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ブックマーク / synodos.jp (25)

  • 「演劇的想像力」に溢れた作品を――第63回岸田國士戯曲賞予想対談/山﨑健太(演劇研究・批評)×田中伸子(演劇ジャーナリスト) - SYNODOS

    「演劇的想像力」に溢れた作品を――第63回岸田國士戯曲賞予想対談 山﨑健太(演劇研究・批評)×田中伸子(演劇ジャーナリスト) 文化 去る1月、第63回岸田國士戯曲賞(白水社主催)の候補作8作品が発表されました。演劇研究・批評の山﨑健太さんと、演劇ジャーナリストの田中伸子さんによる予想対談をお届けします。若手劇作家の奨励と育成を目的とし、新人の登竜門とされることから「演劇界の芥川賞」とも呼ばれる岸田戯曲賞。選考会および受賞作の発表は3月12日です。(企画・構成/長瀬千雅) 田中 私は学生時代に「夢の遊眠社」を見て芝居にはまりました。遊眠社の海外公演を見るために訪れたイギリスで、劇場街に魅せられて、90年代をロンドンで過ごしました。その後も、主に英字新聞で書いていることもあり、海外で演劇を見ることも多いです。それで思うのは、海外では作家が小説も戯曲も書くことは当たり前なんですね。一方、日では

    「演劇的想像力」に溢れた作品を――第63回岸田國士戯曲賞予想対談/山﨑健太(演劇研究・批評)×田中伸子(演劇ジャーナリスト) - SYNODOS
    hyougen
    hyougen 2019/03/14
  • 最新の演劇シーンに密着――第62回岸田國士戯曲賞予想対談/山﨑健太(演劇研究・批評)×落雅季子(劇評家) - SYNODOS

    山﨑 昨年は二人とも上田誠さんの『来てけつかるべき新世界』を予想して、的中しました。 落 選評を読んでも、異論はなかったようでしたね。 山﨑 今年もまずは予想からいってみましょう。せーの。 山﨑・落 山卓卓さん/神里雄大さん。 落 ……割れましたね。 山﨑 対抗は? 決まってる? 落 決まってます。 山﨑 じゃあ対抗も発表しましょう。せーの。 山﨑・落 神里雄大さん/山卓卓さん。 落 あれ。 山﨑 そうなると思ってたけど、でも命と対抗ではやはり違いますよね。神里さんを命に予想したのは、戯曲そのものへの評価? それとも賞の予想として? 落 戯曲としての評価です。でも予想としても当たってほしい。 山﨑 俺も神里さんの作品も悪くはないとは思ったけど、今回は山さんが圧倒的だと思いました。ここが命と対抗で分かれた理由かな。 落 じゃあ、この2作品はあとでゆっくり語るとして、他の6作品から

    最新の演劇シーンに密着――第62回岸田國士戯曲賞予想対談/山﨑健太(演劇研究・批評)×落雅季子(劇評家) - SYNODOS
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    hyougen 2018/02/23
  • 「直観」で見る「美」――『柳宗悦と民藝運動の作家たち』展/日本民藝館職員、月森俊文氏インタビュー - SYNODOS

    民衆の実用品として、名もなき工人たちにより作られた日用品の中に「美」を見出した柳宗悦。その「民藝」という美に感銘を受けた作家たちの作品展『柳宗悦と民藝運動の作家たち』が3月26日まで日民藝館で開催中だ。無銘の職人が作る日用品が、天才芸術家の作品に勝るとも劣らぬ美しさを備えることがある、それは何故なのか。柳の美の思想、そしてその「民藝」の美に影響を受けた作家たちの挑戦に迫った。(取材・構成/増田穂) ――今回展示を見てまず驚いたのですが、民藝館の展覧会にはルートや作品の説明がほとんどないんですね。 そうなんです。普通の美術館だと、まず挨拶文があって、趣旨の説明があって、作品に細かい解説がついていて、順路通りに進んでいくと展覧会のコンセプトがわかるようになっています。しかし、民藝館ではそういったことはしていません。順路はなく、説明書きも最低限です。説明がなくて不親切だと怒られることもあるので

    「直観」で見る「美」――『柳宗悦と民藝運動の作家たち』展/日本民藝館職員、月森俊文氏インタビュー - SYNODOS
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    hyougen 2017/02/11
  • 「地域アート」と共同体――芸術の固有の領域とは何か?/田中功起(アーティスト)×杉田敦(美術批評)×藤田直哉(SF・文芸評論家) - SYNODOS

