セロリは、ヨーロッパ、西南アジア、インドが原産のセリ科の野菜です。古代エジプトでは葬礼用として、ギリシャやローマでは、薬用や香料、調味料として用いられていました。日本へは、朝鮮出兵の際に加藤清正氏が中国種を持ち帰り、清正人参と呼ばれたのが始まりです。江戸時代には西洋種のセロリが渡来し、明治時代にはヨーロッパの改良種が導入されます。何度か日本へやってきたセロリが普及し始めたのは、食生活の洋風化による第二次世界大戦後のことです。現在は、涼しい気候の土地での産地リレーにより栽培され通年出荷されています。冬から春の静岡県産、夏から秋の長野県産は、特においしいセロリですシャッキとした食感とふわりと広がる独特な香りを大切にしたい食材です。
からし菜は、アブラナ科アブラナ属の葉野菜で、カブの仲間とクロガラシが交雑したものではないか?と考えられています。種子からは、からし油やからしの原料が採れ、茎と葉は野菜として栽培されています。ぴりっとした辛みとつーんとした香りが特徴的です。からしや油を採るものは、インドやヨーロッパで栽培されていました。食用野菜のものは中国から日本に平安時代以前には渡来していたといわれています。現在石川県で作られているものは、金沢認定野菜のひとつです。2月から4月にかけておいしいからし菜を、残りの出荷シーズンお試しになってみてはいかがでしょうか? からし菜には、ビタミンC、Kのビタミン、カリウム、カルシウム、リン、鉄分などのミネラル、葉酸やカロテンなどを含む緑黄色野菜です。これら栄養素に より、骨粗鬆症予防や貧血予防、生活習慣病予防につながるといわれています。また、からし菜に含まれるシニグリンが酵素ミロシナー
伊予柑は、1886年頃現在の山口県萩市で発見されたといわれています。偶然発生した果物の苗木を三好保徳氏が購入し栽培しました、その後伊予柑の枝変わりを宮内義正氏が発見しました。現在では、伊予柑の主流である『宮内伊予柑』として親しまれています。伊予柑は、愛媛県、和歌山県、広島県、香川県、山口県で作られています。みかんのようにするりと皮がむけないことや味覚の変異など消費率が減少しつつあります。また、他の柑橘品種の栽培などにより栽培量や収穫量も減りつつある果物です。伊予柑は、ほっとするあたたかな橙色、ほのかな酸味と柑橘の甘さのバランスが良く、爽やかな香りが楽しめます。厚い皮のわりに手でもむきやすいので、鞄に忍ばせおやつ変わりにもおすすめです。冬から春にかけておいしい季節を迎え4月上旬頃まで出荷されます。残り短い期間ですが、日本で生まれた伊予柑を楽しんでみませんか?
日々の暮らしの中で春が来たと思う瞬間。それは、店頭で『旬の野菜』のコーナーに山菜が並んでいるのをみかけた時です。三寒四温の季節の中で、春なんだなと感じます。今回は、その山菜の中から東京の特産物でもある『うど』をご紹介します。うどは、ウド科タラノキ属の多年草です。日本、朝鮮半島、中国東北部に自生しますが、食用としている日本が原産といわれています。 うどは、山野に自生する野生のうどと周年流通されている栽培されたうどがあります。栽培されたうどは野生のものよりアクが少なく香りがまろやかなため食べやすくなっています。店頭で1年中販売されているうどは『軟化うど』です。畑で養成した苗を日の当たらない地下室などに入れ光を当てずに育てます。そのため、白いうどになります。もうひとつ、頭の部分をお日様の光に当て先端を緑色にした緑化うどがあります。白い軟化うどと区別して『山うど』という名前で出荷され、香りがよく歯
