「水呑虎図」=西宮市大谷記念美術館提供大阪・道頓堀の名物「くいだおれ太郎」 【村瀬信也】江戸中期の代表的画家、円山応挙(まるやまおうきょ、1733〜95)が虎を描いた絵「水呑虎図(みずのみのとらず)」が見つかった、と兵庫県西宮市の市大谷記念美術館が5日発表した。80年以上行方がわからず「幻の虎図」と呼ばれていたが、大阪・道頓堀にあった飲食店「くいだおれ」の創業者が所蔵していたという。 同美術館によると、虎が水を飲む様子を力強く描いた1782年の作品で、縦96・5センチ、横141センチ。1928年のオークション目録に記載された後、所在不明になっていた。 「くいだおれ」を創業した故山田六郎さんが所蔵し、近年は大阪市内の倉庫に保管されていた。山田さんの親族らから相談を受けた同美術館の下村朝香学芸員が今年1月に鑑定し、落款などから断定した。下村学芸員は「猫や絵画を参考に描いたのだろうが、写実