文部科学省の全国学力テスト参加をめぐる市長との確執などから、任期途中で退任した愛知県犬山市の瀬見井久前教育長の後任に、同市教委学校経営調整室長の奥村英俊氏(62)を充てる人事が22日内定した。田中志典市長が30日開会の市議会に教育委員任命の人事案を提出し、同意を得て教育委員の互選で選出される見通し。 奥村氏は08年3月、市立犬山中校長を最後に現場を退いた。前教育長が進めた「学び合いの授業」など市独自の教育改革を支え、現在は学校経営のアドバイザーを務めている。 田中市長が奥村氏起用を内定したのは、前教育長の教育理念は踏襲しつつも、独自路線に固執し過ぎず円滑な行政執行を期待できると判断したからとみられる。教員の人事権や学級編成権をめぐりぎくしゃくしていた県教委との関係修復を図る狙いもある。奥村氏は毎日新聞に「今は何も言えない」とコメントした。【花井武人】