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ブックマーク / www.sankei.com (421)

  • フィルムセンター火災から40年 デジタル化で岐路に立つ映画保存、データ消滅の危機も

    国立映画アーカイブ相模原分館の内部。映画フィルムは金属製の缶に収められ、低温、低湿の状態で保存されている=6月19日、相模原市中央区 国立映画アーカイブ相模原分館=相模原市中央区東京国立近代美術館フィルムセンター(現・国立映画アーカイブ=NFAJ)で多くの映画作品が失われた昭和59年の火災から、今年で40年がたった。火災をきっかけに、映画フィルムの保存状況は大きく改善した。しかし、近年急速に進んだデジタル化で、映画が消えたり、散逸したりする危険性が高まっており、映画の保存は岐路に立っている。 火災でフィルム保存に注目昭和59年9月3日、東京都中央区のフィルムセンター5階フィルム収蔵庫で火災が発生。外国映画330巻が焼失した。その中には、当時日にしかなかった独映画「朝から夜中まで」(1920年)も含まれていた。しかし、幸いコピーが作られていたので、作品自体が失われることはなかった。 この火

    フィルムセンター火災から40年 デジタル化で岐路に立つ映画保存、データ消滅の危機も
  • 「えっ!独立?」神奈川県が特別自治市構想否定のパンフレット 3政令市の動きを牽制

    政令指定都市に道府県並みの権限と財源を持たせる「特別自治市」構想を巡り、神奈川県が、「えっ!独立?」「分断」などと否定的な見解を示すパンフレットを公表した。県内では横浜、川崎、相模原の3政令市が構想実現に向けた法制化を目指しており、新たな一手で牽制(けんせい)した格好だ。構想に関する4首長の直接対話は2年間、開催されておらず、膠着(こうちゃく)状態はなお続きそうだ。 神奈川県が公表した特別自治市を否定するパンフレット(県提供)行政サービスに支障?パンフレットの表紙は「えっ!独立?」の大きな文字とともに、神奈川県の地図から3政令市が飛び出していくイラストが描かれている。県は4月にサイトで公表、6千部を作成して県の施設で配布している。 特別自治市構想では、政令市に道府県並みの権限と財源を持たせて特別自治市とし、行政手続きなどを道府県を経由せずに国と直接調整できるようにする仕組みが想定されている

    「えっ!独立?」神奈川県が特別自治市構想否定のパンフレット 3政令市の動きを牽制
  • 猫の相棒はGⅠ馬 「ネコパンチ」入厩でたまらず…北海道新冠町の養老牧場へ

    引退馬の養老牧場「ノーザンレイク」の看板メト。相棒のメイショウドトウとのコンビで大人気だ =北海道新冠町(撮影・尾崎修二) 巨大な馬に寄り添ってポーズを決める。彼の名は「メト」(推定5歳)。 引退した競走馬が暮らす牧場で、サラブレッドに劣らぬ存在感を見せつけている。 彼らの日常を発信するSNSなどで話題となっているのは、北海道新冠町にある引退馬の養老牧場「ノーザンレイク」。競馬ライターとして活躍し、現在は6頭の馬と暮らす佐々木祥恵さんがJRAの元厩務員・川越靖幸代表と2020年7月に開業した。5年ほど空き家だったため荒廃していた牧場の敷地の草刈りからのスタートだった。 引退馬の養老牧場「ノーザンレイク」の看板メト。ほとんど人見知りをしない社交的な“好青年”だ =北海道新冠町(撮影・尾崎修二)引っ越して3日目、どこからともなく現れたメトは最初からとても人懐こく、馬たちとの折り合いも問題

