『不安な個人、立ちすくむ国家』(経産省若手プロジェクト/文藝春秋) 2017年5月18日に開かれた第20回産業構造審議会総会で、「不安な個人、立ちすくむ国家~モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか~」という資料が配布された。 経済産業省の若手官僚30名によって作成された全65ページの資料には、少子高齢化や貧困、活躍の場のない若者など、現在日本が直面する問題がまとめられていた。この資料のPDFが公開されるや大きな反響があり、これまでに150万以上もダウンロードされ、読んだ人たちからは賛否両論、様々な意見が噴出した。各メディアでもニュースとして取り上げられたので、ご記憶の方も多いことと思う。官製の文書というのは往々にして難解であり、「わからせる気はないのか?」という仕上がりになっている場合が多い。なので霞が関用語で言うところの「ペーパー」が、これほど多くの人に読まれることは異例なのだ。 しかし
この連載では、多摩大学大学院のキーコンセプトである「イノベーターシップ」について述べている。今回は、その5つの力のうちの「場づくり力」について。 これまでの5回では、まずイノベーターシップのコンセプトと、「今なぜイノベーターシップが必要か」を明らかにした上で、その5つの要素を順に説明してきた。まず1つ目に、日本人が得意としてきた顧客起点の罠から脱して、目線を上げて社会起点に切り替える「未来構想力」。2つ目は、描いた未来を実現するためのしたたかな実践知(Practical Wisdom)。3つ目が、壁にぶち当たっても前へ進むレジリエンスにあふれた「突破力」。そして4つ目が、前回述べた「パイ型ベース」だった。パイ型ベースは、前述の3つを支える役割を持つ。そして今回解説する5つ目の力、「場づくり力」も、同様に前述の3つを支える力だ。 イノベーターシップを発揮するためには自前主義と決別しなければな
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