新年を待たずに合格を決める「年内入試」が主流になり、受験生の3分の2が第1志望の大学に進む――。受験地獄といわれた入試環境が18歳人口の減少で激変し、偏差値で大学が序列化される時代が終わろうとしている。人材育成の新たな道筋が見えぬまま漂流する入試と変化を阻む岩盤の実態を追う。明治大は2026年、42年ぶりに系列校を設ける。中高一貫校の「日本学園」(東京・世田谷)だ。吉田茂元首相が出た伝統校だが
中央官庁や大企業にキャリアを託してきた東大生の志向が変わり、起業したり、スタートアップ企業に入ったりすることが、一つの選択肢になっています。渡辺努・東大大学院経済学研究科教授(前経済学部長)は自らも起業経験があり、ゼミの学生らに「外資系の人気企業に行くより起業すればいいじゃないか」と「起業の勧め」を説いてきました。渡辺教授に東大生の意識の変化や、日本経済が停滞する理由、日本の教育に求められるものなどを聞きました。(写真は、渡辺ゼミの出身者の平井瑛さんが起業したestieのメンバー。前列中央が代表取締役CEOの平井さん) (わたなべ・つとむ) 東京大学経済学部卒、日本銀行入行。1992年ハーバード大学Ph.D(経済学)。99年一橋大学経済研究所助教授、2002年同教授。11年東京大学大学院経済学研究科教授。19年4月~21年3月経済学部長。専門はマクロ経済学。物価と金融政策を研究テーマにして
「私たちはエラスムス世代の最初の1人だ」。今年1月、史上最年少となる43歳で欧州議会議長になったマルタ出身のロベルタ・メツォラ氏は就任演説で、統合された欧州で育った自分の世代をそう表現した。エラスムス世代――今年35周年を迎えた欧州連合(EU)域内の留学プログラムで学んだ世代のことだ。若き日のメツォラ氏をはじめ1000万人を超す若者が、民主主義や多様性など共通の価値観を育んだ。ドイツでの実証
Web3.0の本質「DAO」 Web3.0の進展により世の中はどう変わるのでしょうか。Web3.0は世の中の「分散化」を進めます。ここでいう「分散化」とは、インターネットに接続する環境さえあれば、誰もが自分自身の手で、サービスの提供方法と受給方法を決定することができる状態です。 少し誇張していえば、Web2以前の世界は、GAFAや金融機関のような中央集権的プラットフォーマーがサービスを規定し、消費者はサービスを利用するために、プラットフォーマーの「養分」としてタダで個人情報を提供し、さらには料金まで支払うといったものでしたが、Web3.0では企業も個人も参加者の1つにすぎません。Web3.0の世界では、個人もプラットフォームの開発に参加することができますし、企業同様にプラットフォーム上でマネタイズすることも可能になります。 1点注意しなくてはならないのは、Web1やWeb2的な企業やサービ
<本当に偏差値の高い大学へ行けば、将来の収入は高くなるのだろうか? 論壇誌『アステイオン』96号は「経済学の常識、世間の常識」特集。同特集の論考「しっかり稼げる大人にするには?──非認知能力の重要性」を3回に分けて全文掲載する> 将来、しっかり稼ぐ大人にするために、子供の頃にどのような教育を受けていればよいのだろうか。一番の近道は、「偏差値の高い大学へ行くことだ」と考える人は多いのかもしれない。本当に、偏差値の高い大学へ行けば、将来の収入は高くなるのだろうか。 偏差値の高い大学はどうかはさておき、大学へ行くこと自体は正しい選択だと言えるだろう。特に、近年、大卒の賃金プレミアム(大卒であることによって得られる賃金の上乗せ分)は高まっている[Oreopoulos & Petronijevic, 2013]。 しかし、「偏差値の高い」大学であるべきかどうかについては、研究によって結果が分かれてい
筆坂秀世氏が、『日本共産党』(新潮新書)という本を出しました。氏は、二〇〇三年六月にセクハラ事件で党中央委員罷免の処分を受け、参議院議員を辞職したあと、二年ほど党本部に在籍しましたが、〇五年七月、みずから離党を申し出て日本共産党を離れました。同年九月二十九日号の『週刊新潮』に「日本共産党への『弔辞』」と題する「特別手記」を掲載し、党に敵対する立場を明確にしました。 この本を読んだ不破哲三前議長から、次の一文が本紙に寄せられましたので、掲載します。 ここまで落ちることができるのか 筆坂秀世氏の日本共産党攻撃の書を読んでの感想は、一言でいえば、ここまで落ちることができるのか、という驚きである。 筆坂氏によれば、自分は「プライドを取り戻す」ために党を離れ、共産党の「実像」を国民に知らせるためにこの本を書いた、とのことである。 しかし、彼が自分の「プライド」を傷つけられたという筆坂問題とは、だれか
