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ブックマーク / sci-tech.jugem.jp (294)

  • 2014年は「世界結晶年」 | 科学技術のアネクドート

    国際結晶学連合「世界結晶年2014」マーク 2014年は「世界結晶年」です。国際連合総会が、国際結晶学連合、ユネスコ、国際科学会議などの支援のもとに2012年に定めました。 結晶とは、原子、分子、イオンなどの物質が、空間的に規則正しくならんだ固体のことをいいます。結晶のかたちやつくりのしくみを研究する、結晶学という学問分野もあります。 世界結晶年が定められた背景には、1世紀前の1914年前後に結晶をめぐる科学的成果が多く上がったことがあります。 たとえば1912年、ドイツの物理学者マックス・フォン・ラウエ(1879-1960)は、結晶のX線回折という現象を発見しました。結晶のX線回折とは、放射線の一種であるX線が、障害物となるはずの結晶の格子を超えて、その影となるところまで届く現象をいいます。逆に、X線による回折を結果を分析して、結晶がどのような並びかたをしているかをしることもできます。1

    2014年は「世界結晶年」 | 科学技術のアネクドート
  • 2013年の画期的科学成果、第1位は「がんの免疫治療の進歩」 | 科学技術のアネクドート

    ことし2013年、科学の分野ではどのような成果があったでしょうか。米国科学振興協会(AAAS:American Association for the Advancement of Science)が発行する科学誌『サイエンス』が、「2013年の画期的科学成果」(Breakthrough of the Year 2013)を発表しています。 2013年のもっとも画期的な科学成果と『サイエンス』が発表したのは、「がんの免疫療法の進歩」でした。 がんの治療というと、がん化した細胞を切除する外科的治療や、重粒子線などの放射線を患部にあててがん細胞の遺伝子を壊す放射線治療、また、抗がん剤とよばれる薬でがん細胞が増えるのを抑える化学療法などがおこなわれてきました。 いっぽう、免疫療法というのは、これらとは異なり、からだの免疫というしくみを利用したものです。人などの生きもののからだには、異物が入ってき

    2013年の画期的科学成果、第1位は「がんの免疫治療の進歩」 | 科学技術のアネクドート
  • 「103系」走りはじめて半世紀 | 科学技術のアネクドート

    撮影者 永尾信幸さん JRがかつて国鉄だった時代、首都圏や京阪神などの大都市を走る電車を人びとは「国電」とよんでいました。東京の山手線や大阪大阪環状線などです。「国鉄電車」を略したよび名とされています。その後、国鉄が分割民営化されたときは「E電」という新しいよび名が発表されましたが、定着しませんでした。 国電とよばれていた時代、その国電で走っていたのが、「103系」とよばれる型の電車です。 車体は鉄と炭素の合金でできていて、車体全面がそれぞれの線のシンボル色にぬられていました。たとえば、山手線であればうぐいす色、東京発の中央快速線や大阪環状線であれば朱色、総武線各駅停車であれば黄色、といった具合です。 そして、東京首都圏近郊の線は多くすぎて色の種類が足りず、たとえば、横浜線はうぐいす色の103系の車体の先頭と最後尾に、大きく「横浜線」という看板を掲げて走るのでした。 103系が走っていた

    「103系」走りはじめて半世紀 | 科学技術のアネクドート
  • 東京のコウモリ目撃情報を見える化 | 科学技術のアネクドート

    コウモリ。記事内容とは関係ありません 都会の野生動物などを追っている動物ジャーナリストの宮拓海さんが、この(2013年)12月、「東京23区アブラコウモリ生息調査報告書(2013)」という発表をインターネット上でしました。 宮さんはこれまで、タヌキなどの地上にいる野生の哺乳類を東京で見たという目撃情報を集め、その分布を地図に示すなどの活動をしてきました。ことしから、空を飛ぶ都会のコウモリにも目を向けたそうです。 アブラコウモリは、人の住んでいる家やたてものにすみかをもつ、日人にとって身近なコウモリ。夏の夕ぐれどきなどに、河原を歩いていると、頭のうえを鳥とは異なる不規則な動きかたで舞っている姿も見られます。 宮さんは、6人の調査協力者とともに観察調査を行い、その結果を東京23区の地図上に示しています。1キロメートル四方ごとに碁盤のようにメッシュつまり網目で仕切り、その領域を「生息あり

