タグ

ブックマーク / med-legend.com (14)

  • 医学都市伝説 | 飛び降り防止柵は自殺を防いだか?

    昔、自殺対策を理解するためにと称した、こんなクイズというか質問を目にしたことがある。曰く、米国中西部地方都市のとある大学で、キャンパスの一番高い建物の屋上から学生の飛び降り自殺が相次いだ。大学当局はその事態に対処するため、いくつかの対策をとったが、その中で一番効果が高かったのは次のどれかと言うのである。 ①学生向けカウンセリングサービスを拡張した。②大学新聞に自殺報道を禁じた。③建物屋上を立入禁止にした。 正解は③である。効果は①<<②<③なのだという説明も付いていた。自殺する人は死を選ぶ手段そのものに魅せられていることがあり、それが模倣されることも多い。差し当たっての手段を奪われることで自殺そのものを思いとどまることは少なくない。それ故に、一見一番姑息的な対策である③が最も効果があるのだと。 ホンマかいなとは思ったが、ソースもはっきりしない話で、自分で文献を探してみる努力もせず放置してい

  • 医学都市伝説 | 医学隠語としてのドイツ語

    ツイッター経由で「医療者間で使われるドイツ語隠語の造語法に関する考察」(注:PDF)なる論文を知り、一読。今の時代、どこまでドイツ語が医学業界内で隠語として機能しているのか、私は多少疑問であるが、この論文によれば結構生き残っていると言うことである。 看護大学の教官が書いた論文と言うことで、看護婦さんの間で今も使われているものを主に集めたようであるが、確かに医師よりは看護師用語として使われることの方が多いかもしれない。最近は慣れたが、看護婦さんから「Aさんの家族にムンテラお願います」といわれるたび、いまだに少し狼狽えるものなぁ。 私らが研修医だった頃は「ムンテラ」と言う言葉は、今とはちょっと違う意味で使われていた。これはドイツ語の口=Mundと治療法のテラピーを組み合わせ、「口療法⇒言葉で説明して安心させる」というような意味で、それも「適当にその場限りの言葉でごまかす」という素人蔑視のニュア

  • 医学都市伝説 | ハラホロヒレハレ

    昔、「シャボン玉ホリデー」のコントでクレージーキャッツが使っていた「ハラホロヒレハレ」というギャグの出所が、以前から気になっていた。これは、不条理なオチに対する脱力の表現というか、場をシメる約束事である。 なんていうと見た事が無い人には訳が判らんだろうが、例えば何がしかのやり取りの後、谷啓が主人公だったら「ガチョーン」で落とし、他のメンバーは「ハラホロヒレハレ」」と踊り狂って場が終わる、そんな展開になるのである。こう書いたらバカみたいだが、マンネリ化しつつもある種洗練ともいえるコント手法なのであった。 ネットで検索してみても、「失敗したときや、わけがわからないときの気の抜けた状態」、「クレイジーキャッツがシャボン玉ホリデーで使ったギャグ」というはてなキーワードの定義が出てくるぐらいである。浜松町には「ハラホロヒレハレ」と言う名前の居酒屋があるらしいが、店の案内サイトを見てもその名の由来は書

  • 医学都市伝説 | ニセ記憶捏造は脳の得意技

    しばしば「と」系の記事が掲載され,科学雑誌界の東スポとよばれる”New Scinetist”のWeb版最新号に”Brain wiring creates false memories“(脳の配線はニセ記憶を作り出す)という記事が出ていた。 仕事の場だけでなく、日常生活でもしばしば出わす「擬似記憶」がどのように生まれるかという研究の紹介である。実際、これに遭遇するときは、誰がそれを主張しようとウンザリですからなぁ。対処の仕方までわかれば言うことないが、”New Scinetist”ではねぇ。 ざっと目を通せば、結構権威がある”Journal of Neuroscience”誌最新号の論文紹介であったので、眉に唾もつけずに元論文(ただし抜粋)も読んでみる。元の紹介記事とあわせれば、それほどの誤解はせずに済むかもしれない。 バルセロナ大学のルイス・フェンテミラ研究者とその同僚たちは、48人の学

  • 医学都市伝説 | 量子論的サッカーゲーム

    オーストラリア在住のSF作家、グレッグ・イーガンのサイトに公開されているJavaアプレットで書かれた「量子論的サッカーゲーム」。 プレイヤーは黄色とピンクの正方形であらわされていて(キーパーは丸)、まずその動きの速度と方向性を設定し、クリックしてゲームに参加するプレイヤーを選択する。 ボールは、波動関数による存在確率がグラフで示されていて、ボール存在確率が相手方ゴール内の閾値を超え、かつプレイヤーがその近傍にいると得点になる(と思うのだが、よく判らない)。 相手方プレイヤーがボールの存在を観測することによる位置運動情報の変化、と言うようなことまでは考えられていない(と思う)。味方プレイヤー同士では、ボール存在確率に同等の値があれば位置の遷移が起こるらしい。何せ、見ていてもいつの間に得点が入ったのか判らんほどで、起こっていることがよく理解できないのである。 キーボードの操作で波動関数スペクト

