「核の番人」ともいわれる国際原子力機関(IAEA)で、エルバラダイ事務局長の後任を選ぶ特別理事会(日米など35カ国)の2回目の選挙が2日行われ、日本の天野之弥ウィーン国際機関代表部大使(62)が当選した。計3人が出馬する中、天野氏が当選に必要な理事国の3分の2の支持を獲得した。アジア初のIAEA事務局長として、9月の年次総会での正式承認を経て、12月に就任する。 天野氏は外務省で一貫して軍縮・不拡散分野を担当し、今回の選挙でも唯一の被爆国としての日本の立場を強調。原子力の平和利用を進め、核物質の軍事転用を防ぐIAEAの運営に、科学技術で経済を発展させた日本の経験を生かしたいと主張していた。 天野氏は前回の選挙で当選に1票足らず落選。日本は麻生太郎首相が理事国首脳に天野氏への支持を呼び掛けるなど、当選に向けて総力を挙げてきた。(共同)