    「地域アート」と共同体――芸術の固有の領域とは何か? 田中功起(アーティスト)×杉田敦(美術批評)×藤田直哉(SF・文芸評論家) 文化 #地域アート 『地域アート 美学/制度/日』は、評論家藤田直哉の「前衛のゾンビたち 地域アートの諸問題」という論考を出発点に、アーティストやキュレーターとの対話や研究者の論考を編んだ書籍である。 「地域アート」を考えるとき、アートが乗っかる土台としての「コミュニティー」にぶち当たる。芸術が、共同体や社会、政治にアプローチするときの「芸術性」とは一体何なのか。芸術にしかできないこととは。『地域アート』編者の藤田直哉氏と、アーティストの田中功起氏、美術批評の杉田敦氏が語った。2016年4月10日のナディッフアパート(東京・恵比寿)での2週連続トークの1回目を構成して採録。(構成・撮影/長瀬千雅) 藤田 日では、越後有大地の芸術祭(2000年〜)や、瀬戸内

    「地域アート」と共同体――芸術の固有の領域とは何か?/田中功起(アーティスト)×杉田敦(美術批評)×藤田直哉(SF・文芸評論家) - SYNODOS
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    hyougen 2017/02/10
  • 戯曲とは何かを考える――「戯曲は作品である」展をめぐって/劇作家・岸井大輔氏インタビュー - SYNODOS

    「戯曲は作品である」とは、京都・ARTZONEで去る7月5日まで開催された展覧会のタイトルである。展示アーティストの岸井大輔は劇作家。通常、私たちが「演劇を見る」というときそれは「上演」を指していて、つまり舞台上の俳優の身体を見に行っているわけだが、その上演をとっぱらって「戯曲」に直(じか)に当たるのは、また別の楽しみであると思う(それを趣味とする人は少ないかもしれないけれど)。いまなぜ戯曲を問うのか話を聞いた。(聞き手・構成/長瀬千雅) ――「戯曲を展示する」というアイデアはそもそもどこからきたものですか? 神奈川県に「パープルーム予備校」という美術コミュニティーがあるんですが、去年名古屋で開催されたパープルームの展覧会(現在東京で開催中)に、「油彩画家のための戯曲」を展示したんです。そのほかにも、グループ展などで戯曲を展示することが多くなって。だったら個展もできるんじゃないかと思ったん

    戯曲とは何かを考える――「戯曲は作品である」展をめぐって/劇作家・岸井大輔氏インタビュー - SYNODOS
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    hyougen 2015/08/07
  • アウトサイダーアートの幻想を超えて――第5回「心のアート展」の挑戦/心のアート展実行委員・荒井裕樹氏インタビュー - SYNODOS

    2015年6月17日(水)~6月21日(日)、東京芸術劇場5階〔ギャラリー1〕にて東京精神科病院協会(東精協)主催による、第5回 心のアート展「創る・観る・感じる パッション―受苦・情念との稀有な出逢い」が開催中だ。東精協に加盟する68の病院に入院・通院している方たちの作品を展示している。第5回を迎える「心のアート展」のみどころを荒井裕樹さん(二松学舎大学特任講師・心のアート展実行委員)に伺った。(聞き手・構成/山菜々子) ――第5回を迎える「心のアート展」ですが、見どころはどこですか? 2009年からはじめて5回目になりますが、毎回作品の展示だけではなく、「ギャラリートーク」や作者とおしゃべりできるようなイベントもあります。来た人も参加できるようなアート展を意図的に目指しました。さっきも飛び入りのダンス・パフォーマンスがあって、みんなで鑑賞しました。 ――双方向の展示会なのですね。特別

    アウトサイダーアートの幻想を超えて――第5回「心のアート展」の挑戦/心のアート展実行委員・荒井裕樹氏インタビュー - SYNODOS
  • 少数派であることを恐れない――現代アートを仕事にすること/森美術館キュレーター・荒木夏実氏インタビュー - SYNODOS

    私たちはなぜ美術館を訪れるのだろう。アートにはどんな力があるのか。今回の「高校生のための教養入門」では、そんな疑問を持って、森美術館のキュレーターとして活躍される荒木夏実さんを訪ねました。「アートを仕事にすること」は、荒木さんにとって、「社会とどう関わるか」につながる生き方の選択だったのです。(聞き手・構成/長瀬千雅) ――荒木さんは、キュレーターというお仕事はどのようなものだとお考えになっていますか。 「展覧会の企画と実施をする人」というのが最も基的な定義ですね。美術館に所属する人が大多数ですが、最近では特定の機関に属さないインディペンデント・キュレーターも増えてきました。日では学芸員と言われることが多いですが、公立の美術館・博物館が多い日では、学芸員資格を持った美術企画の専門職員という位置づけが主でした。今でも、県や市の職員として採用されてそのままずっと勤める人が多数です。インデ

