聞こえる音が味になり、文字に色がつき、匂いが見える…。身体と言葉が結びつく。 ある感覚が発生すると、同時に別の感覚が呼び覚まされる共感覚。 認知科学の研究対象として注目を集め、文学・芸術にも多くの「共感覚」が見出されている。 共感覚の科学研究と文学・芸術からのアプローチを交差させ、「身体」と「言葉」から、その感覚世界に迫った。 まえがき 北村紗衣 序論 共感覚の世界―何が起こっているのか 北村紗衣 共感覚の科学研究 松田英子 第Ⅰ部 身体 ミラータッチ共感覚と身体的自己意識 鈴木啓介(The University of Sussex) ダンスに応答する共感覚―アラン・プラテル“Wolf” における諸要素と諸感覚の関係― 三宅舞 共感覚的演劇を求めて―『驚愕の谷』からシェイクスピアまで 北村紗衣 近代芸術と共感覚―「共働する感覚」への総合芸術的問いかけ― 後藤文子 社会は〈第六感〉の夢を見る