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ブックマーク / leeswijzer.hatenadiary.com (45)

  • 「東海大学出版部の撤退」 - leeswijzer: een nieuwe leeszaal van dagboek

    東海大学出版部が出版事業から撤退するという話は数年前からに耳にしていた.ワタクシが『読む・打つ・書く』の最初の企画打合せに郷に出向いた2019年6月のことだ. “理系” の執筆と出版がますます先細りになってきたことが拙著を出す大きな動機のひとつだった.

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  • 『学術出版の来た道』書評 - leeswijzer: een nieuwe leeszaal van dagboek

    有田正規 (2021年10月7日刊行,岩波書店[岩波科学ライブラリー・307],東京, vi+148+10 pp., 体価格1,500円, ISBN:978-4-00-029707-3 → 目次|版元ページ) 読了.これは超オススメ.とくに現役研究者には必読書.学術出版社と学術誌のたどってきた歴史を見渡しつつ,現在のアカデミアの状況がなぜこうなってしまったのかを冷静に記述する.第4章までは学術書・学術論文の出版史が中心だが,第5章以降が出色だ.コンパクトながら,学術出版社の経営・学術誌ビジネスモデルの変遷・オープンアクセス誌の光と影・インパクトファクター煉獄・学術誌包括契約(ビッグディール)・OAメガジャーナルなど主要な問題点がすべて列挙されている. 書『学術出版の来た道』を読み終えて考え込まざるを得ないのは,すぐに実行できるような解決策が「ない」こと,にもかかわらずこのまま放置すれ

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  • 『種を語ること、定義すること:種問題の科学哲学』書評 - leeswijzer: een nieuwe leeszaal van dagboek

    網谷祐一 (2020年12月20日刊行,勁草書房,東京, viii+238+xv pp., 体価格3,200円, ISBN:978-4-326-10288-4 → 目次|版元ページ) 【書評】※Copyright 2021 by MINAKA Nobuhiro. All rights reserved 肩透かしから学ぶ「種問題」の現在「《種》とは何か?」「《種》はどのように定義できるのか?」—— 生物体系学において長きにわたって戦わされてきた「種論争」のなかで幾度も問われ続けてきたこれらの疑問は現在もなお解決できてはいない.地球上の生物多様性を語るとき,誰もが “共通通貨” として使うに値する《種》の概念があればさぞかし役に立つだろう.しかし,過去何世紀にも及ぶ種論争の泥沼から抜け出られる気配はいまだにない.ワタクシはこの種論争は解決されることに意義があるのではなく,いかにしてそれととも

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  • 『在野研究ビギナーズ:勝手にはじめる研究生活』読売新聞書評 - leeswijzer: een nieuwe leeszaal van dagboek

    荒木優太(編著)(2019年9月1日刊行,明石書店,東京, 286 pp., 体価格1,800円, ISBN:978-4-7503-4885-8 → 目次|版元ページ|特設ページ) 読売新聞の小評が公開された:三中信宏「在野研究ビギナーズ 勝手にはじめる研究生活…荒木優太編著」(2019年12月1日掲載|2019年12月9日公開) 研究者といえば、大学や研究機関などに所属し、“職業研究者”として給料をもらっていると思われがちだ。しかし、書の「在野研究者」とは、他の仕事によって生計を立てながら、それと並行して研究を続ける人々を指している。 書に寄稿している計15名ははっきり言えば「在野研究プロフェッショナル」たちである。その彼らがこれから歩みだそうとする「在野研究ビギナー」たちを念頭に編まれた書は章それぞれに野心的であり、同時に現代社会の中で研究とはいかなる営為なのかを鋭く問いかけて

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  • 「文献リストの “闇” は深い」 - leeswijzer: een nieuwe leeszaal van dagboek