  • 医学都市伝説: ニセ神父・牧師はいい商売

    2006年11月08日  ニセ神父・牧師はいい商売 [ニュース] 11月2日のBBCニュースより。 ---------- マーク・ケリーは英国ランカシャーの出身。日に来てもう6年になるが、週末はニセ牧師として過ごす。彼はいう。「ボクは札幌に住んでいて、日語の勉強をしているんだけれど、やっぱお金は欲しいわけよ。英会話学校で教えるより、ニセ牧師をやる方がよっぽど実入りはいいからね」。 「日ではニセ牧師は結構なビジネスなんだよ。ボクはそれを扱う会社のTVコマーシャルに出ているんだ。札幌では5つのエージェンシーが20人のニセ聖職者を雇っているんだけれど、東京だったら数百人はいるんじゃないかな」、彼はそう付け加える。 外国人によるニセ聖職者は、日のいわゆる「洋式婚礼」に雇われ、それ風のパーフォマンスを行うことで雰囲気を盛り上げるが、それは正式な儀式ではない。「日では神道による婚姻儀式が

  • 医学都市伝説 | 目を開いているのに閉じていると感じる錯覚作成法

    視覚、聴覚、触覚(体性感覚[位置覚、振動覚などを含む])、味覚、嗅覚と、古典的に分類される人間の五感は、基的に独立した感覚だと考えられている。 ところが、実際にはこれらの感覚が相互に関連し合う例が観察されており、その理由についてはよく判っていない。 ホバード&ウィリアム・スミス大学の心理学研究者、ウタ・ウォルフ教授とそのスタッフたちは、まぶたの位置感覚が左右の目の明/暗順応の差によって影響されるという、特殊な錯覚例を見いだし報告した。 言うならば、感覚機能のバグを一つ発見したと言う報告なので、自分でも体験してみようと、こちらの紹介記事の手順通り実験開始。当然、元論文ではこんないい加減なやり方ではなく、調光装置付きの暗室をつかった厳密な方法を採用している。 まず、かろうじて光が入る暗めの場所を探す。私の場合はトイレの電気を付けなければ条件にあう事が判ったので、ドアの隙間から入る光でものの輪

  • 医学都市伝説 | エイリアンも神の子にして我らが兄弟

    [バチカン発AP:5月13日]宇宙には知性を持つ生命体がいると信じることは、信仰に反することではないと、バチカンの天文学担当者が先ごろ行われたインタビューで語った。 ホセ・ガブリエル・ヒュネス神父はバチカン天文台の責任者であるが、宇宙の広大さを考えると、知性を持つ地球外生命が存在する可能性はあり得ると語った。 「地球以外の場所では生命が発生しないと、どうしたら言い切ることが出来ますか?」フィネス神父は語る。「我々が地球上の生命を兄弟姉妹と見なすように、地球外の兄弟について語ってはいけないということはありません。それもまた創造の一部分なのですから」。 このインタビューは、バチカン公式新聞「オッセルヴァトーレ・ロマーノ」によって行われた。フィネス神父が「信仰に反する物ではない」と語ったのは、エイリアンもまた神の被造物であるからだ。エイリアンの存在を否定することは、神の創造の自由に制限を付けるこ

  • 医学都市伝説 | 医者は字がヘタというのは本当か?

    医師は字が下手だというのは、よくジョークの題材にされる。実際、これを事実だとする研究論文もいくつか存在している。 この研究の嚆矢となったのは、1976年、メディカル・ジャーナル・オブ・オーストラリアに投稿されたH・ゴールドスミスの論文である。そこでは、多数の医師と非医師の手書き文字を比較する手法がとられた。 著者によれば、「これらの調査で医師の書いた文字が下手くそなのは明らかで、非医師との差は明白であった」という。 一方、これを否定する研究も存在する。1994年、米国インディアナ、ミシガンとバージニアで行われた調査は、内科医の書いた文章と、タイプ打ちされた同じ文章を読む時間を比較するというものだった。 その結果、手書き文を読むのには46%、内容を把握するのには11%しか余計な時間がかからなかった。「医師の書く文字は、言われるほど情けないものではない。医師たちは手書き文章でも充分コミュニケー

