エッセー集「デヴィッド・ストーン・マーティンの素晴らしい世界」(文芸春秋)を刊行した作家の村上春樹さん(75)が、毎日新聞の取材に応じた。インタビューの後半では、2月に逝去した指揮者の小澤征爾さんとの関わり、戦争が続く世界の現状への見方などについても語った。(インタビューの前編はこちらをお読みください)【構成・大井浩一、須藤唯哉】 <内容> ・1950~60年代、ジャズは知的体験 ・「本当にすごいと思った人は3人」 ・戦争、トランピズム…「中世に逆戻り」 山下洋輔さんの早大「再乱入ライブ」 ――デヴィッド・ストーン・マーティン(David Stone Martin、以下はDSMと略記)が精力的にレコードジャケットをデザインした1950年代のジャズというのは、村上さんは後から聴いたわけですね。 ◆そうですね。僕がジャズを聴き始めたのは60年代半ばだから、それ以前の音楽です。リアルタイムのジャ