  • 私たちはみな“科学をする人” | 科学技術のアネクドート

    「科学者」というと、多くの人は「特別な分野で仕事をしている人びと」と思うかもしれません。しかし、科学的な考えかたや行いかたでものごとにとりくんでいる人を、広い意味での科学者と考えれば、子どももおとなもみな科学者である資格をもっているといえます。 なにが「科学的」なのかということが問題になります。多くの人びとは科学的ということに対して、あまり分析することがありません。 米国のノースカロライナ自然科学博物館は、『シェアリング・サイエンス 子どもを科学者や技術者と結びつける』というで、科学的な行いをつぎのように分解しています。 「観察」。見たり、触れたり、嗅いだり、味見したり、聴いたりといった、語感を使った行為がかかわっています。 「実験」。なにかを変えてそれがどうなるかを見るなどします。 「協力」。ものごとを行ううえで、仲間とともに行うということです。これも、いまの多くの人が研究や開発にかか

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  • 中谷宇吉郎「氷は金属の一種である」 | 科学技術のアネクドート

    東京・京橋のLIXILギャラリーで、「中谷宇吉郎の森羅万象帖」展という展覧会が行われています。(2013年)11月23日(土)まで。 中谷宇吉郎(1900-1962)は物理学者。とくに雪や氷の学問「雪氷学」への貢献が大きいと評されています。世界で初めて人工雪をつくりました。そして、条件と結晶の形の関係から、自然界で降ってくるそれぞれの形の雪に対しても、それがつくられた環境がわかるようにしました。 会場では、雪の結晶についての中谷の研究内容が結晶のスケッチや写真などとともに示されています。しかし、よく知られる雪の結晶の研究だけでなく、中谷の研究の歩みがおしなべてわかるように示されています。 たとえば、1952年から中谷は米国にわたり、そこで氷の単結晶についての研究にいそしみました。ふつうの氷では、結晶がさまざまな方向にむいて寄せあつまった多結晶の状態になっています。なので、人工的につくる単結

  • 東京の街の真中に火力発電所 | 科学技術のアネクドート

    東京の麹町、茅場町、銀座、神田、浅草といえば、東京都民にも、都民以外の人びとにも、よく知られた場所といえます。これらの地区は商業や観光の一等地。 これら五つの地区には、地下鉄の駅があるというほかに、ある共通点があります。それは、かつて火力発電所があったということです。 これらの地区に行ったことがある人であれば、火力発電所があったことは信じがたいかもしれません。いまの時代からすれば、これらの地区には人や建物が多く、とても火力発電所にはそぐわないからです。 しかし、日で電気が社会基盤のひとつとして使われはじめた明治中期、これらの地区には「電燈局」とよばれる火力発電所があったのです。 これらの地区に火力発電所を置いたのは、東京電燈という会社。いまの東京電力前身です。1883(明治16)年、矢島作郎、藤岡市助、大倉喜八郎などの篤志家が立ちあげました。 まず、茅場町に1887(明治20)年、「第2