たまねぎは、中央アジア、東地中海海岸地方が原産地とされるユリ科の野菜です。葉の根元の部分が肥大した鱗茎の部分を食用とします。紀元前のエジプトでは、神聖なものとして祭壇に供えられ古くから栽培されていました。日本では明治以降本格的な栽培が始まり、国内で発生したコレラにたまねぎがきくという噂をきっかけに広まったといわれています。現在では、北海道を筆頭に佐賀県、兵庫で生産され通年を通して店頭に出荷されています。北海道を中心とした春播き秋取どりと、西日本を中心とした秋播き春取りの年2回収穫期があり、秋と春においしい季節を迎えます。特に3~4月の春の季節には、『新たまねぎ』が旬の食材として楽しむことがきます。
2月前半は節分、立春、バレンタインといかがお過ごしでしたか?春に入る日がやってきましたが、まだまだ寒い毎日です。今回は寒い冬から春の訪れるこの季節の野菜『春菊』をご紹介いたします。 地中海原産の春菊はキク科の緑黄色野菜。春に黄色い花を咲かせることから『春菊』と名付けられました。とても愛らしい花でヨーロッパでは観賞用ですが、日本をはじめ東アジアで食用とされています。日本へは室町時代に渡来し江戸末期から栽培が始まりました。現在は千葉県、茨城県、群馬県などの関東地方や大阪府が主産地で作られています。関東の春菊は株が立ち葉がギザギザの葉が特徴です。関西の春菊は菊名と呼ばれ切れ込みが浅く葉が丸いものが出回っています。アクが少ないので葉は摘んで生のまま食べられます。独特な香りも持ちあわせる春菊は、11~3月の寒い季節に一番のおいしさを迎える食材です。
寒さの中にも光や風の暖かさを感じるようになりました。春が近くまでやってきているようです。そして、2月14日はバレンタインデー。今回のハッピーベジフルライフは『番外編♪バレンタインスイーツのベジフルレシピ』をご紹介します。 野菜果物を使用し動物性食品不使用のお菓子レシピです。私が選んだ今回の食材は『れんこん』『さつまいも』『干し柿』『きんかん』です。甘いチョコレートを使用せず、チョコレート仕立てにノンシュガーココアや粉コーヒーを使用しています。『干し柿のトリュフ』『れんこんともちきびのひとくちドーナッツ』『きんかんのココアクッキー』『ミルクコーヒー風味さつまいものムース』の4つのレシピをご紹介いたします。野菜果物の味わいのほんのり甘いバレンタインレシピをどうぞお楽しみください。
2010年新しい年となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?旧年中は、こちらをご覧いただき誠にありがとうございました。本年も皆様に野菜果物を楽しんでいただけるよう精進したいと思います。どうぞ宜しくお願いいたします。2010年トップバッターは『ゆり根』のご紹介です。 ゆり根は、ユリ科ユリ属の中国からやってきたユリの球根になります。ユリの球根はほどんどが苦くて食べられません。食用にされているゆり根は、白く苦みのない小鬼ゆりと鬼ゆりです。日本で食用としての栽培が始まったのは江戸時代といわれています。現在では、北海道を主産地に栽培されています。11~2月においしい季節を迎え、お正月料理や茶碗蒸しなどで親しまれている冬の食材です。1枚1枚はがした鱗片は白い花びらのように美しく、優しい甘みとほっくりとした食感を楽しむことができます。
『東京を代表し店頭でみかける身近な野菜といえば?』江戸時代に栽培が始まった『小松菜』です。小松菜は、南ヨーロッパ地中海沿岸が原産地といわれており、中国を経て日本へやってきました。小松菜の名前の由来に面白いエピソードがあります。将軍徳川吉宗が小松川地方(現在の東京都江戸川区)に鷹狩りに行った際、献上されたすまし汁に無名の『菜』が入っていました。これをたいそうお気に召し、小松川の地名にちなんで『小松菜』と名付けました。現在小松菜は、東京都を中心に関東地方で栽培されています。ハウス栽培などで周年出回っていますが、特においしい時期は寒い冬の季節です。12~2月にかけて、小松菜が霜にあたることで甘みが増し葉肉は厚く柔らかくなり、格別な味わいを楽しむことができます。 小松菜には、βーカロテン、ビタミンB群、C 、Kなどのビタミン類やカルシウム、鉄、リンなどのミネラルが含まれています。特に歯や骨を健康に
