タグ

ブックマーク / kmhr.hatenablog.com (12)

  • デザインを「存在論的」に捉えるとは - Kamihira_log at 10636

    最近、デザインと人類学の両側から構成されているような「デザイン人類学」の議論が海外の研究界隈で活発に起こっている。近年起こった人類学の存在論的転回の潮流の影響だと僕は解釈しているが、なかでも重要なポイントとなるのが、この「存在論」という言葉だ。ごく簡単に言えば、具体的な「モノのあり方」や「実行のされかた」それ自体を通して考えていこうとするものである。 そしてこの観点を取り入れることによって、我々がよく知っているデザインもまた再定義されようとしている。それが非常にエキサイティングなのだが、つかめるようでなんだかつかみきれず、捉えることがなかなか難しいので、僕自身、人に説明しながら勉強中である。研究室の学生たちを交えながら、ファッション(昨年度)や、メイク(年度)というテーマを存在論的な観点から解釈してみたりしている。 僕も勉強中のテーマながら、いつのまにか人前で話す機会をもらうようになって

    デザインを「存在論的」に捉えるとは - Kamihira_log at 10636
  • Kamihira_log at 10636

    (鹿児島県阿久根新港脇の浜ん小浦にて  2023年10月29日) __ そういえば毎年の終わりにはまとめを書いていたのをすっかり忘れていた(ギリギリセーフ)。 2023年は鹿児島県阿久根市でのフィールドワークが2回できて、元気な学生たちと調査活動できたことは素晴らしいことだった。扉写真は、キャンプファイヤーをしたことがないというある学生の声に応えてやってみた、港付近の浜での焚き火。早くも懐かしい。1月に報告書提出と同時に学生たちともお別れで、毎度のことながら寂しいことである。 あとは、教務委員長の役職から外れたことでだいぶ余裕ができたにもかかわらず、思ったほど研究の時間取れなかったことが心残り。やはり何か犠牲にしなくてはならないようだ。いよいよ追い込まれてきた。来年は頑張ろう・・・。 ___ 2023年の活動 1|学術活動 【学会発表】新井田統, 照井亮, 上平崇仁他, 「共創メディアとし

    Kamihira_log at 10636
  • 「当事者」をとらえるパースペクティブ - Kamihira_log at 10636

    デザイン学会の機関誌であるデザイン学研究の「当事者デザイン」特集号に寄稿しました。発行されるのは当分先だし、アカデミアの人以外には届かないコンテンツなので、ここで初稿を公開しておきたいと思います。ウェブで読みやすいように一部の体裁は変更しました。文字数制限のため、あちこち説明が足りてないところは目をつぶっていただければと思います。 _________________ 「当事者」をとらえるパースペクティブ: 3つのデザインアプローチの比較考察を通して A Perspective to Capture the Concept of Tojisha Through Comparing Three Types of Design Approaches 上平 崇仁 KAMIHIRA Takahito 1. はじめに デザインに関わる人々が、どのような人間観を持つかは重要な問題である。人間観はどの

    「当事者」をとらえるパースペクティブ - Kamihira_log at 10636
    hirokts
    hirokts 2018/09/18
  • 専門学科「情報科」のデザイン重点化 - Kamihira_log at 10636

    今年の春に告知された新学習指導要領で、普通科の高校生も必修でデザインを学ぶ時代になるという記事を過去に書いたところ、大きな反響があった。 kmhr.hatenablog.com 実は情報デザインという項目は、専門学科「情報科」においては、一足早く現行の指導要領に入っていてすでに独立した科目として運用されている。専門学科「情報科」というのは、いわゆる高校の普通科ではなく職能育成をねらった学科で、商業科、工業科、と同じような感じで情報科というカリキュラムが組まれているもの。全国で19校設置されている。 こちらも指導要領も変わるはずなので、どうなったのか学習指導要領を見てみると・・・思わず驚いた。デザインの重点化が凄い! もちろん沢山ある科目の一つとしてだけれども、かなり細かいところまで学ぶことになるようだ。情報デザインだけで70時間の授業(おそらく1単位35時間を2学年にわけて学ぶ)。 以下、

    専門学科「情報科」のデザイン重点化 - Kamihira_log at 10636
    hirokts
    hirokts 2018/07/19
  • オリンピックのボランティアに見る「意欲」のデザイン - Kamihira_log at 10636

