Googleは、それまで偏在していたすべての情報をひとつの基盤上に位置づけることで、情報、とりわけ個人情報に対するわれわれの認識を根底から変えようとしているように思えます。我々は今、個人情報とそうでない情報の境目がどこに存在しているのか知らないことに気づかされ、あるいは我々が今まで個人情報であると思っているものが、Googleの秩序のうちに再編成されている姿を見ているのです。Googleは、個人が秘匿する情報の秘匿性をより高め、同時に世界中に自らの情報網を張ることで、そこから零れ落ちる情報から一切の秘匿性を剥ぎ取ります。もちろんこれは便利な面もありますが、同時に恐ろしいことでもあるのです。気がつくとそこには「我々のもの」はひとつもなくなっているのですから。 また、Googleはひとつの民間企業です。全知全霊の神ではありませんし、オープンな存在でもなく、ましてやネトウヨ的な価値観において事物