客観的な質問に主観的な回答をするひとがいる。たとえば「世界一うまいギタリストはだれか」という質問に対して、「私が好きなギタリスト」の名前を言ってしまうようなひと。けっこうあちこちで見かけることだけれど、主観と客観が混同されているなあ、っていつも思っていた。世界一うまい、っていうのは世界一好きな、って意味ではないのだけれど、それを一緒だととらえてしまう。そういう人を見ると、すごくそのギタリストが好きなんだな、っていうのは伝わってくる。大好きだから混同するんだろうな、って。でも私だって世界一好きなバンドはあるし、そのギタリストは大好きだけれど、だからといってその人が世界一うまいギタリストだとは思わない。それはべつに盲目的になるほどの愛情がない、とかそういうことじゃなくて、単にそんな形容なんて、わたしの気持ちを言い表すためにまったく必要がないからだ。かれらより愛情が乏しいわけでもない。負けてなん