西谷修-Global Studies Laboratory 時事的なコメント、関連企画のお知らせ、その他西谷の仕事に関連する公開用ノートなどを、雑誌のコラム感覚(?)で公表しています。 やっと出来た。いろいろな事情で遅れに遅れていたエティエンヌ・ド・ラ・ボエシの『自発的隷従論』(山上浩嗣訳、西谷監修、ちくま文庫)がついに発売になる(7日ごろ)。 16世紀に年端もゆかないフランスの若者によって書かれた本の何がそんなに有難いのか、と思う向きもあるだろうが、どっこいそれがなかなか他には在り難いものなのだ。近代の病の進歩主義にも、それに付随する左翼右翼の図式にも、もちろんポストモダンとかのオタクな知的お遊びにも無縁で、人間(つまり話す生き物)の世界って、支配/被支配あるいは統治の構造ができてしまうとどうしてこうなんだろう、という不易の悪習の勘所をむんずと掴んで、それをみごとに解剖し、そんなことやめ