    猫の相棒はGⅠ馬 「ネコパンチ」入厩でたまらず…北海道新冠町の養老牧場へ
  • 最古級の翁系面など初公開 太田古朴が著書で報告しながら所在不明…その後発見

    高野山麓の細川八坂神社(和歌山県高野町)に伝わった翁(おきな)舞などの面8点が、奈良市の奈良大学博物館で開催中の企画展で初公開されている。奈良県吉野町出身の仏像研究家、太田古朴(こぼく)(1914~2000年)が約50年前に著書で報告しながら所在不明だった面で、令和4年に実物が確認された。うち室町時代前期にさかのぼる作とみられる翁系面4点は一組がそろうものとしては最古級で、芸能史上貴重な品という。 4点は翁と三番(さんば)叟(そう)、父尉(ちちのじょう)、延命冠者(えんめいかじゃ)で、古式翁舞の式(しき)三番(さんば)で用いられたそろいの面。このうち父尉と延命冠者の面は、次第に使われなくなり、残存例が少ない。 大河内智之・奈良大准教授(彫刻史)が細川八坂神社に所在不明の面があることを宮司から聞き、古朴の著作に、神社に隣接する阿弥陀堂の仏像修理に際し行った調査成果として存在が記されていること

    最古級の翁系面など初公開 太田古朴が著書で報告しながら所在不明…その後発見
  • 「のぞくと自分の顔がぼんやり映った」…富雄丸山古墳、1600年前の青銅鏡発見の瞬間

    大勢の報道陣を前に副葬品について説明する柴原聡一郎さん(右)=3月12日東アジア最大の蛇行剣などの発見で一躍脚光を浴びた奈良市の富雄丸山古墳(直径109メートル、4世紀後半)。昨年12月に始まった木棺の発掘は、副葬品など被葬者の謎に迫る調査とあって全国から注目され、担当者も想像以上の緊張を強いられた。「わずかな遺物も見逃さない」。現場では通常のスコップとは別に、つまようじや竹べらを使って土を一粒ずつ取り除くような作業が続き、青銅鏡や漆塗りの竪櫛(たてぐし)発見に結びついた。 土を少しずつ取り除いてようやく見つかった青銅鏡。木棺の端に3枚が重ねて置かれていた(奈良市教育委員会提供) 「鏡だ」思わず拍手2月末、木棺の底まであと数センチ。残りの土を竹べらで取り除いていくと、黒光りした金属製品が姿を現した。表面は磨かれたような滑らかさ。「鏡だ」。直径20センチほどの青銅鏡が完全な形で残り、さびもほ

    「のぞくと自分の顔がぼんやり映った」…富雄丸山古墳、1600年前の青銅鏡発見の瞬間
  • 「先代からの夢」縁起絵巻修復へ 清水寺の「奥之院」京都・山科の法厳寺

    大津市と京都市山科区の境にそびえる音羽山(標高593メートル)の山科側の中腹に、京都・清水寺の「奥之院」と呼ばれる古刹(こさつ)がたたずんでいる。かつて修験道の聖地として隆盛した法厳寺(ほうごんじ)で、開祖は清水寺と同じ延鎮。古代以来の深淵(しんえん)な歴史を伝えるが、山寺のため参拝者は少なく建物や文化財の傷みは激しい。こうした中、寺宝の「法嚴寺縁起絵巻」が京都の文化遺産を守る基金の支援を受け修復されることになり、再興への一歩を踏み出した。 <770年、小嶋寺(奈良県高取町の子嶋寺)の延鎮は、金色に流れる水に導かれて音羽山に入山し、行叡(ぎょうえい)という仙人と出会う。行叡は「観音像を彫ってこの地に祀(まつ)れ」と延鎮に言い残して去っていく…> こうした開山伝承を記した7メートル超の法嚴寺縁起絵巻は、寺の根幹をなす宝。江戸時代前期の作成と推定され劣化が目立っているが、文化財に指定されていな

