[最新号6/1号からチョイ読み!] 実は、仕事が速いことの裏側には私たちが陥りやすい深刻な問題が潜んでいるのである。 ゾム代表取締役社長 松下信武=文 組織内には「くまのぷーさん」的人材が不可欠である 現代のビジネス社会では、拙速が尊ばれるために、安易なステレオタイプ化がどんどん広がっていく。大量情報の負荷を軽くするために、ものごとや人間をある程度ステレオタイプ的に理解することはそれなりの効果もあるのだが、その副作用に気がつかないと、組織はとんでもない方向につきすすむことになる。山本七平は第二次世界大戦中の日本陸軍の病理的な思考をあざやかに解明した人だが、彼はその著書で「日本軍の行き方は常に『速戦即決、前面の敵を片づける』のである。――片づける、明らかにわれわれは常に何かを片づけようとし、片づかないと『自分の気持が片づかない』。従ってこの片づけの前提は、先験的な枠にはめられた『絶対的な見