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ブックマーク / www.todaishimbun.org (15)

  • 夢は世界史の教科書に馮夢龍の名が載ることー 東大随一の蔵書家・大木康教授インタビュー - 東大新聞オンライン

    棚から東大教員の長年にわたる知の蓄積の一端が垣間見えるのではないかー そんな思いから生まれた新連載「東大教員の棚」。初回は東大の研究者の間でも大変な蔵書家として知られ、「東大教授の棚」という企画ならまずはこの人にと推薦された東大東洋文化研究所(以下、東文研)の大木康教授。しかし、大木教授の専門は「馮夢龍(ふうぼうりょう)」。聞いたことがあるという人は少ないだろう。この文学者を研究するのになぜそれほどのが必要だったのか。来年の定年退職を前に、を切り口として、研究人生について語ってもらった。 (取材・宮川理芳 撮影・臧喜来) 『三国志』も『雨月物語』も 馮夢龍は明代の出版文化のキーパーソン ━━先生の専門は明代の文学者・馮夢龍ですが、この作家は日ではそれほど知られていないようです。どんな人ですか 知名度が低いのは私の力不足かもしれません。でも実はかなり広く影響力を持った人物でした。

    夢は世界史の教科書に馮夢龍の名が載ることー 東大随一の蔵書家・大木康教授インタビュー - 東大新聞オンライン
  • 「合成母音? 声調? 名詞の性?」 歴史言語学で紐解く「2外」の謎 - 東大新聞オンライン

    東大の前期教養課程の1年生の多くは、初修外国語(いわゆる「第二外国語」「二外」)として(表1)にある言語のいずれかを1年間学ぶ。学習を進めると、不条理・不規則に思えるような現象に出会うこともあるはずだ。しかし、その「不条理・不規則」は、その言語以外の言語でも見られる「規則的」な変化と関わっていることがある。一体どのような説明ができるのだろうか。歴史言語学などが専門の小林正人教授(東大大学院人文社会系研究科)への取材などから、初修外国語の「なぜ」を解き明かす。(構成・金井貴広、小原優輝) 図表はいずれも東京大学新聞社が作成 ① 複合母音(フランス語)、合成母音(韓国朝鮮語) ② 声調(中国語) ③ 男性名詞・女性名詞(イタリア語・スペイン語・フランス語)、中性名詞(ロシア語・ドイツ語) ④ 「have」+過去分詞と「be」+過去分詞の二つの現在完了形(過去形)(ドイツ語・イタリア語・フランス

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  • 戦争だけが歴史じゃない 2024年大河ドラマ「光る君へ」時代考証・倉本一宏教授インタビュー【後編】 - 東大新聞オンライン

    2024年の大河ドラマ「光る君へ」。紫式部が主人公となる作は、平安貴族の世界を描く初めての大河ドラマとなる。「光る君へ」の時代考証を務めるのは、日古代史・古記録学を専門とする倉一宏教授(国際日文化研究センター・総合研究大学院大学)だ。大河ドラマの見方や、日古代史研究の魅力、歴史への向き合い方について話を聞いた。(取材・山口智優) 【前編はこちら】 戦争だけが歴史じゃない 2024年大河ドラマ「光る君へ」時代考証・倉一宏教授インタビュー【前編】 倉一宏(くらもと・かずひろ)教授(国際日文化研究センター・総合研究大学院大学) 89年東大大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。09年より現職。著書に『紫式部と藤原道長』(講談社)、『平安貴族とは何か三つの日記で読む実像』(NHK出版)など。 好きなことに打ち込んだ学生時代 ゼミから開けた将来の道 ──東大ではどのよ

    戦争だけが歴史じゃない 2024年大河ドラマ「光る君へ」時代考証・倉本一宏教授インタビュー【後編】 - 東大新聞オンライン
  • 戦争だけが歴史じゃない 2024年大河ドラマ「光る君へ」時代考証・倉本一宏教授インタビュー【前編】 - 東大新聞オンライン