    「先代からの夢」縁起絵巻修復へ 清水寺の「奥之院」京都・山科の法厳寺
  • 坂本龍一さん死去1年 音楽家・大友良英さんが語る「新しい音を探り合った」存在

    音楽家の坂龍一さんが71歳で他界し、3月28日で1年が経過する。 坂さんは1980年代、細野晴臣さん(76)、高橋幸宏さん(昨年1月死去)による3人組バンド「YMO(イエロー・マジック・オーケストラ)」で世界的ヒット曲を生み、映画音楽では88年に「ラストエンペラー」の楽曲で米アカデミー賞を受賞。92年には、バルセロナ五輪の開会式で音楽を担当するなど、活躍の場は多岐に渡る。晩年はがん闘病のなか新作を発表。新しい音を求め続け、年齢を感じさせない新境地をのぞかせた。 2010年以降、即興演奏のパートナーとして、国内外で坂さんとステージを共にしてきたのが音楽家の大友良英さん(64)。この1年を振り返り、いまの思いを聞いた。 インタビューに応じる音楽家の大友良英さん=3月12日午後、東京都千代田区(関勝行撮影) 唯一無二の存在「坂さんの訃報は、世界的に替えがきかない存在を失い、私にとっても大

    坂本龍一さん死去1年 音楽家・大友良英さんが語る「新しい音を探り合った」存在
  • 【今週の注目記事】運転士、緊張の一瞬 デッドセクションを切り抜けろ 交直切り替え、JRに7カ所(1/3ページ)

    鉄道の電化方式の種類は直流と交流に分かれ、またがって列車が運行する場合は車両の電気方式を切り替える必要がある。このような区間はJRでは北陸線敦賀-南今庄(福井)など全国に7つ。切り替えの手順は、境界にデッドセクションという架線に電気を流さない区間を設定し、列車が惰性で走る間に運転士が電気方式をスイッチで変えるというもの。一瞬とはいえ電気が通っていないため、国鉄時代の車両などは車内の照明が消え、驚く乗客も見られた。 鳴り響く自動音声 JR西の北陸線を走る普通電車521系。福井側から長い北陸トンネルを抜けると敦賀駅(福井)は目前だ。すると運転席に自動音声が繰り返し鳴り響く。「間もなく交直切り替え」。同線の上り線はトンネルを出た直後の地点で、電化方式が交流から直流に変わるのだ。切り替えは、架線に給電されていない数十メートルあるデッドセクションを惰行で通り抜けるときに運転士が行う。その注意喚起のア

    【今週の注目記事】運転士、緊張の一瞬 デッドセクションを切り抜けろ 交直切り替え、JRに7カ所(1/3ページ)
  • 山梨県知事が推進する富士山登山鉄道 関連事業者中心に反対組織発足へ

    山梨県富士吉田市の堀内茂市長は4日の定例会見で、近く富士山登山鉄道に反対するための組織が発足することを明らかにした。山小屋組合など富士山の関連事業者などが中心となって設立し、富士吉田市だけでなく、県内の自治体や県外からの参加を促し、広範囲で反対活動を進めていく考えだ。 山梨県の長崎幸太郎知事が推進する富士山登山鉄道構想は、麓と5合目を結ぶ有料道路「富士スバルライン」上に、軌道を敷設して次世代型路面電車(LRT)を走らせるもの。一般の自動車やバスは通行できないようにすることで、来訪者をコントロールし、富士山の過剰な混雑を防ぐ狙いだ。 これに対し、富士吉田市議会や堀内市長は反対を表明。富士山が信仰の山であり、自然や環境破壊につながる懸念、富士山の地質などから鉄道は構造上難しいことを理由にしている。 堀内氏は、近く発足する組織には「執行部の中核には入らず、顧問などの形で参画する」予定だとしている

    山梨県知事が推進する富士山登山鉄道 関連事業者中心に反対組織発足へ
  • ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が天文学に革命起こす 130億年前の初期宇宙の発見続々

    ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡のイメージ(NASA提供)138億年前の誕生から数億年後の初期宇宙には、重い元素の窒素や多数のブラックホールが予想以上に存在し、星も活発に生まれていた―。誕生後間もなくは軽い元素だけだったとする従来の宇宙像を覆す発見が最近、続いている。立役者は2022年に運用が始まった米航空宇宙局(NASA)のジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)。大量の観測データが、天文学に革命を起こしている。 「初期宇宙の研究で過去20年間に見られなかった進展が、この1年で押し寄せている」。東京大宇宙線研究所の大内正己教授は興奮気味に語る。 大昔の宇宙の姿は、遠くの天体を観測することで分かる。天体からの光は地球に届くまでに時間がかかるので、例えば130億光年以上離れた天体の観測は、130億年ほど前の姿を見ていることになる。ただ、宇宙が膨張を続けていることによって、はるか遠くの天体から

    ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が天文学に革命起こす 130億年前の初期宇宙の発見続々
  • 能登地震 「思い出深く思ってきた地域、心からお見舞い」 記者会見全文(上) 天皇陛下64歳

    --この1年、明るい話題があった一方、新年には能登半島地震が発生し、多くの方が亡くなり、避難生活を余儀なくされています。この1年を振り返って、印象に残る出来事をお聞かせください 「年明けから間もない今年の元日の夕方に発生した能登半島地震は、お正月に家族で集まっていた多くの家庭を襲い、大勢の方が亡くなり、また、けがをされたり、住まいを無くされたりしました。今回の地震に見舞われた能登地域は、雅子も私も、それぞれ学生時代に訪れて、思い出深く思ってきた地域であるとともに、昨年10月に、二人で揃(そろ)って金沢市を訪問し、県民の皆さんに温かく迎えていただいたことが特に心に残っており、その石川県において、多くの方が犠牲となられ、今なお安否が不明の方がいらっしゃることや、避難を余儀なくされている方が多いことに深く心を痛めております。亡くなられた方々に心から哀悼の意を表しますとともに、御遺族と被災された方

    能登地震 「思い出深く思ってきた地域、心からお見舞い」 記者会見全文(上) 天皇陛下64歳
  • 考古学で日韓の懸け橋に 橿考研4年ぶりに交換派遣再開

    奈良県橿原市の県立橿原考古学研究所(橿考研)で、韓国の若手研究者2人が1月から、古代日と朝鮮半島の関係などをテーマに研究に取り組んでいる。橿考研と韓国の大学や研究機関とは20年ほど前から研究員の交換派遣を行っていたが、新型コロナウイルス禍で中断し4年ぶりに研究交流が再開。幅広い視野をもつ人材育成と両国の懸け橋へ期待がかかる。 来日しているのは、韓国国立文化財研究院の学芸研究士、イ・チョロンさん(38)と、ソウル大学校人文大学大学院国史学科の崔瑛恩(チェヨンウン)さん(28)。イさんは交換派遣で1月中旬から3月末まで、崔さんは交換派遣とは別に1月末に来日し今月22日まで滞在して研究に取り組む。 2人はもともと古代の日に関心があり、高校・大学生のころから韓国で日語を学び、橿考研の研究員とは考古学の専門用語もまじえて会話をしている。 イさんは、日の須恵器と関係が深い朝鮮半島南部・伽耶(か

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  • 「中世哲学」が静かなブーム 「幻の名著」重版も 善に満ちた世界観、回復志向の兆しか

    中世哲学に関する書籍が手に取りやすい文庫や新書で相次ぎ出版され、反響を呼んでいる(酒井真大撮影)西洋中世の哲学に関する書籍が続々刊行され、静かな反響を呼んでいる。長らく入手困難で「幻の名著」と呼ばれていた専門書が復刊後に版を重ね、中世スコラ哲学の最高峰とされる大著『神学大全』も手に取りやすい文庫になった。プラトンやアリストテレスらの古代哲学と、多士済々の感がある近現代思想。そのはざまに隠れて見過ごされがちだった中世哲学の深遠な魅力が一般の読者にも発見されている。 大著『王の二つの身体』復刊、重版も「これは祭りだ」「もう一回読もう」…。

    「中世哲学」が静かなブーム 「幻の名著」重版も 善に満ちた世界観、回復志向の兆しか
  • 藤原道長ゆかりの法成寺跡から鮮やかな緑釉瓦、遺構の出土は初 思いはせる「光る君へ」の世界 

