山之口貘の東京暮らしを軽妙な語りで描き出す立川志ぃさー=7日、沖縄市民小劇場あしびなー うちな~噺(はなし)家・立川志ぃさーの改名記念公演「うちなー妄想見聞録」(作、演出・立川志ぃさー、舞台監督・猪俣孝之)が7日、沖縄市民小劇場あしびなーであった。東京で多くの詩を書いた詩人・山之口貘と、生活苦のため貘の居宅に泥棒に入ったウチナーンチュの男との対話を軸に描く物語。諧謔(かいぎゃく)と哀感の漂う貘の詩世界を、軽妙な語りで高座に反映した。東京を拠点に日本人に対し、日本語で訴えかける表現を模索しつつ、軸足は沖縄に置き続けた貘と志ぃさー。2人の姿が重なり合うような高座を繰り広げた。 物語は男が貘の居候先に忍び込む場面で始まる。貘と対面し、居直ろうとする男に対し、貘は「まだ何も取っていないあなたが泥棒だということは証明できない。詩の朗読を聞きに来たということにすれば、あなたはそのまま帰ることができる」