    2024年の大河ドラマ「光る君へ」。紫式部が主人公となる作は、平安貴族の世界を描く初めての大河ドラマとなる。「光る君へ」の時代考証を務めるのは、日古代史・古記録学を専門とする倉一宏教授(国際日文化研究センター・総合研究大学院大学)だ。大河ドラマの見方や、日古代史研究の魅力、歴史への向き合い方について話を聞いた。(取材・山口智優) 倉一宏(くらもと・かずひろ)教授(国際日文化研究センター・総合研究大学院大学) 89年東大大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。09年より現職。著書に『紫式部と藤原道長』(講談社)、『平安貴族とは何か 三つの日記で読む実像』(NHK出版)など。 【後編はこちら】 研究者を目指したきっかけや、平安時代の「リアルな歴史」を学ぶことの重要性について聞きました。取材こぼれ話も合わせて掲載しています。 史実とドラマは別物 区別して楽しんで ─

    戦争だけが歴史じゃない 2024年大河ドラマ「光る君へ」時代考証・倉本一宏教授インタビュー【前編】 - 東大新聞オンライン
  • 「スピン軌道液体」を発見 - 東大新聞オンライン

    研究チームが合成したプラセオジム酸化物Pr2Zr2O7の単結晶 唐楠特任研究員(研究当時)、中辻知教授(ともに東大大学院理学系研究科)らは米ジョンズホプキンス大学や独マックスプランク研究所などとの共同研究により、Pr2Zr2O7という物質中で「スピン軌道液体」という新奇な量子もつれ状態を実現することに成功したと発表した。成果は12月1日付の英科学雑誌『Nature Physics』に掲載された。 量子もつれとは、ある粒子の状態と別の粒子の状態どうしが互いに相関する現象のこと。例えば、物質中で電気を運ぶ粒子である電子は磁石としての性質「スピン」を持ち、磁石のN極が上向きになっている状態と下向きになっている状態をとることができる。物質中に存在する非常に多数の電子のスピン状態が量子もつれを起こした「量子スピン液体」を実現している物質の候補は数多く報告されてきた(関連記事)が、今回研究チームが発見

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  • 劇評の大家・渡辺保さんに聞く 「市川團十郎」とは何か - 東大新聞オンライン

    昨年11月、13代目市川團十郎が誕生した。コロナ禍で席数を減らし業績も低迷していた歌舞伎座が、襲名を受けて息を吹き返している。「市川團十郎襲名」とは何がそれほど特別なことなのだろうか。「市川團十郎」とは、「市川宗家」とは一体何なのか。歌舞伎劇評の大家として知られ、東大でも教壇に立っていた渡辺保さんに、歌舞伎と聞いて縁遠く感じてしまう人に向けて解説してもらった。(取材・宮川理芳) ━━「市川團十郎」はなぜこれほど特別なのでしょうか 理由は江戸時代の元禄期にまでさかのぼります。歌舞伎の演技様式が確立したのが元禄期ですが、この頃歌舞伎は幕府の認可した劇場でしか行うことはできませんでした。江戸中期以降は中村座、市村座、森田座の三つ。それぞれの代表(座元)が、中村勘三郎、市村羽左衛門、森田勘彌で、何か不祥事が起きればこの三人が幕府に呼ばれました。しかし團十郎は名優でありながらどうしても座元になること

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  • 記者=作家=編集者だった? 「編集者」の仕事はどう変化したか - 東大新聞オンライン

    出版物の裏には編集者がいる。昨年、東大卒の漫画編集者千代田修平さんに現在の編集者の仕事について取材し、作家やさまざまな人と協力して作品を作りあげる編集者像を見た。(記事はこちら)記事では出版・読書文化史が専門の前島志保教授(東大大学院総合文化研究科)と近代文学が専門の出口智之准教授(東大大学院総合文化研究科)に、明治時代から戦後までの編集者の仕事内容について取材した。新聞や雑誌が日で登場し始めた当時の編集者像と、その変化に迫る。(取材・佐藤健) 新たな媒体から生まれた記者と作家の分業体制 編集者の歴史について前島教授は「編集者が裏方に徹するために発言をあまり残しておらず、分からないことも多いのが実情です」と語る。その中でも、新聞や雑誌が定着した明治後期以降、出版の商業化・大衆化が顕著になった大正期から昭和初期を画期として、編集者像に変化が見られるという。 新聞が日で登場した当初は、新

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  • 「古典に参加せよ」 渡部泰明教授退職記念インタビュー - 東大新聞オンライン