芥川賞が石沢麻依「貝に続く場所にて」(群像6月号)と李琴峰(り・ことみ)「彼岸花が咲く島」(文学界3月号)に決まった。どちらもこの欄で高く評価した作品だったので、候補作を見たときに、このどちらかではなく2作同時受賞だと確信して、その通りになった。芥川賞はその作品を時代の象徴として歴史に刻む役割がある。女性2人の受賞は初めてではないが、この作風の2作品が受賞したことは現代にふさわしかったと思う。その意味でも、素直に祝福したい。 最近、近代小説の成り立ちについて考えていて、ふとしたことからヴァージニア・ウルフ『自分ひとりの部屋』(片山亜紀訳、平凡社ライブラリー)を再読することになった。僕にとって最も重要だったのはこの一節だったことに、改めて気づいた。「しかし、現在において『小説=新奇なもの』(『』でくくったのは、この言葉がぴったりだとはわたしが思っていないしるしです)、あらゆる形式の中でもいち
「冷戦期に旧ソ連でどんな議論が交わされていたかを知る意味が増しています」。東京大学先端科学技術研究センター専任講師の小泉悠さんは、ロシア専門家であるとともに、「軍事オタク」を自称する戦争研究者でもあります。その小泉さんに現代の戦争を理解するための本を挙げてもらいました。第1回は『死神の報復 レーガンとゴルバチョフの軍拡競争(上)(下)』です。このシリーズは4回連続で公開します。 第2回は5月16日 、 第3回は5月17日 、 第4回は5月18日 です。 綿密取材に基づく大著 ロシアのウクライナ侵攻で、「ロシアが核兵器を限定使用するのでは」「生物兵器を使うかもしれない」「プーチンが死んだら自動報復システムが作動する」といった説が出ていますね。それが現実のものとなるのかどうか、今回紹介する 『死神の報復 レーガンとゴルバチョフの軍拡競争(上)(下)』 (デイヴィッド・E・ホフマン著/平賀秀明訳
「ブラック校則」の話題を多く目にします。 「どうせ変わらない」「自分の意見を言ったって……」 この言葉を心に浮かべ、世の中を観ずること、ありませんか? 「このように思ってしまう現状を何とか変えていきたい」——。 校則を生徒たちの手に取り戻す。そして、将来の政治参加につなげる。その目的に向けて果敢に取り組む認定NPO法人カタリバの古野香織さん(26)。いまの思いを聞きました。 ■イノベーターセッション DIALOG学生部は、若い起業家やアーティスト、社会活動家など、明日を切りひらこうとする人たちを定期的に招いています。活動への思いや生き方、めざす世界を共有して、その果実をDIALOGウェブサイトで発信します。 みんなのルールメイキングのホームページから みんなのルールメイキング 全国で まず「みんなのルールメイキング」を紹介します。 これは学校の校則やルールを対話しながら見直して、みんなが主
若手の女性研究者を後押ししようと、女性として初めてノーベル賞を受賞したマリー・キュリーにちなんだ新しい賞が設けられ、活躍が期待される日本の女性研究者を集めて初めての授賞式が行われました。 日本の科学技術政策を実行する科学技術振興機構は若手の女性研究者を応援する新しい賞を設け、女性として初めてノーベル賞を受賞したポーランド出身のマリー・キュリーにちなんで通称「マリー・キュリー賞」として、ポーランド大使館とともに授賞式を開きました。 最優秀賞には、数学を研究している京都大学助教の山下真由子さん(26)が選ばれ、賞状などが手渡されました。山下さんは東京大学で数学を専攻して23歳で京都大学の助教になり、素粒子物理学に応用できる数学の研究ですでに高い業績を挙げているということです。 このほか奨励賞や特別賞として宇宙物理学が専門で理化学研究所の木邑真理子さん、感染症疫学が専門でアメリカにあるエモリー大
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