    少数派であることを恐れない――現代アートを仕事にすること/森美術館キュレーター・荒木夏実氏インタビュー - SYNODOS
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    hyougen 2015/02/13
  • 「許す」と「赦す」 ―― 「シャルリー・エブド」誌が示す文化翻訳の問題/関口涼子 - SYNODOS

    「シャルリー・エブド」誌襲撃事件の後、フランスと日のメディアによる報道を追っていて、この事件への反応や解釈が両国でまったく異なっていることに気がついた。 大まかに言えば、フランスの場合は、「シャルリー・エブド」の編集方針に賛成でない人、あるいは同誌を読んだことがない人でもほぼ全員が、同誌への抗議の手段として殺人という最大の暴力が行使されたことに激しく怒りを覚えたのに対し、日の場合には、「テロは良くないが」というただし書き付きで、「でも表現の自由と騒ぐのは西欧中心主義ではないか。表現の自由にも、他者の尊厳という制限が設けられるべきでは」と表明することが少なからず存在した。 ここではその点については触れない。それとは別に、取り急ぎ指摘するべき問題が一つあるからだ。 1月13日付読売新聞の夕刊、国際欄に出ていた記事のことだ。今日14日水曜日、襲撃事件後初めて発行される「シャルリー・エブド」最

    「許す」と「赦す」 ―― 「シャルリー・エブド」誌が示す文化翻訳の問題/関口涼子 - SYNODOS
  • 日本美術の“ソムリエ”――美術はもっと多様に楽しめる/『京都で日本美術をみる 京都国立博物館』著者・橋本麻里氏インタビュー - SYNODOS

    美術の“ソムリエ”――美術はもっと多様に楽しめる 『京都で日美術をみる 京都国立博物館』著者・橋麻里氏インタビュー 情報 #新刊インタビュー#京都で日美術をみる#日の国宝100 今年9月、常設展示館である「平成知新館」がオープンし、例年以上の賑わいを見せていたこの秋の京都国立博物館。記念の展覧会となった「京(みやこ)へのいざない」(会期終了)は入場者数30万人をこえた。日美術がブームと言われるようになってしばらく経つが、何がそれほど多くの日人の心を引きつけるのだろうか。『京都で日美術をみる 京都国立博物館』を上梓した橋麻里さんにお話をうかがった。(聞き手・構成/長瀬千雅) ―― まさに先月、このを持って京都国立博物館(京博)に行きました。朝いちばんに行ったのに、館(明治古都館)で開かれていた「国宝 鳥獣戯画と高山寺」展で2時間ほど並ぶことになりまして。 そういう報告

    日本美術の“ソムリエ”――美術はもっと多様に楽しめる/『京都で日本美術をみる 京都国立博物館』著者・橋本麻里氏インタビュー - SYNODOS
  • 演劇と社会のあいだ――街をハックする体験型プロジェクトの可能性/Port B主宰 高山明氏インタビュー - SYNODOS

    高山明さんが主宰するPort B(ポルト・ビー)は、演劇ユニットを名乗っている。しかし、劇場で上演されるタイプの作品はほとんどない。かといって、テントや野外劇場を建てるわけでもない。そもそも俳優がいない。 では、観客はどのようにして作品を鑑賞するか。たとえば、2013年にフェスティバル/トーキョー13で初演された「東京ヘテロトピア」では、チケットを購入した観客はまず、東京芸術劇場のロビーへ行き、ガイドブックと、小型のラジオを受け取るように指示される。ガイドブックには都内13カ所の地図とその場所にまつわる歴史、そして周波数が書かれている。観客は、1カ月の会期中の好きなときに、好きな順番で、それらの場所に行き、ラジオの周波数を合わせる。すると、朗読が聞こえてくる。たとえば、御茶ノ水の上海料理店「漢陽楼」の前でイヤホンを耳に突っ込んだ人は、こんな物語を聞いた。 「その料理をおいしく味わいつつ、S

    演劇と社会のあいだ――街をハックする体験型プロジェクトの可能性/Port B主宰 高山明氏インタビュー - SYNODOS
  • 「不毛なことの意味をかすかに信じる」――彫刻家・今野健太が彫り出す存在/今野健太×荒井裕樹 - SYNODOS