みなさんビーツという野菜をご存知ですか? ビーツは、ホウレンソウと同じアガサ科に属し肥大化した丸い根を食用とする野菜です。サトウダイコンの仲間でもあります。色鮮やかな真紅の色が特徴的です。輪切りにすると美しい輪紋があります。色の他にも、ショ糖が多く含まれほのかな甘みと特有の柔らかい食感を楽しむことができます。ロシアでは代表的な家庭料理のボルシチに使われています。日本では一般家庭では珍しい野菜のひとつです。地中海沿岸が原産地のビーツは、古代ローマでは葉と根を食用にしていました。日本へビーツがやってきたのは、『大和本草』という書物に記載がある江戸時代と明治時代。日本へ渡来はしましたが、どちらの時代もあまり普及しませんでした。現在では、長野県、愛知県、静岡県、北海道で栽培され、お菓子や食品などの天然着色料にも使用されています。輸入ものと長野県産が通年店頭で出回っています。特に国産ビーツの旬は6~
りんごは、アジア西部からヨーロッパ南部が原産といわれ、歴史ある古い果物です。アダムとイブがりんごを食べた話、ウィリアムテルの物語、ニュートンによる引力の法則など多くの伝説や民話があります。原産地からインドに渡り中国を経て日本へやってきました。明治初期にアメリカから西洋りんごが導入され、本格的な栽培が始まりました。現在では、青森県、長野県、岩手県を主産地に栽培されています。『CA貯蔵法』(りんごの呼吸を抑制し鮮度を保つ貯蔵法)で1年中店頭でみかけるりんご。出盛りの秋~冬にかけて、特においしく店頭でもさまざなな品種を楽しむことができます。 イギリスでは『1日に1個のりんごは医者を遠ざける』ということわざがあります。これはりんごの高い栄養価について表現した言葉です。りんごには、カリウム、カルシウム、鉄、水溶性食物繊維のペクチン、ビタミンが含まれています。 りんごの糖分や有機酸は疲労回復に良いとい
さつまいもは、中央アメリカ原産で紀元前には栽培されていたといわれています。コロンブスのアメリカ大陸発見以降、世界中に広まりました。日本へは1602年琉球の野口総管が中国から救荒作物としてさつまいもを持ち帰った記録があります。江戸時代に栽培が始まり、全国的に広まりました。多くの飢饉を救ったさつまいもは、鹿児島県、茨城県、千葉県、宮崎県、徳島県を主産地に現在作られています。9月~11月に最も美味しい季節を迎え秋の味覚のひとつとして親しまれています。 さつまいもは、野菜の中で最も甘いことから『甘藷』という別名もあります。さつまいもの品種ごとの特徴を活かし、青果用、お菓子、機能性食品、デンプンやアルコールの原材料、飼料用と幅広く使われています。みなさんが店頭で比較的購入しやすい品種をご紹介します。
長くなった秋の夜、みなさんいかがお過ごしでしょうか?旬の食材を料理する秋の夜も楽しいものです。今回は、秋からおいしい季節を迎えるヤモイモをご紹介いたします。ヤマイモはヤマノイモ科ヤマノイモ属のつる性の植物です。ヤマイモは、中国が原産の『ヤマノイモ』、日本の山野に自生する『ジネンジョ』、東南アジアが原産の『ダイジョ』の3つの種類に分かれています。日本では、大和時代に自然薯(ジネンジョ)を掘って食べていたと『日本書記』に記述があり、古くから存在します。私達が一般的に食しているのは『ヤマノイモ』です。『ヤマノイモ』は、さらに『長いも』『つくねいも』『やまといも』の3つに分かれています。この3つが、主に店頭で販売されています。周年出回りますが、晩秋から冬にかけて、おいしい季節を迎えます。主産地は青森県と北海道で約7割の生産量占め、他にも茨城県、千葉県、群馬県で生産されています。 『長いも』 棒状で