    東大での教員生活を終える今、自身の研究生活や多彩な活動を振り返りつつ、思いの丈を語ってもらう退職教員インタビュー。今回は、和歌がなぜ時代を超えて持続したのかという問題意識を核としてさまざまな研究成果を残すとともに、古典教育にも精力的に取り組んできた渡部泰明教授(東大大学院人文社会系研究科)に、和歌の質や古典教育の意義などについて幅広く話を聞いた。 (取材・山﨑聖乃) 渡部泰明(わたなべ・やすあき)教授(東京大学大学院人文社会系研究科)84年東大大学院人文科学研究科(当時)博士課程退学。博士(文学)。上智大学助教授、東大大学院人文社会系研究科助教授などを経て、06年より現職。 中世和歌史の動態を解明 ――最大の研究成果は 2017年に『中世和歌史論――様式と方法』で、念願であった中世和歌の歴史を自分なりの観点からまとめることができました。角川源義賞をいただいたこともあり自身の最大の研究にお

    「古典に参加せよ」 渡部泰明教授退職記念インタビュー - 東大新聞オンライン
  • 国語教育・メディアから見る ことばの「正しさ」とは - 東大新聞オンライン

    メディアなどで取り沙汰される「誤った」ことばの数々。しかし、来変わり続けることばに「正しさ」などあるのだろうか。その「正しさ」は何によって規定されるのだろうか。国語教育に携わる専門家と、新聞で「正しい」ことばを発信し続けてきた編集者と共に、教育・メディアの立場からことばの「正しさ」について、再考したい。 (取材・山中亮人) 伝える相手に配慮を 宇佐美 洋(うさみ よう)教授(総合文化研究科)97年人文科学研究科(当時)博士課程中退。博士(日語学・日教育学)。国立国語研究所准教授などを経て、19年より現職。 「正しさ」がぶれる理由に、ことばの変化がある。一般的に言語変化は「労力を減らす方向に向かっている」と日語学・日教育学を専門とする宇佐美洋教授(総合文化研究科)は話す。例えば「してしまう」が「しちゃう」となったり、ガ行鼻濁音が通常の濁音に統一されたりするのは、発音や記憶の負担

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  • ことばの源を探る ことばの獲得と新たな言語の誕生から - 東大新聞オンライン

    ヒトはどのようにしてことばを獲得したのか。また、新たな言語はどのようにして誕生してきたのか。「言語の発生」というテーマの下、言語起源、そして異言語同士の接触で生まれるクレオール語について、それぞれの分野の専門家に話を聞いた。 (取材・米原有里) 歌から単語、そして文法へ 岡ノ谷 一夫(おかのや かずお)教授(総合文化研究科)89年米メリーランド大学大学院博士課程修了。Ph.D.(理学)。10年より現職。著書に『言葉はなぜ生まれたのか』(文藝春秋)など。 鳴き声である程度のコミュニケーションをとる動物ならたくさんいる。しかしその中でもことばを使う能力はヒト特有のものだ。なぜ、ヒトはことばを獲得するに至ったのか。言語の起源について、岡ノ谷一夫教授(総合文化研究科)は歌が鍵を握るのではないかと考える。 動物の鳴き声とコミュニケーションの研究を重ねてきた岡ノ谷教授は「ことばを使う能力はヒトのみのも

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  • 特定の文字から特定の色を想起する色字共感覚 文字の知識で想起する色変化 - 東大新聞オンライン

    浅野倫子准教授(立教大学)と横澤一彦教授(人文社会系研究科)らは21日、特定の文字から特定の色を想起する「色字共感覚」で、各文字についての知識次第で想起される色が変わると発表した。色字共感覚と言語処理の間の密接な関係が明らかになり、人間の多様な認知処理の仕組みの全貌解明に寄与する。 特定の音を聞くと特定の色を想起するなど、ある一つの刺激が来それに対応しない感覚を呼び起こす現象を、共感覚と呼ぶ。中でも文字自体の色とは別に、個々の文字に色の印象を受けることを「色字共感覚」といい、人口の1〜2%が該当する。同じ文字でも共感覚色は個々人で異なり、各文字にひも付けられる色は変わりづらい(時間的安定性が高い)とされてきた。 近年、桜という文字から薄ピンク色を想起する人が多いなど、文字の読みや意味といった知識が共感覚色を左右する場合が多いと判明。既知の文字の新しい読みや意味を覚えることで、共感覚色も変

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  • 【東大2018⑤】集合知を支え得る歴史像を 加藤陽子教授に聞く歴史学の面白さ - 東大新聞オンライン