    今度の東京オリンピックでボランティアを募集しているという話が、悪い意味で話題になっている。 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会 大会ボランティア募集要項PDF そんな専門性の高い仕事を無償でやらせるのか、という非現実的な計画に多くの人があきれ、ポジティブに捉える人は見たことがない。そしてあまりの人の集まらなさに「学徒動員」がかかるのではないかとも噂されている。僕もそんな風に思っていたところ、先日、うちの研究室の学生が興味深いことを呟いていた。 別にオリンピックボランティアって日が始めたわけじゃなくてロンドンオリンピックでそれがすごく成功して良い例だったから真似しようとしたって昨日習った。 — モカダミアナッツ (@KamyuMM) June 14, 2018 なるほど、不勉強で知らなかったが、そんな経緯で取り入れようという話になったのか。(一般教養の「オリンピックとスポーツ

    オリンピックのボランティアに見る「意欲」のデザイン - Kamihira_log at 10636
    hirokts
    hirokts 2018/06/16
  • 「問いの技法(How Might We)」ワークショップ - Kamihira_log at 10636

    5月6日にYahoo! JAPANにて開催された第4回 Xデザインフォーラムにおいて、午前の部でショート・ワークショップを実施してきた。 約100名の参加者に7名のファシリテータという大規模なもので、なかなかヒヤヒヤだったが無事に終えることが出来た。参加者のみなさま、ありがとうございました。 今回の内容は、「問うこと」を問うのがテーマで、こういったメタ的な知識はこれからますます重要になってくると思うので、スライドを公開しておきたい。お手すきの時にでもご覧下さい。 ワークショップ「問いの技法」/第4回 Xデザインフォーラム from Takahito Kamihira ベースにしたのは、古くからd.schoolでデザイン思考のメソッドとして知られているHow Might We Question。 英語PDF語訳PDF(βver:上平訳) それに1)今進めている「シン・デザインの教科書

    「問いの技法(How Might We)」ワークショップ - Kamihira_log at 10636
  • 学食というサービスの明暗 - Kamihira_log at 10636

    大学に入っている学の運営会社が急遽倒産したそうで、野次馬根性丸出しで見に行ってみた。パートさんたちの怒号が飛びかい現場は混乱していた・・・ということもなく、春期休業中なので閑散としている。(ちょうど契約を終えたところだったそう。事業を続けられないのは事前に分かっていたのかも) 学が経営厳しいというのは端から見ていてもよくわかる話だ。我々としても他人事ではない。材も人件費も高騰しているのに学生相手に値上げするのも難しく、構造的に利益を上げにくいのは仕方ないところ。でももっと深刻に感じるのは、多くの学生にとっては「学でも高い」んだそうで、それで昼はどうしているかというとコンビニのでかいカップラーメン一つをスープまで平らげて済ませているのが大量にいるのである。健康に悪そうなことは言うまでもなく、あれをコンビニで定価で買うのは割高だろうに・・・。(外費が高いデンマークの学生達はもっと工

    学食というサービスの明暗 - Kamihira_log at 10636
    hirokts
    hirokts 2018/02/05
  • 講演記録:社会のものさしがかわるとき - Kamihira_log at 10636

    7月16日(日)、横浜市栄区の市民団体である「さかえdeつながるアート」のお招きで講演してきた。これは横浜市の地域文化サポート事業のヨコハマアートサイト(というものがあるそうです、横浜市羨ましい)の支援を受けた市民向け活動の一環で、昨年度に引き続き大人世代が学ぶ場としての「おとなのキャリア教育講座Part2」という位置づけである。 たいへん暑い日、しかも3連休のど真ん中にわざわざ来て下さったオーディエンスは栄区の一般の保護者の方々・・・かと思っていたら、地元PTAの役員や地域コミュニティで重要な役割を担っている方々、専門職の方々が中心で、みなさんとても熱心に聞いてくださって感謝。 内容は大きく3つ。 1)デンマーク社会の事例をもとに、自分たちの社会を構成している"ものさし"(価値基準)を再考してみる。 2)AIの発展予測にともなう社会の変化と必要な力の変化を知り、自動化されにくい(人間の強

    講演記録:社会のものさしがかわるとき - Kamihira_log at 10636
  • 笑いを教えるということ:お笑いコンビ・モクレンの講演より - Kamihira_log at 10636

