中田小学校から望む長後街道(昭和37年頃) 戸塚町の一丁目から出発する長後街道は、矢沢、矢部、汲沢等の坂を登りつめ、岡津・藤沢道と交差するあたりが最高地点で、この一帯を踊場という。標高十七mの出発点から僅か一.三kmの道のりで五八.五mまで登るのだから、相当な坂である。 踊場の十字路は矢部、汲沢、中田の境で、戸塚区と泉区の境界線にもなっている。この坂を中田側に下ると東原が眼前に開ける。地質学的にいうと下末吉段丘から相模野の台地に下りたことになる。このあたりの標高は四五mで、立場四二m、谷戸入口四〇m、旧泉消防署前三八m、上飯田団地入口三一mと、境川に向かって段々と下がっている。境川を越えるとまた徐々に登り、長後の小田急踏切付近で三九mになる。つまり長後まで六kmのうち、東原までの三分の一が坂道で、三分の二が平坦な道ということができる。 昭和四十年頃までは、中田町では東原周辺、根下周辺、中西