論点 宮城・性犯罪前歴者への常時監視(下)/不安の行方 東北大大学院教授・五十嵐太郎氏 みやぎ被害者支援センター事務局長・大場精子氏 ◎東北大大学院教授・五十嵐太郎氏/「体感治安」逆に悪化 <抑止効果はない> ―宮城県は、性犯罪前歴者らを衛星利用測位システム(GPS)で常時監視するなど性犯罪根絶に向けた条例を検討しています。 「裁判による手続きなしに、ある人の行動を掌握してもいいという、一つの扉が開いてしまう。米韓では実施されており、日本にもとうとう来たという印象だ。本当の抑止効果はないと思う」 「現状でも、GPS付き携帯電話を持った段階で位置は確認され、既に潜在的な所在確認システムの下にある。常時監視が実施されれば、われわれが“グレーな犯罪者”であるような社会になる。技術革新は止められないし、テクノロジーに善悪はない。しかし、今回の技術の使い方はみんなを幸せにするのか」 ―著書「