    6/13(火)のこと,若手お笑い芸人のモクレンのお二人をお招きして,1年生250人に対しての講演と,その後に学生と教員有志に対しての即興コメディのワークショップを実施した.モクレンのお二人とは先日グラグリッド社で行われたフォーラムシアターでの実験で知り合い,ちゃっかり大学へもお願いしてお越し頂いた次第である.彼らは単なるお笑い芸人ではなく,教育のバックグラウンドを持っており,そしてインプロと笑いを融合させた新ジャンル,「即興コメディ」を標榜し,日即興コメディ協会という組織を立ち上げるという活動も行っている. ワークショップも進行やワークの展開がすべて即興で成されていくのが大変に素晴らしかったのだが,その前の講演がとてもよくて,僕の心に残ったのでメモを残しておきたい. 題目は「笑いを教えるということ」というもので,おまかせで依頼したので僕もどんな内容になるのか知らず(おい),笑いの原理や方

    笑いを教えるということ:お笑いコンビ・モクレンの講演より - Kamihira_log at 10636
  • カードソーティングゲームを再公開しました - Kamihira_log at 10636

    2013年に研究室でカードソーティングゲームをつくりました.以前のブログがマルウェアに感染して閉鎖したのでしばらく公開も止めていたのですが,再びここで公開しておきます. このキットは、犬カフェのサービスを企画するという題材の中で,素材として50枚の犬カードをつかってカードソートしながら情報設計について学んでいくというものです。同じカードでも,どのような意味を与えるかによってまったく違うまとまりに変化していくところがポイントです. ここ4年ほど継続して2年生向けのデザインの導入教材として使ってみた結果、親しみやすい題材で学生達にもなかなか好評です.またいくつかの会社さんや大学さんでも使っていただいています. マニュアルや解説も作れればいいのですが,内容の精査が必要なこともあり,なかなかつくる時間がとれず今に至っています.ですが,我々が演習で使っているスライドをパッケージの中に入れておきました

    カードソーティングゲームを再公開しました - Kamihira_log at 10636
  • 学びの場を観察する - Kamihira_log at 10636

    5月某日.研究室の学生達と,フィールドワークとして神奈川県立の某高校を訪問.高校1年生の情報の授業を見学し,担当のY先生とディスカッションした.高校の情報の授業と言えばOffice系のアプリケーションの操作程度という印象を持つ方も多いかも知れないが,先進的な高校ではだいぶ様変わりしていて,たとえばこの高校はプログラミングを教えていて,まだ高校に入学したばかりの1年生達も楽しそうに学習している.念のためにここは「普通科」で必修の授業である. 彼らが使っている情報の教科書「情報の科学」より. 大人のみなさん,いかがでしょうw (※この教科書を採用しているのは2割ぐらいで,8割は「社会と情報」というもっと社会よりの内容だそう) そして現行の学習指導要領ももうすぐ(2020年に)改訂が予定されている.今話題になっているように小学1年生からプログラミング的思考が導入され,同時に中高の内容も刷新される

    学びの場を観察する - Kamihira_log at 10636
    hirokts
    hirokts 2017/05/27
    学びの場面白い。全員手元ホワイトボードいいな
  • 【前編】ノンデザイナーは、いかにデザインに関わっていくか? - Kamihira_log at 10636

    ちょっと間が開いたが、ブログ読者からのお問い合わせに答えてみよう、の第2弾。質問者の方は大学では文系の学問を学んでいたそうで、社会人になってしばらく経ってからデザインを学びたいと考えておられるそう。そこで頂いた質問は、「いわゆる"デザイン"のバックグラウンドがない者ができることには,例えばどんなことがあるのか」。 近年、"デザイン思考"という言葉が普及したのに伴って、デザインは「デザイナー」だけがやるものではない、という共通理解も徐々に出来てきたように思います。しかしながらその一方でデザイン思考を学んでも旧態依然とした社会の中でどのように活かせるのかのイメージが持ちにくいというのは多くの人が感じていることでしょう。特に「どういう仕事に繋がるのか」が見えないようで、学生達にもよく聞かれることです。というわけで指導してる立場としては、この質問にはちゃんと答える必要性を感じています。 結論から先

    【前編】ノンデザイナーは、いかにデザインに関わっていくか? - Kamihira_log at 10636
  • 1