  • 三角測量から三辺測量へ | 科学技術のアネクドート

    三角測量 器具を使っていくつもの地点のあいだの距離や角度や高低差などを測ることで地形を求めていき、その情報を数値や図などで表そうとする作業を「測量」といいます。測量の技術の歩みを大きく捉えると、「三角測量」の時代から「三辺測量」の時代へ、ということができそうです。 よび名としてよく知られているのは、「三角測量」のほうでしょう。 三角形には三つの内角があります。それを足すと180度になります。そして、ここからが重要ですが、三つの内角がそれぞれ何度であるかがわかっていれば、その三角形の三辺の長さの比はおのずと決まってきます。 三角測量ではこの原理を使います。一辺の長さがおなじ三角形をいくつも結びつけていき、“三角形の網”をつくります。そして、網を構成する三角形のうち、一辺の距離をはかりやすいひとつの三角形に着目して、実際にその三角形の一辺を測ってみます。 網をなしているかずかずの三角形のうち、

  • 自分が「12.8人のうちの1人」になると思わない | 科学技術のアネクドート

    高齢のスポーツ評論家などには、「2020年に自分は生きているかわかりませんけれどね」などと発言する人もいます。しかし、「自分は2020年まで生きていたい」と願望する高齢者の方ももちろんいますし、意識するまでもなく「自分は2020年まで生きている」という前提に立っている若い人もたくさんいます。

  • 「『激辛』世界一を目指さないのにはワケがある」 | 科学技術のアネクドート

    ビジネスプレスのウェブニュース「JBpress」で、きょう(2013年)8月2日(金)「『激辛』世界一を目指さないのにはワケがある 唐辛子から見る日ピリカラ論(後篇)」という記事が配信されました。記事の取材と執筆をしました。 長野県南箕輪村の信州大学大学院農学研究科には、機能性品育種学講座があります。この講座の准教授の松島憲一さんは、唐辛子を研究対象のひとつとしています。とうがらしを科学、文化、産業と、さまざまな点から調べているようすは、「とうがらし博士」といってもよいでしょう。

  • 知らないうちにデジタル化に貢献 | 科学技術のアネクドート

    インターネットで、制限のかかったサイトなどへ進もうとするとき、うねうねした字でできた文字列の画像がふたつ並んで示されることがあります。利用者は、その画像に示されているふたつの文字列をそれぞれ打ちこむことを求められます。

  • 東京で暮らす屋外猫の数はだいたい8万頭 | 科学技術のアネクドート

    街なかを歩いていると、と出くわします。たいてい街なかのは警戒心が強く、人と目が合うと一目散に逃げてしまいますが。 都市に住む多くの人は、野良と出くわしても、さほど「めずらしい」とは感じないでしょう。もちろん、会社や学校への行き帰りのときを見ない日はあります。しかし、を見る日もあります。

  • 大都市を破壊するにはどうすればよいか研究 | 科学技術のアネクドート

    2011年に東日巨大地震が起きてから、日ではより一層、安全を保ち、災害を減らすにはどうすればよいかが世の課題になっています。 行政や企業などが、安全を保つにはどうすればよいかを考えます。しかし、安全のことを考えれば考えるほど安全からは遠ざかっていくという、矛盾めいた状況に陥るおそれがあるといいます。 「ここについては、こうすれば安全だ」「ここについては、こうすれば安全だ」。人はつぎつぎと安全に向けた対策をつくっていきます。「安全な話」ばかりが積みかさなっていくと、人はいつの日か「これでまちがいなく安全だ」と思い込むようになります。

  • 書評『津波災害』 | 科学技術のアネクドート

    書が刊行されたのは2010年12月。巨大地震とそれに伴う津波が東日を襲う、わずか4か月前のことだ。「こののことをもっと早く知っていたら」「大津波が起きる前に読んでいたら」といった読者の声も聞かれるという。 著者は、防災や減災それに危機管理などを専門とする研究者。いまは、南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループの主査も務めている、防災や震災対策の第一人者だ。 書を著すきっかけとなったのは、2010年2月に起きたチリ沖地震津波だったという。日でも避難指示や避難勧告が出されていたが、避難した人は対象の3.8パーセントにすぎなかった。危機意識が契機となった。「もっと早く知っていたら」という声もたしかにあがるだろう。しかし、書が“3・11”の大津波の前に出されたことで、救われた命もあるはずだ。

