カクシンハンによる『ジュリアス・シーザー』を池袋のシアターグリーンで見てきた。非常に荒削りな演出でまだいくぶん完成してないところもあるのだが、それでも「シェイクスピアはこうでなきゃ!」というようなキレッキレの演出で大変に面白かった。絶対におすすめできる。 とにかく素晴らしいのは、日本の舞台としては非常にきちんとシェイクスピアを現代の政治にリンクさせていることである。『ジュリアス・シーザー』は大変政治的な芝居で、英語圏ではオールフィメールでやるとか、サブサハラのアフリカの国家という設定でやるとか、とにかく現代政治とリンクさせた演出にすることが多い。私も、基本的にこの芝居においてシーザーはローマで殺される偉人ではなく現代に生きる政治家であり、ローマは過去ではなく生々しい現実として表現されるべきだと思っているのだが、このカクシンハンの『ジュリアス・シーザー』はまさに現代日本に生きている観客のため