信州大学医学部附属病院は長野県唯一の大学病院であり、地域医療の“最後の砦”として高度医療の提供に努めている。一方で医療関係者の間では、診療報酬制度など医療機関の複雑な事務処理において、RPAを活用したDX推進のフロントランナーとして注目されている。RPA推進室の生みの親であり、「信大DX」を主導する経営管理課主査の白木康浩氏にRPA導入の経緯や活用例、今後の業務改革の方向性、改革にあたっての課題などを聞いた。 RPAにより“コロナ禍対応システム”の運用を効率化 新型コロナウイルス感染症が拡大し、医療提供体制の逼迫が懸念された2020年、厚生労働省は感染者の情報を迅速に把握するためのシステム「HER-SYS(新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム)」を開発、全国の医療機関に導入した。従来は各医療機関から保健所にファクス等で通知していた感染者の発生届をデータ送信することにより、医