ヒトの思考の独自性は、それが根本的に協力的なものである点にある。志向性の共有を伴うあらゆる行為をなす点に決定的な違いがあり、協働採食において他者との相互調整を行っていた初期の進化的ステップこそが現生人類の文化を可能にしたのだ。『心とことばの起源を探る』の続編にして『道徳の自然誌』の対となる姉妹篇、ついに登場! ◎けいそうビブリオフィルで本書の一部内容を公開しています。 あとがきたちよみ『思考の自然誌』 序 文 第一章 志向性の共有仮説 第二章 個別の志向性 認知の進化 類人猿のように考える 競合のための認知 第三章 志向性の接続 あらたな協働のかたち あらたな協力的コミュニケーションのかたち 二人称的思考 遠近法性──ここからとそこからの眺め 第四章 集合的志向性 文化の発生 慣習的コミュニケーションの発生 行為者中立的思考 客観性──どこでもないところからの眺め 第五章 協力としてのヒト
![思考の自然誌 マイケル・トマセロ著 橋彌 和秀訳](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/74a90e3069e0e042839451a0a7f0cc3cf29ef265/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fwww.keisoshobo.co.jp%2Fimages%2Fbook%2F555481.jpg)