40代半ばという超遅咲きで歌舞伎界の初舞台を踏むことが決まった俳優、香川照之(45)。歌舞伎の名門に生まれながら、ようやくつかんだあこがれの舞台だが、すんなりと初舞台が務まるのだろうか。 市川中車(ちゅうしゃ)として迎える香川の初舞台は来年6月の「初代市川猿翁 三代目市川段四郎五十回忌追善六月大歌舞伎」(新橋演舞場)。このときは46歳になっている。3歳ほどで初舞台を踏む歌舞伎界からすると、46歳での初舞台はまさに異例だ。 香川の父は言わずと知れた三代目市川猿之助(71)。母は女優の浜木綿子(75)だが、1968年に2人が離婚したことで浜の手で育てられ、猿之助とは長らく絶縁状態だった。 息子を芸の世界から遠ざけたかった母の意に反して、東大を卒業した香川は俳優業を選び、この10年間で屈指の演技派となったが、果たして歌舞伎役者はどうか。演劇コラムニストの石井啓夫氏は「あと1年近くあるから心