  • お腹を鳴らせるのはモチリン | 科学技術のアネクドート

    しんと静まりかえった教室で、また、相手との距離が近い商談の場で。おなかは「ぎゅるるる」と鳴る場所を選びません。どうにかおなかの鳴る音をかき消そうと、椅子をずらしたり、咳払いをしたりする人もいます。 お腹が鳴るのは、からだの自律的な運動によるもの。この音の正体は、ながらく謎のままでしたが、1970年代に、「モチリン」というホルモンがお腹を鳴らす物質であるということがわかってきました。ホルモンとは、からだの特定の場所でつくられて分泌され、わずかな量でからだのどこかに特定のはたらきかけをする物質です。 1971年、カナダのジョン・C・ブラウンという生化学者が、モチリンを十二指腸から発見しました。ブラウンは、十二指腸かや小腸から分泌されるこのモチリンが、胃にはたらきかけて胃を波打たせているようだと考えました。しかし、モチリンがどのようなとき分泌されるかまではわかりませんでした。 1974年、群馬大

  • せめて“ギザギザ”の手すりで | 科学技術のアネクドート

    街なかには、意識しなければ見すごしてしまうものの、意識して考えたら「そもそもなぜ、このようなかたちをしているのだろう」と思わせるものがあります。

  • いまが「激動の時代」と述べるのは、過去を述べるよりむずかしい | 科学技術のアネクドート

    人は、自分のしていることに大きな価値を置こうとしたり、自分が時代の主役であるように考えたりしようとするものかもしれません。 よく、「いまはまさに激動の時代」とか、「いまは革命期のまっただなか」とかいうことを口にする人がいます。世のなかについて、あるいは、より限られたことについて、自分が生きているいま、時代の流れが大きく変わっているということを感じて、そのように言うのでしょう。 人が「激動の時代」や「革命期」ということばを使えるのは、むかしのことを引きあいに出せるからです。たとえば、「いまは革命期のまっただなか」と述べる人は、「農業革命」や「産業革命」というものを振りかえり、「これらとおなじくらいの衝撃の大きさで世のなかが変わっている」ということを感じているわけです。

    funaki_naoto
    funaki_naoto 2013/05/13
    「ミネルヴァの梟は夜に飛びはじめる」
  • 硬性憲法「3分の2以上」の論拠に議論の余地 | 科学技術のアネクドート

    きょう5月3日は憲法記念日。日国憲法が1947(昭和22)年5月3日に試行されたことを記念して、1948年から実施されています。 憲法をめぐって、「第96条」の改正手つづきの議論が起きています。安倍晋三首相が、「憲法改正の手つづきの方法を、いまより緩和すべきだ」と言っているためです。

  • “立ちさりかた”に人知れぬ技術 | 科学技術のアネクドート

    人びとのいるなかで自分だけつぎの用が迫っているとき、あるいは親しく話す人がいなくて所在ないというとき、その人は“その場からの立ちさりかた”を考えることになります。 まず、おもむろに腕時計や壁時計に目をやり、「あ、もうこんな時間かぁ」などとつぶやいて、これから帰りのしたくをはじめるということをしぐさで示すという方法はよく使われます。とつぜん「私、帰ります!」と人びとに言うよりも、時計を気にするしぐさをとったほうが、人びとに「帰る」と宣言することに対する唐突感を減らすことができるという考えがはたらくのでしょう。

  • 昭和初期にも“キャッチコピー的”広告 | 科学技術のアネクドート

    人びとの心を強くとらえる宣伝文句を「キャッチコピー」といいます。広告のキャッチコピーは、1950年代なかばからの高度経済成長期、消費社会が成熟したことから多く現れはじめたといわれています。 しかし、それ以前の広告に、キャッチコピーがまったくなかったというわけではありません。たとえば戦前の1934(昭和9年)の頃にも、人の心をつかもうとする表現の工夫が広告に見られます。朝日新聞の6月25日付東京版夕刊から。