    「自分の身体」というモチーフを通して「存在の不安」をテーマに制作をしてきた彫刻家・今野健太さんは、東日震災以降、「ある」という肯定的なエネルギーを形にしたいと思ったそうです。「石さえやっていなければもっと楽に生きていけるのに」「彫刻は時代を牽引できない」と思いながら、彫刻という「不毛なこと」を続ける意味を、かすかに信じていると語る今野さん。「いま“表現すること”にどんな意味があるのか?」を考える障害者文化論の研究者・荒井裕樹さんとの対談をお送りします。(構成/金子昂) 荒井 今年2月の大雪の時は、10日間もアトリエに閉じ込められたそうですね(笑)。 今野 はい。いま、ぼくのアトリエは神奈川と山梨の県境の山間にあるんですが、2週続けて降った雪が合わせて1.5mくらい積もりました。アトリエに続く道は使用する人が少ないので除雪が後回しになって。普段からアトリエにこもることはあるので、「糧の備

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  • スコットランドで何が起こっているのか――民族とアイデンティティを超えた独立運動/久保山尚 - SYNODOS

    スコットランドで何が起こっているのか――民族とアイデンティティを超えた独立運動 久保山尚 スコットランド史、スコットランド政策研究 国際 #スコットランド#独立運動 イギリス[*1]北方のスコットランドは、UKからの独立を問う住民投票を間近に控えている。 2012年にUK・スコットランド両政府間で住民投票開催が合意され、独立賛成派と反対派がキャンペーンを繰り広げてきた。独立賛成・反対への支持は、2013年末~2014年初頭に若干賛成派が伸びを見せたものの、一貫して賛成3割強、反対5割弱程度で推移し、スコットランドはUK内にとどまるものと思われてきた。 しかし8月に入り、独立への支持が急速に伸び始め、最新の世論調査では賛成派が過半数を超える[*2]など、状況は刻一刻と変化している。スコットランドの独立が俄かに現実味を帯びてきているのだ。 いったい何が起こっているのか。何がスコットランド人を独

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    hyougen 2014/09/11
  • 「わたしが宇宙の支配者です」――「幻聴妄想かるた」がもたらしたもの/「ハーモニー」施設長・新澤克憲氏インタビュー - SYNODOS

    精神障害をもつ方々の、ユニークな幻聴・妄想をかるたにした「幻聴妄想かるた」を販売している就労継続支援B型事業所「ハーモニー」。「わたしが宇宙の支配者です」「おはようございます、もう帰ろうかな」「ぐるぐる回る ちっちゃいおじさんたち」……不思議な魅力を放つ「幻聴妄想かるた」について、施設長の新澤克憲さんにインタビューをしてきました。現在、エイブルアートギャラリーで開催中の「新・幻聴妄想かるたとハーモニー展」を受けて、困ってるズ!応援版から緊急転載。(聞き手・構成/金子昂) ―― 「幻聴妄想かるた」、読み札や絵札を見ているうちに、自分の妄想と一緒だよなと感じるようになる、とても面白い体験でした。 そうですよね。みなさん最初は「精神障害ってこんなもの」とイメージがあって手に取るようです。でもみているうちに、案外、正常かそうじゃないかって境界は曖昧だって気づいていただけるといいなと思うんです。 ―

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    hyougen 2014/09/03
  • 「広場」を生み出す演劇の可能性――テアター・デア・ヴェルトの事例から/藤原ちから - SYNODOS

    「広場」を生み出す演劇の可能性――テアター・デア・ヴェルトの事例から 藤原ちから 編集者、批評家、フリーランサー 社会 #SYNODOS演劇事始#テアター・デア・ヴェルト#広場 マンハイムのホテルでは、トルコから来たチームとしばしば朝を共にした。彼らの作品は、イスタンブールのタクシム広場を題材にしていた。「日にはそもそも広場がないからね……」とわたしが嘆くと、「じゃあいったい、君たちはどこでデモをするんだ?」と驚かれた。 広場がない、という言い方は正確ではない。皇居前広場を始めとして、小さな駅前広場に至るまで、各地にスペースは点在している。だが、西洋的な意味での広場、すなわち、デモであれ魔女裁判であれ、多様な民族・言語・宗教からなる公衆たちが数々の祝祭的・政治的な行為を果たしてきたという意味での広場は、日にはおそらく未だかつて存在した試しがない。 南ドイツのマンハイムに滞在し、舞台芸

