たばこを吸う人は採用しません――。最近、「非喫煙」を採用条件に掲げる企業や大学が増えている。受動喫煙が社会問題化する中、7月に一部施行された改正健康増進法で、学校や病院、行政機関などの敷地内が禁煙になったことを受け、流れは加速しそうだ。「喫煙者は不採用」について改めて考えた。【聞き手・小国綾子】 生産性向上へ一番の策 星野佳路・星野リゾート代表 「喫煙者不採用」と「全社員禁煙」を会社の正式なプロジェクトとして始めたのは2002年ですが、まだ長野・軽井沢にしか事務所がなく、社員が200人程度だったころから取り組んできました。 「ヘビースモーカーだった社員の死を機に、社員の健康を守るために始めた」という美談が独り歩きしていますが、事実は少し違います。全面禁煙は、生産性向上のために始めた取り組みです。