恋愛感情というものは、すべからく消えていく。のだそうだ。心理学の分野では、ロマンティックな愛情はいずれ薄れることが確認され、また、ある社会学者は、2,000組の夫婦を17年間調査した結果、結婚の幸福感は最初の10年間で急降下し、その後はゆるやかな下降線を辿るという結果を得た。 しかし、これら心理学的、社会学的な恋愛の法則に背くケースが、世間には存在する。結婚して10年以上たっても、熱い恋が冷めず、夫や妻を見るたびに胸が高鳴り、少しでも離れると無性にさみしくなる。恋愛の高揚感を、同じ相手に対して持ち続ける人たちが、少数だが、いるのだ。 「なぜそうなる? 確率的誤差か? それとも自己欺瞞か? ありえないはずだ」 そんな科学者としての疑問から、ストーニーブルック大学の社会心理学者、アーサー・アーロン博士は、レアケースである「生涯変わらぬ愛」に興味を抱き、研究を続けている。脳の解析を活用した、恋愛