    2017年の師走に脱稿した:三中信宏『系統体系学の世界:生物学の哲学がたどってきた道』(2018年4月刊行予定,勁草書房[けいそうブックス])は文献リストが未完成だった.一念発起して各章末に分散していた文献リストを束ねてみたら,重複項目を除いてちょうど1,000項目くらいでおさまりそうな気配だ.かつての『生物系統学』文献リストが1,258項目だったのではやや少ない. それでも,分量が分量なので覚悟はしていたのだがリスト作成ははてしなく続く.リマ翻訳でずいぶん慣れたが,ボールドやイタリックなどの書式指定はすべてマークダウンで行なうととても作業が捗る.千項目もの文献をソートして,蟲捕りして,書式をお化粧するというのはエンドレスな工程だ. それにしても,文そのものよりもむしろ文献リストの方がはるかに “闇” が深いように感じる. 【闇】その一)長い歴史をもつジャーナルの場合,途中で誌名が変更

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  • 『贖罪のヨーロッパ:中世修道院の祈りと書物』 - leeswijzer: een nieuwe leeszaal van dagboek

    佐藤彰一 (2016年11月25日刊行,中央公論新社[中公新書2409],東京, 4 color plates + xii + 286 pp., ISBN:978-4-12-102409-1 → 目次|版元ページ) 5〜12世紀の中世ヨーロッパ修道院史.目撃したかのような詳細な記述が新鮮だ.第5章「修道院の経済活動」では中世の修道院がどのようにして財力を蓄え,写制作などの文化活動を支えてきたかを論じて興味深い.第6章にある鞣皮紙写の製作法:「一巻で五一五頭の仔牛を屠らなければならなかった」「総計で一五〇〇頭を超える数の仔牛の皮が使われたことになる」(p.156)― そりゃあ高価な財産になるはずだ.「活発な造活動をおこなった書写室をそなえた修道院は,広大な所領に料紙を提供してくれる羊や牛を,常時しかも大量に飼育していなければならなかった」(p.156)― 中世の修道院は経済主体として有

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  • 『人間はなぜ歌うのか?:人類の進化における「うた」の起源』 - leeswijzer: een nieuwe leeszaal van dagboek

    ジョーゼフ・ジョルダーニア[森田稔訳] (2017年4月18日刊行,アルク出版,東京, 337 pp., 体価格2,900円, ISBN:9784901213592) 【目次】 序 「音楽の起源」をめぐる探究の広がり 9 第1部 世界に分布する歌のポリフォニー様式第1章 モノフォニーとポリフォニー:世界の「歌う」様式の分布図 19 第2章 人類の「歌う」文化歴史:初期人類の進化過程における合唱歌唱 67第2部 人間はなぜ歌うのか?第3章 人類の歌唱の起源:「歌」と「戦争」 121 第4章 誰が最初の質問を発したのか?:人間の言語・知性の起源 205 第5章 人類はいつ分節した発話に転じたか?:歌うこと,話すこと,そして吃音 233 まとめ 人類の進化と歌唱行動の歴史 269 解説(岡ノ谷一夫) 305 訳者あとがき 312 謝辞 315 出典と註 [337-317]

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  • 『Comparative studies on the behaviour of the Anatinæ』組版のこと - leeswijzer: een nieuwe leeszaal van dagboek

    Konrad Lorenz[Translated by C. H. D. Clarke] (1953年刊行, Reprinted from the Avicultural Magazine, 87 pp., The Avicultural Society, London) この英訳論文の元になった:Konrad Lorenz 1941. Vergleichende Bewegungsstudien an Anatinen. Journal für Ornithologie, 89 (Ergänzungsband 3: Festschrift Oskar Heinroth): 194-293 pdf [open access] は,その後,彼の論文集:Konrad Lorenz『Über tierisches und menschliches Verhalten: Aus dem Werde

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  • 『ヘッケルと進化の夢:一元論、エコロジー、系統樹』 - leeswijzer: een nieuwe leeszaal van dagboek