読書の秋、スポーツの秋、食欲の秋。みなさんの秋といえばは何でしょうか? 私は、やはり果物の秋!店頭も秋の味覚のフルーツが彩り綺麗に賑わっています。 今回は、その中でも期間の短い秋の果物『あけび』をご紹介いたします。 あけびは、日本、朝鮮半島、中国大陸などが原産地の自生するつる性の植物です。大きな紫色の果実となり、果実が成熟すると口を開けたように割れます。この様子から開け実と呼ばれるようになり、あけびの名前の由来になりました。自然の中で暮らす田舎の方は、小さい頃野生のあけびをもぎとった思い出があるかもしれません。今では、季節の果物として栽培されています。山形県が最も生産量が多く愛媛県、長野県でも作られています。自生の物に比べ栽培されたものは鮮やかな紫色の美しさが特徴です。懐かしさ、珍しさなどが、見たこと、食べたことのない人たちの心を掴み、レストランや料亭などでメニューの1品として利用されるよ
夏の野菜のおはなしが続きましたので、今回は久しぶりに果物『ブルーベリー』をご紹介します。 ブルーベリーは、ツツジ科スノキ属の低木小果樹です。花が咲いた後、1~3gの果実が房状になります。原産地は、北米~カナダ地域といわれ、北アメリカ北東部でインディアンたちが、自生のものを採取し食用していたといわれています。19世紀末頃から、改良栽培されて世界に広まっていきました。日本へは、1950年以降に導入され、1970年代後半に国内でブルーベリーのジャムが店頭に登場しました。我が国で20世紀に誕生したブルーベリーは、長野県、群馬県、埼玉県、千葉県、岩手県などで栽培されています。また、一般家庭でもガーデニング栽培で親しまれています。 ブルーベリーには、主に3つの種類があります。 『ハイブッシュ』 耐寒性があり優れた品種です。 ウェイマウス、アーリーブルー、ブルーレイなどがあります。 『ラビットアイ』 高
立秋が過ぎ、ふと日が短くなったと思いませんか?。少しづつ秋の訪れを感じています。とはいっても、残暑はまだまだ厳しいですね。今回は、少し涼しい気分になる野菜『冬瓜』をご紹介したいと思います。 冬瓜は、きゅうりと同じウリ科の野菜で原産地は、東南アジアの亜熱帯地域といわれています。冬の瓜と書く『冬瓜(とうがん)』は、冬ではなく7~9 月が、おいしい季節の夏の野菜です。冬まで日持ちすることから、この名前がつきました。日本では平安時代には栽培され、書物には『加毛宇利(かもう り)』の名前で記載されています。現在は、愛知県、沖縄県や神奈川県三浦半島などで作られています。 冬瓜は低カロリーで、96%が水分でできています。夏の暑さで火照った体に水分を補給し、熱を冷す働きがあるといわれています。カリウムが含まれているので、利尿を促し、むくみ解消や高血圧に良いといわれています。くせのないシンプルな味わいと清涼
夏真っ盛りの暑い日々ですが、みなさん体調を崩されたりしていませんか? 今回は、食欲がなくなりがちなこの季節におすすめな『ゴーヤ』をご紹介いたします。 夏といえばの野菜『ゴーヤ』の正式名は、ツルレイシといいます。 東インドまたは熱帯アジア原産のウリ科の野菜です。日本には、江戸時代に九州・沖縄に伝来しました。沖縄野菜としてなじみのあるゴーヤですが、他にも宮崎・鹿児島の九州南部や群馬県でも生産されています。6~9月にもっともおいしい季節を迎える夏の野菜です。 ゴーヤには、ビタミンC、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが豊富に含まれています。特にビタミンCは、加熱による損失が少ないのが特徴です。ゴーヤ特有の苦みはモモルデシンといいます。食欲増進や血糖値を下げる働きがあるといわれています。ウリ科の中でも栄養価の高い野菜で、夏バテしそうなこの季節にもってこいの野菜です。
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く