時計やニッチなジャンルのコレクターにとって、何が「価値」なのかということに対する私たちの理解は、とても不合理なものだ。時計(あるいは切手、ポケットナイフ、ヘッドフォンなど)の収集を進めれば進めるほど、2桁、3桁から4桁、さらには5桁(ドル)以上に跳ね上がるような値札にも動じなくなってゆく。もちろん、価値が主観的なものであることには変わりなく、500ドルのセイコー"モンスター"は、他のエントリーレベルの機械式ダイバーズウォッチと比較すれば、非常にお買い得だが、多くの人にとっては、時計に費やすには無意味な金額でもある(偉大な哲学者ボ・ディドリーが『トレーディング・プレイス』で語ったように「フィラデルフィアでは、50ドルの価値がある」)。