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  • 特集「顔真卿と唐時代の書」の見どころ(2) 東京国立博物館 - 1089ブログ

    このたびの東博&書道博の連携企画では、ブログも連携!怒涛の3連発で唐時代の書を一気に盛り上げたいと思います。先発の六人部投手には、展覧会の全体像を語ってもらいました。中継ぎの私はピンポイントで、東アジアの中でも最も美しい唐時代の肉筆に触れたいと思います。 唐時代における伝世の肉筆は、数えるほどしか残されていません。しかし20世紀初頭、イギリス、フランス、ロシア、日などの探検隊によって、5~10世紀に至る肉筆写が敦煌莫高窟の第17窟から大量に発見されました。 その敦煌写の中に、7世紀後半のごく限られた時期に書かれた「長安宮廷写経」と称される写経があります。それは唐の高宗の時代、咸亨2年(671)から儀鳳2年(677)にかけて書写されたもので、筆致、紙、墨、どれをとっても非の打ちどころのない、実に見事な写経です。現在、奥書きに年号を持つ長安宮廷写経として、国外では大英図書館所蔵のスタイン

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  • 特集「顔真卿と唐時代の書」の見どころ(1)

    東洋館8室では、先週より特集「顔真卿と唐時代の書」(2016年1月31日(日)まで)が始まりました。 展は毎年ご好評をいただいている台東区立書道博物館との連携企画、第13弾です。 展の舞台となるのは、今から1000年以上も前の中国です。618年~907年、およそ300年もの間長きにわたって繁栄し、世界的にも有数の国威を誇った唐王朝。この時代の書は、王羲之(おうぎし)が活躍した東晋(317~420)の書とともに、歴史上もっとも高い水準に到達しました。 当代に花開いた様々な書をご覧いただくうえで、展では7つのテーマを設定しました。今回は各テーマとその見どころについて簡単にご紹介したいと思います。 (左)東洋館8室。壁付ケースには、展の主役・顔真卿や初唐の三大家たちの書が刻まれた石碑の全形拓が並び、あたかも碑林にいるかのような気分になります。 (右)台東区立書道博物館。独立ケースでは、

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  • 東京国立博物館

    唐(618~907年)は、王羲之(おうぎし)が活躍した東晋(317~420年)とともに、中国歴史上、書がもっとも高い水準に到達しました。唐時代の書は、栄華を極めた唐文化を象徴するかのように、東晋の書を継承しつつも、東晋とは異なる美しさが追求されました。唐時代に完成された楷書がいかに完成したものであったかは、その後新たな書体が出現しなかったことからも、容易に理解されるでしょう。 唐の太宗皇帝は王羲之の書を崇拝したため、王羲之の格調高い書風は朝野に浸透しました。唐の四大家と称される欧陽詢(おうようじゅん)、虞世南(ぐせいなん)、褚遂良(ちょすいりょう)、顔真卿(がんしんけい)は、王羲之の書法に基づきながら、唐の洗練された気風を盛り込みました。四大家によって確立された美しい楷書は、今も多くの人たちに学ばれ続けています。 2015年は、顔真卿(709~785)の没後1230年にあたります。顔真卿

    東京国立博物館
  • 一遍と歩く 一遍聖絵にみる聖地と信仰 - 東京国立博物館 - 1089ブログ

    こんにちは、保存修復室主任研究員の瀬谷愛です。 10月10日(土)リニューアルオープンの遊行寺宝物館で特別展「国宝 一遍聖絵」をご覧になられた皆様、たいへんお待たせいたしました。 東博でも特集「一遍と歩く 一遍聖絵にみる聖地と信仰」(11月3日(火・祝)~12月13日(日)、館特別1・2室)が始まりました。 遊行寺(清浄光寺)さんの特別展は、現在、全12巻の展示(展示されるのは一部分ずつ)ですが、11月19日(木)から神奈川県立金沢文庫、21日(木)から神奈川県立歴史博物館と3館に分かれて、4巻ずつ、より長く多くの場面が展示されるようになります。 東博を含めて4館をまわると、「一遍聖絵」全12+1巻、全場面がみられるという、まさに夢の一遍祭り!なのです。 さて。 東博の特集は、東博「一遍聖絵」(巻第七、国宝)と天保11年(1840)に狩野晴川院養信の弟子たちが写した「一遍聖絵」模をと