    平安時代に権勢を振るい、今年の大河ドラマ「光る君へ」に主人公の紫式部とともに登場する藤原道長が創建した寺院「法成寺(ほうじょうじ)」跡(京都市上京区)から、当時の井戸跡と鮮やかな色彩の緑釉(りょくゆう)瓦の破片が出土し、市考古資料館が16日発表した。法成寺の遺構が出土したのは初めて。 法成寺は道長が寛仁3(1019)年の出家後に建てた寺院で、鎌倉時代末期の14世紀前半に廃絶した。その後、度重なる鴨川の氾濫で寺跡は流され遺構も見つかることもなく、未解明の部分が多かった。 京都御苑東隣に建つ梨木神社境内でのマンション建設に伴い、民間調査団体「古代文化調査会」が寺跡の北西角の約500平方メートルを発掘調査。井戸跡(直径2・2メートル、深さ1・75メートル)と寺域の北限を示す東西溝が出土した。いずれも一緒に出土した土器などから道長時代の遺構と判明した。 法成寺の北西角から出土した井戸跡。寺の遺構と

    藤原道長ゆかりの法成寺跡から鮮やかな緑釉瓦、遺構の出土は初 思いはせる「光る君へ」の世界 
  • 日本人の識字率は高いのか 揺らぐ根拠、戦後教育にも影響?

    「日人の識字率は極めて高い」。長く共有されてきた常識の根拠が近年、揺らいでいる。戦後まもなく実施された日人の読み書き能力に関する調査に依拠して広まった常識だが、結果のごく一部が切り取られ定着した可能性があることが明らかになってきたからだ。調査を研究する専門家は「長く共有された常識で日人が『思考停止』していたとすれば、戦後教育に与えた影響は大きい」と指摘。識字率に関する科学的再検討が必要との見方を示した。 GHQの意向日人の高い識字率の根拠となってきたのは、連合国軍総司令部(GHQ)の意向を受けて昭和23年に行われた調査だ。結果は26年に「日人の読み書き能力」(東京大学出版部)として公表された。 調査は全国の15~64歳を対象に約1万7千人が参加。全90問の90点満点で、0点(1・7%)は「かなさえ正しく読み書きできない」と評価され、これに「かなはどうにか読み書きできるが漢字はまっ

    日本人の識字率は高いのか 揺らぐ根拠、戦後教育にも影響?
  • ちんどん屋のルーツは大阪 時代の姿伝える企画展 大阪大学総合学術博物館で開催

    鉦(かね)や太鼓を鳴らして町中を歩き、商品などを宣伝する「ちんどん屋」をテーマにした企画展が、大阪大学総合学術博物館(大阪府豊中市)で開かれている。時代の姿を伝える写真、実物の楽器や衣装など約60点を展示しており、実はちんどん屋のルーツは大阪であることも伝えている。 ちんどん屋の仕事道具、鉦や太鼓などを紹介する楽器コーナー=豊中市「江戸時代に売り声のうまさを生かし、宣伝を請け負った大阪・法善寺のあめ売り・飴勝が、広告代理業のちんどん屋の元祖とされています」 展示を手がけた同大中之島芸術センターの山崎達哉特任研究員は説明する。 「飴勝の弟子が芝居の口上をまねて『東西、トーザイ』を使っていたことから、『東西屋』と呼ばれるようになったようです」 山崎さんによると、東西屋一派の秋田柳吉が上京し、明治18年に「広目屋」を名乗り、宣伝行列のような形に進化させた。その後、同業者が続々と現れ、「東西屋」「

    ちんどん屋のルーツは大阪 時代の姿伝える企画展 大阪大学総合学術博物館で開催
  • 【一聞百見】「とにかく子供の声を聴く」…大阪・西成でヤングケアラーと向き合う 阪大教授・村上靖彦さん

    日常的に家族の介護や看護などの世話をする「ヤングケアラー」が注目されるようになったのは、ここ数年のことだ。言葉が知られるようになるにつれ支援策も拡充。手が差し伸べられる場面も増えた。一方「子供たちをヤングケアラーにしてしまった」と、家族が過剰に責められることもある。だが、家族もケアを必要とする状況だったからこそ、彼らの境遇につながったともいえる。長年にわたり「ケア」について研究する大阪大学の村上靖彦教授(52)は、ヤングケアラーという言葉を「誰かを責め立てるラベリングにしてはいけない」と説く。 大阪大学の村上靖彦教授孤独深め命絶った教え子英語のケアという単語には「世話をする」のほか「心配する」「気づかう」といった意味も含む。ヤングケアラーという言葉に、病気の両親の世話や高齢者の介護など、来社会が担う苦役を引き受ける子供の姿というイメージを持つ人もいるが、村上さんは「必ずしもそうではない」

