三重県が同県いなべ市で捕獲されたツキノワグマを隣接する滋賀県多賀町に放した問題で、三重県は野生動物を放獣する際のマニュアルに不備があったとして、連絡体制や手順を見直す方針だ。 県農林水産部の吉仲繁樹部長は28日、滋賀県庁を訪れ、同県幹部らに「おわびのしようもない」と謝罪した。 三重県獣害対策課によると、いなべ市で17日に捕獲したクマは麻酔で眠らせた後、県職員ら5人が放獣先を探すため車に載せて運搬。当初、県内の山中に放す予定だったが、適当な場所が見つからず、県境を越えた。同町内の山中に到着したのが午後6時半頃だったことに加え、人的被害が出にくい山奥だと判断したことから、滋賀県側と認識しながら放したという。 吉仲部長は同県庁で、琵琶湖環境部の拾井泰彦部長らに捕獲後の経緯を説明。「担当者から県境付近に放したと報告を受けていたので、当然、県内だと思いこんでいた」などと釈明した。その上で、「仮に県内