    佐藤恵子 (2015年9月20日刊行,工作舎,東京, 418 pp., 体価格3,200円, ISBN:9784875024668 → 目次|版元ページ) 【書評】※Copyright 2015 by MINAKA Nobuhiro. All rights reserved ヘッケル山脈の裾野ははてしなく かつて岩波文庫に『生命の不可思議』(後藤格次訳,1928年刊行,全2冊)が入るくらいには知名度があったエルンスト・ヘッケルだが,現在では図版集『生物の驚異的な形』(小畠郁生監修|戸田裕之訳,2009年4月30日刊行,河出書房新社,141 pp., 体価格2,800円,ISBN:9784309252247 → 紹介|目次|版元ページ[新装版])を除けば,ヘッケルの日語訳著作はほとんど入手できなくなってしまった. しかし,地球上の生物多様性とその系統的体系をその卓越した画才を発揮して存

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  • 『Does Science Need a Global Language? : English and the Future of Research』―書評3/3 - leeswijzer: een nieuwe leeszaal van dagboek

    Scott L. Montgomery (2013年5月刊行,The University of Chicago Press, Chicago, xiv+226 pp., ISBN:9780226535036 [hbk] / ISBN:9780226010045 [eBook] → 詳細目次|版元ページ) 【書評】※Copyright 2015 by MINAKA Nobuhiro. All rights reserved 科学の「リンガ・フランカ」がもたらす光と影(3/3) 次の Chapter 5「Past and Future: What Do Former Lingua Francas of Science Tell Us?」(pp. 132-165)では,紀元前6世紀から現在にいたるまでの歴史を振り返り,ラテン語・アラビア語・中国語などのリンガ・フランカがどのような栄枯盛衰の歴史

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  • 『Does Science Need a Global Language? : English and the Future of Research』―書評2/3 - leeswijzer: een nieuwe leeszaal van dagboek

    Scott L. Montgomery (2013年5月刊行,The University of Chicago Press, Chicago, xiv+226 pp., ISBN:9780226535036 [hbk] / ISBN:9780226010045 [eBook] → 詳細目次|版元ページ) 【書評】※Copyright 2015 by MINAKA Nobuhiro. All rights reserved 科学の「リンガ・フランカ」がもたらす光と影(2/3) ここまでのグローバル英語の現状分析に続いて,Chapter 3「English and Science: The Current Landscape」(pp. 68-101)では,科学において英語が占める地位とそれが果たした役割に議論の軸足が移る.まずはじめに,著者は近代科学におけるグローバル言語の推移をたどる.とく

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  • 『Does Science Need a Global Language? : English and the Future of Research』―書評1/3 - leeswijzer: een nieuwe leeszaal van dagboek

    Scott L. Montgomery (2013年5月刊行,The University of Chicago Press, Chicago, xiv+226 pp., ISBN:9780226535036 [hbk] / ISBN:9780226010045 [eBook] → 詳細目次|版元ページ) 【書評】※Copyright 2015 by MINAKA Nobuhiro. All rights reserved 科学の「リンガ・フランカ」がもたらす光と影(1/3) 一昨年,新刊で出たときにすぐ買って読み始めたのに,途中で放り出したまま2年が過ぎてしまった.やっと読了.科学英語歴史と展望を論じたとてもおもしろいであると同時に,英語アウトプットし続けている現役の研究者にとっても得るものが多いだろう. かつて David Crystal[デイヴィッド・クリスタル/國弘正雄訳]『

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  • 『How to Write a Lot: A Practical Guide to Productive Academic Writing』書評篇 - leeswijzer: een nieuwe leeszaal van dagboek

    Paul J. Silvia (2007年刊行,American Psychological Association , Washington DC, xii+149 pp., ISBN:9781591477433 [pbk] → 目次|版元ページ) 【書評】※Copyright 2015 by MINAKA Nobuhiro. All rights reserved 研究者がとにかく「たくさん書く」ための心得集 書はアカデミック・ライティングのための “心の初期化” の指南書である.研究者や学生が「たくさん書く」ためにはどうすればいいかについて,心理学者である著者は具体的な実例を挙げつつその心理学的な根拠とともに論じている.気で「書く気」のある研究者にとっては,けっしてまたいで通るわけにはいかない.もの書きがいささか不調なそこのアナタ,このをしっかり読んですぐ実践しましょう.

