選挙報道の「傾向と対策」(1/5) 非常勤で教えに行っている大学の授業で新聞の話をしたときに、「アメリカの新聞は大統領選挙などでどの候補を支持するかを明らかにするのに、日本の新聞がそうしないのはなぜなのか」という質問が出た。 「日本の新聞は、公正をモットーにしているから」などと答えたが、少なくともこんどの総選挙については、その紙面を比べれば、新聞ごとの傾向の違いが見てとれる。これから見るように、読売新聞は民主党に厳しく、朝日新聞は自民党に厳しい傾向がある。 社説でこうした旗幟を鮮明にしているわけではないが、見出しでは違いが出ている。読む人が限られている社説よりも、拾い読みされる見出しのほうが、実際のところ影響力は大きいはずだ。 1面ではそれほど違いがはっきり出ていないが、掘り下げて政治記事をあつかっていることの多い朝刊の2面、3面では、見出しを拾っていくだけで違いがわかる。各新聞