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  • 声が見えたら、何か変わるかもしれない - 東京国立博物館 - 1089ブログ

    トーハクに勤めて何年かした頃、私はふと気づきました。 聞こえない人には私たちの声を伝えられていない、と。 音声ガイドや講演会、ギャラリートークなど、博物館側はみなさんに様々なサービスや情報を、音声を通して提供し、博物館や文化財の魅力を伝えています。 でも、その声を届けられていない人たちがいることは悲しく、寂しく、悔しいことです。 作品には解説文もついているし、見えているからいいじゃないか。 そんな意見もあるかもしれません。 でも、聞こえないために使えないというサービスを使えたら、もっと鑑賞が深まり、楽しめるかもしれません。 そのチャンスはあるべきだと思うのです。 手話通訳をつければいいじゃないか。 そうおっしゃる方もいるでしょう。 でも、手話をコミュニケーション手段としているのは聴覚障害者全体の約2割。 手話は手の動きにだけでなく表情なども合わせて表現していること、専門用語を伝えるための手

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  • 王羲之の複製を作ろう!- 東京国立博物館 - 1089ブログ

    「書聖」つまり「書の神様」として尊敬され、世界史の教科書や書写のお手でもおなじみの王羲之は書を芸術へと高めた最初の人物。 でも王羲之が生きていた時代の直筆(真蹟)はひとつも伝わっていません。 では私たちの書のお手はいったいどうやってつくられたのでしょう?特別展「書聖 王羲之」には一体何が展示されているのでしょうか? それは精巧な複製。 複製をつくる技術には、臨書(りんしょ)や拓(たくほん)などいろいろな技がありますが、そのひとつである双鉤塡墨(そうこうてんぼく)に挑戦するワークショップを開催しました。 双鉤塡墨は書の上に紙を置き、文字の輪郭に沿って線を写し塗りつぶす方法。 「写すとはいっても、文字の書き順を考え、墨の濃淡、筆の運びに注目することが必要」とのお話を胸に刻み、早速双鉤塡墨に挑戦です。 今回は展示中の行穰帖が題材。この作品自体、双鉤塡墨の技術を使ってつくられています。 行穰

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  • 東洋の白磁の起源―中国・6世紀の鉛釉陶と白磁 - 東京国立博物館 - 1089ブログ

    東洋館5室にて開催中の特集「東洋の白磁―白をもとめ、白を生かす」(12月23日(水・祝)まで)。 東京国立博物館では「描くやきもの―奔放なる鉄絵の世界(東洋の鉄絵)」(2007年)、「東洋の青磁」(2012年)と、中国、朝鮮、日、東南アジアのやきものを一堂に集めて、その魅力を紹介する特集を企画してきました。今回の特集は「東洋のやきもの」特集第3弾です。 白磁はやきものの国、中国で生まれました。 その白い胎土は硬く焼き締まり、水をほとんど通しません。清潔感があってどんな料理にも合い、使いやすさからいまや私たちの日常の卓に欠かすことのできないうつわです。また、ガラスのように薄く軽く、光を受けて輝く姿は、華やかな饗応の場でも見劣りすることはありません。そして青花や五彩といった色彩豊かな磁器の礎であることは言うまでもありません。 うつわの王ともいうべき白磁を白磁たらしめるもの、それは透明釉(と

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  • 「クレオパトラとエジプトの王妃展」スカラベを読もう!- 東京国立博物館 - 1089ブログ