    【一聞百見】「とにかく子供の声を聴く」…大阪・西成でヤングケアラーと向き合う 阪大教授・村上靖彦さん
  • 「JT-60SA」が初プラズマに成功 核融合実験

    次世代のエネルギー源として期待される核融合の実験施設「JT-60SA」(茨城県那珂市)が23日、初めてプラズマの生成に成功した。量子科学技術研究開発機構(量研)が24日、発表した。 JT-60SAは日欧が共同で建設したもので、核融合反応を起こすのに必要な高温のプラズマ(固体・液体・気体に次ぐ物質の第4の状態)を発生させる実験装置。トカマク型というプラズマを磁場で閉じ込める方式の装置では現時点で世界最大だ。 2020年3月に完成して試験運転を開始したが、電気系統の不具合で21年3月に停止。補修を経て、今年5月に運転を再開し、プラズマの生成を目指していた。 今回の成功について、量研・那珂研究所トカマクシステム技術開発部長の東島智氏は、「各構成機器が連動して、システムとし機能することが実証でき、装置の基性能が確かめられた」と話した。今後は1カ月ほどをかけて、プラズマの維持や性能向上に関する実験

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  • 奈良・斑鳩の舟塚古墳、石室は「片袖式」 6世紀後半に築造

    奈良県斑鳩町法隆寺の円墳「舟塚古墳」(推定直径約20メートル)で、横穴式石室の構造や築造年代が分かり、発掘調査を担当した町教委と奈良大学が7日、発表した。石室は、被葬者を安置する玄室が通路・羨道から左側に張り出した「片袖式」と呼ばれる構造であることが判明。出土した須恵器により築造が6世紀後半であることも分かった。9日に現地説明会を開く。 舟塚古墳は現存する墳丘部が直径8・5メートルで、石垣で囲われている。今年2~3月の前回の第3次調査で横穴式石室の一部を確認。8月3日から始まった今回の4次調査(今月16日までの予定)では、墳丘中央付近の約13平方メートルを発掘した。 その結果、羨道部は破壊され、石室の天井石が抜き取られていることが明らかに。玄室は長さ3・8メートル、幅1・6メートルで、入り口(玄門)から見た正面の奥壁は5段以上の石材が積まれていた。玄室の規模や出土品などから地域の有力者2人

    奈良・斑鳩の舟塚古墳、石室は「片袖式」 6世紀後半に築造
  • 和楽器文化 伝承へ正念場 貸与事業終了、ファン開拓へ意欲

    箏(こと)や三味線といった和楽器は日の伝統文化でありながら、身近な存在とは言い難い。新型コロナウイルス禍が追い打ちとなって和楽器メーカーが廃業の危機に陥り、文化庁はメーカーから楽器を買い上げ、高校や大学の部活動やサークルに貸し出す事業を展開してきた。しかし、この事業は今年度で終了。演奏者を増やすだけでなく和楽器コンサートのファンを広げる必要もあり、苦境を脱する模索が続いている。 「古くて状態の悪い箏が多く、いい楽器を弾かせてあげたかった」。文化庁の事業に応募し、昨年度から6面の箏を貸与された中高一貫校の兵庫県立芦屋国際中等教育学校(同県芦屋市)の邦楽部顧問、亀野桂子教諭はこう話した。 もともとある箏は、寄贈品や安価な中古品ばかり。邦楽部の生徒たちは「音が全然違う」「弾くのがますます楽しい」と声を弾ませた。 文化庁は楽器の貸与のほか、演奏会の経費も支援。神戸大邦楽部は今年の定期演奏会を学外

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