでない文字はないよ」という品揃えに続き、「色の調合と酒の調合も上手いんだ」とお酒と旅好きの杉田さんは洒落っ気たっぷり(棚の隙間に酒瓶がチラリ)。30、40年後に自分もこんなステキな大人に

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