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  • 『工作舎物語:眠りたくなかった時代』 - leeswijzer: een nieuwe leeszaal van dagboek

    臼田捷治 (2014年12月10日刊行, 左右社, 東京, カラー口絵 4 + 293 +7 pp., 体価格2,200円, ISBN:9784865281095 → 目次|版元ページ) 【書評】※Copyright 2014 by MINAKA Nobuhiro. All rights reserved 見えなかった系譜が見えた 書は1970年台の工作舎を中心とする人脈と業績について,当時の関係者たちの証言やインタヴューを中心にたどったである.書で主役を演じる松岡正剛さんとはワタクシはずいぶん前に佐倉統さんの出版記念パーティで紹介されたのが唯一の対面だった.もう一人の立役者である杉浦康平さんとは昨年からの〈系統樹の森〉展示の企画段階で何度かお会いした. ワタクシがのちに『系統樹曼荼羅』の共著者となる杉山久仁彦さんと駒場のとある喫茶店で初めてお会いしたとき,「三中さんのこれまでの著

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  • 『椋鳥通信(上)』読み始め感想 - leeswijzer: een nieuwe leeszaal van dagboek

    森鷗外[池内紀編注] (2014年10月16日刊行,岩波書店[岩波文庫・緑6-9],東京,481 pp., ISBN:9784003100691 → 版元ページ) 書『椋鳥通信』は今から1世紀前の1909年〜1913年にかけて雑誌『スバル』に連載されたコラムの集成.日に居ながらにして西欧の最新情報を “つぶやき” 続けた異色すぎる短文集.当時としては異例のスピードでの情報発信だっただろう.そもそも文学が好きではなかったワタクシは, “モリオウガイ” なんて今まで一度も読んだことなかったけど,ざっと眺めた感じでは,このは例外的におもしろすぎる. 『椋鳥通信』の特徴はそのスタイルにある.内容的には江戸時代の『耳袋』のように,世間を飛び交う逸話や伝聞を網ですくい取る.たとえば,死んだはずのオスカー・ワイルドがよみがえったとか,コナン・ドイルが大手術をしたとか,シチリア島のマフィアが記者を殺

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  • 『居酒屋の誕生:江戸の呑みだおれ文化 』 - leeswijzer: een nieuwe leeszaal van dagboek

    飯野亮一 (2014年8月10日刊行,筑摩書房[ちくま学芸文庫・イ-54-1], 東京,318 pp., ISBN:9784480096371 → 目次|版元ページ) 江戸時代のごく短い期間に増えた「居酒屋」のルーツと分化を豊富な挿絵とともにたどる.書で初めて知ったことが多い.日酒造りのはほかにもあるが,書によると,当時流通していた日酒(主として「下り酒」)は早朝から店開きしていた居酒屋で,もっぱら燗酒として提供されていたという.「燗」とは「熱からず冷たからず」の「間」という語源.また「こなから(二合半)」とは一升の半分の半分の意味.供されていた肴としては豆腐の田楽や芋の煮っころがしをはじめ,鍋料理もこのころ誕生したらしい.さらに魚だけでなく,獣肉も “薬い” されていた.肉を包むのに番傘の破れ紙が適していたので傘が品不足になってしまい,代わりに竹の皮でくるむようになったとか.

