この5月の大型連休に帰省し、地元のゆるキャラやB級グルメをことさらに宣伝するPR冊子を手にとっては捨て、いつものように普段の仕事がある都会に戻ってきた人も多いだろう。よくある行政発行のフリーペーパーを見ると、そこそこの予算や人員がかかっているのに(市民の税金で)、デザインも内容も、残念なものが多い。 地域創生、コミュニティの再生が叫ばれ、地方自治体はこぞって中心市街地活性化事業や、観光客誘致を展開している。だが、多くの場合、それらは地域の経済を活性・再生することに重点が置かれている。一時の“経済”が、“地域に根ざした文化”そのものよりも優先され、人を惹きつけるデザインや地元のとっておきのストーリーを紡ぐ文章よりも、いま、地元が一押しの商品・観光資源”を前面に押し出すことが重視されてしまう。 そこには、宣伝広告とメディアの区別がない。“どんなメッセージを、誰にどのように届けるか”という一連の