  • 医学都市伝説: 足るを知れ

    2007年11月 1日  足るを知れ [医学・科学関連] "Journal of Personality and Social Psychology"誌、最新刊号に掲載された、日系心理学者による論文。原題は"The dynamics of daily events and well-being across cultures: When less is more."(「比較文化的にみた日常イベントと幸福感の力学:控えめなのが一番」)以下に訳出したのは、その内容に関するバージニア大学のプレスリリースである。 自分が幸せだと思うなら、それ以上に幸せを望まない方がいい。そうしないと、幸せの度合いはずっと少なくなるだろう。これが「パーソナリティと社会心理学」誌に掲載された比較文化的研究の要旨である。 バージニア大学心理学教室のオオイシ・シゲヒロ準教授とそのグループは、アジア系米国人学生、韓国、日

  • 医学都市伝説: 医学都市鑑賞能力判定テスト

    2007年10月11日  芸術鑑賞能力判定テスト [ウェブサイト, アートとかグッズなど] 日頃から芸術には一家言あると自称しておられる方々には、まことに都合の悪いサイトがこちら。 絵画、音楽、文学という、ほぼ芸術全分野における鑑賞能力(一部には蘊蓄力も含む)を総合的に判断するクイズが集められている。 まず、こちらの「物か偽物か」クイズでは、有名抽象絵画と単なる奇異な図形との区別が要求される。私は左のクレーを子供のイタズラ書きだとおもい、その隣をカンディンスキーだと思ってしまうていたらくながら、何とか7割の得点を確保。 こちらの「有名画家それとも無名」クイズは、風景画を見てそれが有名画家によるものかそうでないかを当てるもの。無名と言っても、別の分野では有名なアマチュア画家ばかりなのが面白い。私はこのヒトラーの絵を、ユトリロか誰かの習作だと思ってしまったりして、正解率は5割を切るザマ。 他

  • 医学都市伝説: 聖書ジョーク?

    2007年01月04日  聖書ジョーク? [ネタ] まだ世間は正月モードのようなので、初エントリーはお目出度い(?)聖書ネタから。新しく着任した牧師が、教区の家々を挨拶回りしていた。ある家を訪れると、誰か中にいる様子なのに、何度ノックしても返事がない。仕方なく、牧師は名刺を取り出して、裏に「3時20分にお伺い致しました("Revelation 3:20")」と書き、ドアに挟んでおいた。 次の日曜日、教会の礼拝が終わった後、牧師が献金箱を確かめていると、自分の名刺が戻されているのに気がついた。裏に書かれた牧師のメッセージの隣には、"Genesis 3:10."と書き加えてあった。 聖書に詳しい人なら注釈抜きでわかるんだろうが、当然こちらは単なる罰当たりなのでわかるわけもなく、こちらの聖書文検索に頼る。初めのRevelation 3:20というのは、3時20分にお伺いしましたと書いたつもりが

  • 医学都市伝説: 味覚分布地図の神話

    2006年02月27日  味覚分布地図の神話 [都市伝説・デマ・トンデモ] 私が子供の頃、「苦さ、甘さ、すっぱさ、塩辛さなどの味覚要素を強く感じる舌の部位がある」というのが、科学的な事実であると教えられたものだ。例えば苦さは舌の奥の方で感じるので、苦い薬を飲む時はそれより奥に薬を押し込むようにすればいい、などという具合に。(左図参照) 子供心に、そうすれば薬が舌に触れなくなるのだから、部位の問題ではなくなるのではと思わないでもなかったが、つまらん理屈にそった「合理的」行動をしたがるのはガキの常、言われるままに妙な努力をしていたモノだった。それが医学部に入って、耳鼻科の授業だったか、実習の時の雑談だったかで「あれはウソ」と教えられた。味盲検査の時、味覚物質をしみこませたディスクを舌のどこに置いても、正常味覚を持つ人なら感覚に有意な差はないのだと。 たしかに、全く経験的事実に合わないし、もしそ

  • 医学都市伝説: 缶ビールの味が違う(?)わけ

    2005年12月19日  缶ビールの味が違う(?)わけ [都市伝説・デマ・トンデモ] 日では生ビールというものにある種の信仰みたいなものがあって、飲み屋で瓶ビールと普通のビールがあれば、まず生ビールの方を頼むというのが普通である。実際はその中身は全く同じであり、コストパフォーマンスからはむしろ瓶ビールが一番だというのはよく言われることである。 その点、缶ビールはその簡便性、携帯性が有り難がられることはあっても、まず店であれを出すところは少ないし、まして「うまいから」という理由で優先する人は日では少数派であろう。ところがアメリカでは、缶ビールというものは階級的(かなり下の方だけど)飲料の地位を得ている。自宅で飲むにもわざわざ缶を選び、グラスを使わずに直接飲むのがあちらのスタイルである。 当然、あえてそれを好むのには、缶ビールだけにある特別の風味というものが理由にされることが多いのだそうだ

  • 1