    「クレオパトラとエジプトの王妃展」は、9月23日(水・祝)までと、会期残りわずか! そこで、今回は展監修の近藤二郎教授に、見逃し厳禁のおすすめ作品をご紹介いただきます。 早稲田大学の近藤二郎先生 エジプト学が専門で、主にアメンヘテプ3世時代の高官や王墓の研究をされています 私のおすすめは、新王国・第18王朝時代、アメンヘテプ3世(前1388〜前1350年頃)の記念スカラベです。 スカラベとは動物の糞を球形に丸めて巣まで運ぶ俗称「フンコロガシ」と呼ばれるタマオシコガネ属の甲虫。 天空で太陽を運ぶ太陽神ケプリと同一視され、古代エジプトでは印章や装身具などのモチーフとして広く使用されました。 アメンヘテプ3世は、自分の治世に起こった重要なできごとを大型のスカラベに刻みました。これを「記念スカラベ」と呼んでいます。 これらのスカラベは、北はシリアから南はスーダンに至る非常に広い範囲の幾つかの遺跡

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  • 東京国立博物館

    7人の研究員が「交流」をキーワードに、60分のアジア旅行へご案内します。いくつかの展示室をめぐるツアー形式のギャラリートークです。 どなたでもご自由に参加できます。歩きやすいでご参加ください。 東洋館1階エントランスホールに集合してください。

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  • 東京国立博物館

    昨年ご好評いただいた、秋の特別企画「博物館でアジアの旅」を今年も開催します! 「博物館でアジアの旅」は、東洋美術コレクションの優品を展示する総合文化展のほか、アジアに関する数々のイベントが楽しめる特別企画です。東洋美術の魅力を全力でご紹介していきます。 総合文化展「発見!つながるアジアー文化交流の視点で楽しむ東洋館」 アジアの伝統芸能、野外シネマに屋台まで!盛りだくさんのイベント イベントカレンダー 総合文化展「発見!つながるアジアー文化交流の視点で楽しむ東洋館」 アジアの文化を網羅する充実のコレクション、トーハク東洋館。「博物館でアジアの旅」期間中 (2015年9月29日(火) ~ 10月12日(月・祝))は、トーハクが誇る名品中の名品を展示いたします。ぜひこの機会に、東洋館でアジアの旅をお楽しみください。 博物館でアジアの旅

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  • 春日の神々に出会う - 東京国立博物館 - 1089ブログ

    いま、館の特別1室では、「春日権現験記絵模Ⅱ―神々の姿―」と題する特集を行なっています(10月12日(月・祝)まで)。 この特集は、奈良市に鎮座する春日大社に祀られる神々の利益と霊験を描く春日権現験記絵模の魅力とともに、春日信仰の諸相を様々な角度からご紹介する2回目の試みです。昨年は「美しき春日野の風景」をテーマに、描かれた聖地・春日野の風景や、美しい朱塗りの社殿などから、春日の神々への多様な信仰をご紹介しました。今回は「神々の姿」をテーマとしていますが、展示場面を見ていく前に、この絵巻模についてご紹介しておきましょう。 今回展示している春日権現験記絵模の原=春日権現験記絵は、三の丸尚蔵館が所蔵する全20巻の絵巻です。鎌倉時代の後期、時の左大臣西園寺公衡の発願により、高階隆兼という宮廷絵所絵師によって描かれました。通常紙に描かれることの多い絵巻としては異例の絹に描かれおり、数あ

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  • 後水尾院ってどんな人? 特集「後水尾院と江戸初期のやまと絵」- 東京国立博物館 - 1089ブログ

    出版企画室の遠藤楽子です。暑いですね。みなさん夏休みの宿題は終わりましたか。 8月11日(火)から9月23日(水・祝)まで館特別2室で行なわれる特集「後水尾院と江戸初期のやまと絵」を担当しています。展示作業をしていたところ、ユリノキちゃんが原稿の取立てにやってきました。 もとこさん、原稿はまだかしら? みなさん、後水尾院はご存じですか。後水尾天皇と書かれることもあります。いけばながお好きな方は、よく立花の会を開いたということをご存知かもしれません。京都でお寺めぐりをする方なども、お寺の縁起などで名前を見かけたことがあるのではないでしょうか。後水尾院にはたくさんの皇子・皇女があり(早く亡くなった子どもを除いても26人はいたそうです)、門跡寺院の主となったり、お寺を開創したりしています。また、きものや琳派の絵がお好きな方は、尾形光琳の実家の呉服屋であった雁金屋が「東福門院」の御用達だったとい

