大切に貯め込んだ資産をアコギな手法で奪い取る「騙しの手口」は、消滅する気配がまるでない。むしろ我々のライフスタイルの変化に合わせ、より巧妙に、狡猾に進化しているのが現実だ。その最新トレンドを探るべく、詐欺&悪徳商法の被害者・加害者双方を徹底取材。人間心理の隙間を巧みに突いてくる“悪魔のスキーム”を詳報する。 佐川急便を装ってショートメールを送り、詐欺サイトに誘導する手口が猛威をふるっているが、本当に品物が送られてくる悪徳商法も存在する。Amazonやヤマトの代引きサービスを利用して一方的に商品を買わせる「送りつけ商法」だ。望まぬ商品を買わされた主婦の守田倫子さんが振り返る。 「5500円の代引きが来たので、旦那が頼んだのかなと思って支払ったんです。後で聞いたら、身に覚えがないという。中身はビニールでできたヴィトンの財布でした」 もちろん、コピー品だ。ジッパーが閉まりにくく、素材のビニールも