ブッシュ米大統領は26日、中国の胡錦濤(フー・チンタオ)国家主席に電話し、中国チベット自治区などで起きた騒乱をめぐり、チベット仏教最高指導者のダライ・ラマ14世側との対話を迫った。胡氏はチベット人の行為を「ひどい暴力犯罪活動」とし、ダライ・ラマがチベット独立の主張を「正真正銘放棄」するなどした場合には対話が可能、と応じた。 ハドリー大統領補佐官(国家安全保障担当)によると、ブッシュ氏はチベット自治区での「暴力」に懸念を示し、治安当局が自制的に対応する必要があると強調。さらに、「チベット人の苦悩に対処する中国政府の取り組みの一環」として、現在中断中の中国とダライ・ラマの特使による協議を再開する必要がある、と呼びかけた。 これに対し、中国外務省によると、胡氏は今回の騒乱は「ダライ・ラマ一派が吹聴する平和的デモ、非暴力行動といったものではなかった」と指摘。「いかなる責任ある政府も座視できなかった