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  • 東京国立博物館

    中文 特展详细网页 2016年2月10日(水)、入場者が40万人に達しました。 2016年1月14日(木)、入場者が30万人に達しました。 2015年12月11日(金)、入場者が20万人に達しました。 2015年11月20日(金)、入場者が10万人に達しました。 1089ブログ「始皇帝と大兵馬俑」 展覧会の見どころなどを紹介しています。 「永遠」を守る軍団、参上! 人気No1はどのYo? 投票結果(投票期間:2015年10月13日(火)~12月20日(日)) 東京国立博物館 資料館 特別展「始皇帝と大兵馬俑」関連図書コーナー設置 展覧会のみどころ 1 秦王朝の軌跡 周辺の小国から巨大帝国へ 現在の中国甘粛(かんしゅく)省南部にあった小国・秦は、春秋時代になると、陝西(せんせい)省の関中盆地に東遷します。そこはかつて天下に君臨した西周王朝(紀元前11~前8世紀)が都を置いた特別な場所でした。

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  • 東京国立博物館

    20世紀初頭に西域探検を行なった大谷探検隊の将来品とぺリオ将来品を中心にシルクロード美術を紹介します。今回は、シルクロードのオアシス都市で使用された文字をテーマに、トゥルファンやクチャで発見された文字資料を展示します。

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  • 映画『バケモノの子』熊徹の大太刀の秘密とは? - 東京国立博物館 - 1089ブログ

    こんにちは。毎日暑い日が続きますがいかがお過ごしでしょうか。 当館では、館2階の「日美術の流れ」というテーマ展示のうち、5・6室で「武士の装い」というコーナーを設けて古代・中世から江戸時代までの刀剣や甲冑などを陳列しています。 現在、ここでは7月11日(土)から劇場公開されている細田守監督によるアニメーション映画『バケモノの子』に登場する熊徹(くまてつ)が用いている大太刀の外装(刀装)の参考となった作品が陳列されています。 熊徹の用いる刀装について相談を受けたとき 1.舞台は「渋天街」という架空の世界 2.刀装はおおむね江戸時代のものを参考にしたい 3.熊徹はアウトローな乱暴者 という要望が寄せられました。 江戸時代の武士たちは、長い刀剣を普段身に着ける際には、刀剣の刃を上にして左腰の帯に指す「打刀」という刀装を用いていました。 また、熊徹の性格から考えてみた場合、豪快で派手な刀装が適

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  • 東京国立博物館

    清時代(1616~1912年)も18世紀の末頃になると、考証学(こうしょうがく)の進展をうけて青銅器や石碑などの文字を研究する金石学(きんせきがく)が盛んとなり、碑学派(ひがくは)の人々が従来の書の流れを大きく変えるようになります。平成27年は、碑学派の中心人物となった鄧石如(とうせきじょ)の没後210年、包世臣(ほうせいしん)の没後160年、呉煕載(ごきさい)の没後145年にあたります。 安徽省(あんきしょう)懐寧(かいねい)の貧しい家に生まれた鄧石如は、独学で書や篆刻(てんこく)を学び、書や印を売って生計を立てていました。その後、更に見識を広めようと各地を遍歴、幸いにも名家・梁巘(りょうけん)の私設秘書(幕客)となり、その収蔵品を自由に借りながら、猛勉強を続けます。北京に入った際には、時の権力者・翁方綱(おうほうこう)から教養のない人物の書であると排斥されたこともありました。しかし、古

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  • 国宝 和歌体十種の魅力 - 東京国立博物館 - 1089ブログ

