月への有人飛行から星間空間への到達まで、NASAは多くの難しいミッションを成功させてきた。しかし、地球から最も近い恒星である太陽へ探査機を直接送り出したことはない。何がそれを妨げてきたのか? 太陽の灼熱だ。(参考記事:「ボイジャー1号の太陽系外到達を確認」) 太陽自体の表面温度は約6000℃だが、コロナと呼ばれる一番外側の大気層の温度は約200万℃にもなる。(参考記事:「高温のコロナ、太陽活動の相関関係」) NASAの太陽探査ミッション「パーカー・ソーラー・プローブ」プロジェクトの科学者ニコラ・フォックス氏は、「太陽の表面と外層大気の温度逆転は大きな謎で、これまで誰も説明することができませんでした」と言う。(参考記事:「太陽表面の現象、実験室で再現に成功」) 2017年5月31日、NASAは、これまで「ソーラー・プローブ・プラス」と呼んでいた太陽探査機の名称を、1958年に太陽風を発見した