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  • 『ラインズ:線の文化史』 - leeswijzer: een nieuwe leeszaal van dagboek

    ティム・インゴルド[工藤晋訳] (2014年6月30日刊行,左右社,東京,267+viii pp., 体価格2,750円, ISBN:978-4-86528-101-9 → 目次|版元ページ|原書目次) 【書評】※Copyright 2014 by MINAKA Nobuhiro. All rights reserved ラインが結ぶラインの文化史 序論によれば,書の軸足は「線(ライン)」をめぐる比較文化人類学からの考察にある.しかし,続く章を追って読み進むにつれ,議論の展開は書字・音声・身振りなどから,社会における血縁・系図へと広がり,民族固有の世界観や生命観へとラインがつながっていく.人類学・社会学・哲学・歴史学のさまざまな話題が次から次へと出てくるので,読んでいるとときどき目眩がする.おそらくそれが著者の意図するところなのだろう. 前半の3章はいずれも長大である:第1章「言語・音

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  • 「学者どもに翻訳をやらせるなっ」 - leeswijzer: een nieuwe leeszaal van dagboek

    The cape of an island の三連記事: 「岩波あとがき引用」(2010年8月11日)※岩波文庫(白帯)から翻訳刊行遅延の「おわびの言葉」ピックアップ.10年,20年,30年と遅れまくるのか……(_φ(・・). 「翻訳者「25年前に頼まれた翻訳オワタ\(^o^)/」出版社「え」」(2010年8月23日)※この記事は,以前読んだ. 「雄山「学者どもに翻訳をやらせるなっ!!」中川「ははっ」」(2010年8月26日)※さらに続く逸話の数々. 早い話,いまの研究者や大学のセンセに翻訳なんかしているヒマないって.対外的(業績評価とか)には「利得」はほとんどないようなもんだし.やるとなったら,手練のプロの翻訳者と共訳するのがベストのやり方だと思う.ただし,あるを翻訳して出版社からいただく印税分配は研究者でもプロの翻訳者でも同一なので,印税収入を考えると,確実に増刷がかかるような翻訳を

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  • 『日本語の考古学』 - leeswijzer: een nieuwe leeszaal van dagboek

    今野真二 (2014年4月18日刊行,岩波書店[岩波新書・新赤版1479],東京,viii+258 pp., ISBN:9784004314790 → 版元ページ) 現代につながる過去の日語の読み書きの様相はどのようであったか.どんな点が伝承され,あるいは消えていったのか.書は,日語の読み書きがたどってきた記録を残す歴史資料を具体的に示しながら,このテーマを追究する. たとえば,タテ書き日語文の「行」の認識ひとつをとっても話は単純ではない.第4章「「行」はいつ頃できたのか:写の「行末」を観察する」では行頭禁則処理の長い伝統が垣間見え,続く第5章「和歌は何行で書かれたか:「書き方」から考える日文学と和歌」では改行の規則もまた時代とともに変遷してきたことがわかる. また,第8章「なぜ「書き間違えた」のか ―誤写が伝える過去の息吹」は和書の写伝承プロセスに関する実例を知ることができ

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  • 「蒐書は流転する」 - leeswijzer: een nieuwe leeszaal van dagboek

    ひとりの研究者が蒐集した書籍・雑誌・論文は,退職引退したりあるいは逝去したあとは,潔く古書業界に流してしまうのが最善の選択肢ではないかと思う.在籍した大学や研究機関が個人蔵書を引き取って “未来永劫にわたって” 保管し続けてくれる可能性は現在ではほとんどゼロだから.三年あまり前,「研究上のライブラリーはいかにして生き延びられるか?」(2011年6月19日)という記事を書いたが,当時に比べて状況がよくなったという証拠はどこにもない. 研究者の蔵書は各人ごとにパーソナライズされている.だから,その研究分野が組織的に安定していて後継者にとっても利用価値があるシアワセな場合を除いては,個人蔵書を後に残しても邪魔者扱いされて死蔵の憂き目に遭ったり,廃棄処分(除籍)される可能性も高い.研究者が残した論文別刷りはいまとなっては廃棄するしかしかたない.問題はパーソナライズされた著書や資料.古書業界で売れ

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