    現在、館2室(国宝室)で、「和歌体十種」と「和歌体十種断簡」を展示(6/7まで)しています。 その「和歌体十種」の魅力について、先日はギャラリートークをさせていただきました。 ここでも、魅力について紹介させていただきます。 国宝 和歌体十種(部分) 平安時代・11世紀 ※~6/7まで展示 「和歌体十種」は、壬生忠岑(860?~920?)の著作とされる歌学書で、和歌を十体に分類して説明し、例歌を5首ずつあげたものです。序文や十体の説明は漢字で、例歌は仮名で書写され、漢字と仮名の美しい調和が見られます。 筆者はわからないですが、藤原行成(ふじわらのこうぜい、972~1027)の筆跡に通じるものがあります。 (左) 和歌体十種の「種」 (右) 行成の「重」 国宝「白氏詩巻」(平安時代・寛仁2年(1018) )より この「重」のかたち、よく似ていると思いませんか? 藤原行成は、平安時代中期を代表

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  • 【1089ブログ】平成27年度の新指定 国宝・重要文化財が展示されます!

    毎年恒例の「新指定展」。今年は何が出るのか、心待ちにされている方も多いのではないでしょうか。 今年も新たに彫刻2件が国宝に、また、絵画8件、彫刻7件、工芸品4件、書跡・典籍4件、古文書5件、考古資料6件、歴史資料9件の計46件が重要文化財の指定を受けることになりました。 特集「平成27年 新指定 国宝・重要文化財」(2015年4月21日(火)~5月10日(日) 館8室・11室)にて、これら46件を展示します(写真パネルのみの展示含む)。 ※絵画、工芸品、書跡・典籍、古文書、考古資料、歴史資料は館8室、彫刻は11室で展示します。 詳しくは、展示作品リストをご覧ください。 ここでは、国宝に指定された2件をはじめ、主な作品を紹介いたします。 国宝  木造虚空蔵菩薩立像 平安時代・9世紀 京都・醍醐寺蔵 当館に寄託されているので、展示室でご覧になったことがあるかもしれません。 これまでは聖観音

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  • 東京国立博物館 - 1089ブログ - 日本国宝展の見方~トーハクくん、土偶せんぱいに会いにいく

    ほほーい! ぼくトーハクくん! 今日は、「日国宝展」で大人気の5体の土偶せんぱいに会いに来たんだほ。 (古墳時代の埴輪よりも何千年も古い縄文時代の土偶は、トーハクくんにとって大先輩なのです) 土偶せんぱーい! こんにちは、トーハクくん。 あ、品川さん! 品川さんは「日国宝展」の考古資料の担当なんだほ。 だから、土偶せんぱいとも、とっても仲良しなんだほ。 今回の展覧会で出品されている土偶は、思い入れのあるものばかりだから、 今日はぼくが案内しようか? (さすが、土偶せんぱいのおともだち、親切なんだほ。)品川さん、よろしくお願いしますほ! 早速だけど、ぼくたちが今立っている場所、ここがぼくのおすすめの立ち位置なんだ。 あ! 土偶5体に囲まれているほ!! 第1会場の土偶コーナー。奥に3体、手前に2体の土偶が 展示されています そう、そうなんだよ! 縄文人の「祈り」が形となったのが土偶。 そん

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  • 【1089ブログ】国宝五重小塔出品ものがたり

    「日国宝展」(2014年10月15日(水)~12月7日(日) 平成館)には、たくさんの方々にご来館いただき、ありがとうございます。 展示作品の中でも注目を集めている、「国宝 元興寺極楽坊五重小塔」(奈良・元興寺蔵)。今回の国宝展に出品される全119件のうち、唯一建造物の国宝です(他はすべて美術工芸品)。この巨大な小塔(というのも変な言い方ですが)が展覧会に出品されるまでには、いくつかの超えるべきハードルがありました。いかにして五重小塔は東京国立博物館にやってきたのか。そのものがたりを、これからお話したいと思います。 その前に、少々こみいっていますが、五重小塔の国宝指定の歴史を振り返ってみましょう。 この五重小塔が初めて指定文化財となったのは、明治34年(1901)のことでした。同年8月2日付の官報告示には、「古社寺保存法」により「木造五重塔(伝元興寺塔雛形(ひながた))を「国宝ノ資格ア

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