    戦争に突入したのは軍部と為政者が悪かったから」などと、時に単純化して語られることもある日の近現代史。ベストセラー『それでも、日人は「戦争」を選んだ』(朝日出版社)などで知られる加藤陽子教授(人文社会系研究科)は、一貫して20世紀日の軍部と外交の実際の姿に迫ってきた。加藤教授に、歴史学のスリリングな一面や学問の面白さを聞いた。 モダンな日と軍国日―その総体を史料から描く ――研究者を目指すことにした理由は何だったのでしょうか 高校時代から私は、図書館の蔵書数が日一だったことを理由に東大受験を決めたほどのの虫で、とにかくを読んでいられる仕事に就きたいと。高度成長末期の当時、24時間働けますか、といった夫を毎日支える人間には絶対なれないとの諦念から、自由かつ自立して生きていくしかないと。そうなると、文章を書くのは嫌いではないから、作家か研究者のどちらかを目指そうと思ったわけです

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  • 東大に行くには受験と関係ない本を読め 小林康夫先生退職記念インタビュー(後編) - 東大新聞オンライン

    中国韓国の学生の世界認識のリアルさに比べたら、日人の学生はなんにも世界を見てない。東大生をはじめ日の学生は世界を知らなすぎる!」 小林康夫先生は声を高めてこう語る。 1986年から東京大学で教鞭をとり、人文科学を学ぶ学生なら知らない者はいないであろう小林康夫先生。今年度で退職する知の巨人に、今の学生が考えるべきことや、これからの人文科学の行く末について話を聞いた。 第二回のテーマは、日の大学生やトップ校を目指す高校生に考えてほしいことである。 〈自分で新しいリアリティをデザインできる時代〉 人文科学者を取り巻く環境が変わってきているという話をしたけど(インタビュー前編)、人文科学系じゃない学生にとってもそれは同じだよね。グローバル資主義が世界を席巻していくなかで、優秀な学生の進む道も大きく変わってきている。 昔は経済が巨大産業に立脚していたから、大企業や国家機関のような大きくて

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  • これからの時代の人文科学の役割とは? 小林康夫先生退職記念インタビュー(前編) - 東大新聞オンライン

    人文科学は、自然科学やテクノロジーがもたらすものに対して、従来の人間観のままで、それが倫理的に良い悪いと言っているだけではダメなんだ。「人間とは何で、どうあるべきか」ということについて、今までとは全く違うタイプの問いに答える義務が、人文科学にはある。 小林康夫先生は声を高めてこう語る。 1986年から東京大学で教鞭をとり、人文科学を学ぶ学生なら知らない者はいないであろう小林康夫先生。今年度で退職する知の巨人に、今の学生が考えるべきことや、これからの人文科学の行くすえについて話を聞いた。第一弾は、人文科学の直面している危機と、人文科学者が生き残りをかけて取り組むべきことについてである。 〈知識の特権性を失った人文科学〉 人文科学を取り巻く環境はこの20年で大きく変わったんです。2つの点で人文科学は根源的な変化にさらされている。一つは、コンピュータとインターネットによって、だれしもアクセスでき

    これからの時代の人文科学の役割とは? 小林康夫先生退職記念インタビュー(前編) - 東大新聞オンライン
  • 在米ジャーナリスト菅谷明子氏が語る、「図書館がつくる知の未来」とは? - 東大新聞オンライン

    グローバル化が進む中、東京大学が知を育成する場であり続けるために、それを支える大学図書館が果たす役割とは何か?東京大学の図書館は、どのように変わるべきか? 東京大学附属図書館は、「図書館がつくる知の未来」をテーマに、現在進行中の新図書館計画に関連するトークイベントをシリーズで開催している。7月4日に開催された通算8回目のイベント「未来をつくる大学図書館東大の新しい学びの可能性」では、『未来をつくる図書館―ニューヨークからの報告―』(岩波新書、2003年)の著者で、学出身の在米ジャーナリスト・菅谷明子氏が、公共図書館がもつ機能の多様性を手掛かりにこれからの大学図書館のあるべき姿について講演した。 Twitterのまとめはこちら 「図書館を色に例えると何色か?」 あなたなら、何色をイメージするだろうか。グレー?白?茶色?… 菅谷氏のこの問いかけで始まった講演は、図書館の機能を問いなおすこ

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