学校DXの足を引っ張ることになりそうな「人名外字問題」を解説する記事の後編。外字の廃止に成功した三重県桑名市の成功事例に学ぶ。 日本の名字(姓)に使われている漢字の種類は非常に多い。法務省が戸籍のオンライン手続きのために整理した「戸籍統一文字」は約5万5000種類ある。常用漢字が2136文字であることを考えると、信じられないほど多い。この中には、本記事 前編の図4で例示されている「辺・邊・邉」のように字形が異なる異体字が含まれている。「渡辺」の「辺」の異体字だけで数十種類あると言われる。 前編で解説した通り、OSを問わず全ての端末とクラウドサービス上で共通して使える文字は、Unicode互換のJIS X 0213に含まれる約1万種類に限られる。先の例で言うと、「辺」の異体字の中には、この中に含まれないものが多い。そうなると当然、戸籍通りに表示できない名字が出てくる。児童・生徒の名簿を作る際