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    hyougen 2014/08/25
  • 現代美術のハードコアはじつは世界の「宝」である/東京国立近代美術館・主任研究員 保坂健二朗氏インタビュー - SYNODOS

    東京・竹橋の東京国立近代美術館で、『現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展 ヤゲオ財団コレクションより』という、ちょっと変わったタイトルの展覧会が開かれている。ヤゲオ財団は、世界トップクラスの美術コレクションを持つ台湾の財団で、理事長のピエール・チェン氏は大手パッシブ(電子部品)メーカー、ヤゲオ・コーポレーションのCEOを務める実業家でもある。展では、約400点のコレクションから74点が展示される。特徴は、「美術史的価値」と「経済的価値」とを並行して提示しているところだ。そのような試みができるのは作品がどれもミュージアム・ピース(美術館に収められてしかるべき一級品)だからであるが、「なぜこの作品が何億円もするの?」という素朴な疑問を一緒に考えようとしてくれた展覧会は今までになかったような気がする。企画者である保坂健二朗さんに話を聞いた。(聞き手・構成/長瀬千雅) ―― ヤゲオ財団コ

    現代美術のハードコアはじつは世界の「宝」である/東京国立近代美術館・主任研究員 保坂健二朗氏インタビュー - SYNODOS
  • 和解だけが救いの形ではない――『聲の形』作者・大今良時氏の目指すもの/大今良時×荻上チキ - SYNODOS

    現在、『週刊少年マガジン』で連載中の漫画『聲の形』は、読み切りとして2011年の『別冊少年マガジン』に初めて掲載された際に、小学校を舞台に、いじめを受ける聴覚障害者のヒロインをけなげに描くことに対する批判も含め、読者から様々な反応が生まれた作品だ。「なにがそんなにヤバいのかまだよくわからない」と語る作者・大今良時氏。大今氏は『聲の形』で何を描こうとしているのか、学校生活をどのように過ごしていたのか、荻上チキがインタビューを行った。(構成/金子昂) 荻上 お会いできてうれしいです。『聲の形』は様々な読み方ができる優れた作品で、楽しんで読んでいます。特に、いじめの構造を端的に抉り出しているな、と思いました。多くのいじめ描写は、いじめっ子をわかりやすい悪者として描くことが多いんですが、いじめっこ/いじめられっ子というのは固定的なものでもないし、教室内の秩序の在り方によって、流動的に発生してしまう

    和解だけが救いの形ではない――『聲の形』作者・大今良時氏の目指すもの/大今良時×荻上チキ - SYNODOS
  • 孤独死に年齢は関係ない ―― ひとり暮らしが当たり前の時代で社会化を迫られる死/『孤独死のリアル』著者・結城康博氏インタビュー - SYNODOS

    孤独死に年齢は関係ない ―― ひとり暮らしが当たり前の時代で社会化を迫られる死 『孤独死のリアル』著者・結城康博氏インタビュー 情報 #孤独死のリアル#新刊インタビュー#超高齢化社会 いまあなたが自宅で突然死んでしまったとき、誰が心配して様子を見に来てくれるだろうか? そして死後何日で発見してもらえるのだろう? 孤独死で亡くなる人は年間約3万人。2015年のひとり暮らし高齢者は約600万人――もはや孤独死の増加は避けることができない中で、死の社会化を迫られる時代になりつつある。ケアマネジャーとして、研究者として、孤独死を見つめてきた結城康博氏が上梓した『孤独死のリアル』(講談社現代新書)。孤独死のいまについて、お話を伺った。(聞き手・構成/金子昂) ―― いまどれだけの人が孤独死で亡くなっているのでしょうか? 厚生労働省の研究班でまとめられたものだと、だいたい年間3万人くらいが孤独死で亡く

    孤独死に年齢は関係ない ―― ひとり暮らしが当たり前の時代で社会化を迫られる死/『孤独死のリアル』著者・結城康博氏インタビュー - SYNODOS
  • 現代演劇の最新事情――新世代の登場と、演劇の遺伝子/徳永京子×藤原ちから - SYNODOS

    長い間、演劇はカルチャーの鬼っ子だった。かつては映画音楽やアートと同じ感覚で観たり論じたりすることができたのに、その輪からはずれてしまった……昨秋刊行された『演劇最強論』(飛鳥新社)は、そんな嘆き節から始まる。しかし、そのはぐれ者が「最強」とはどういうことだろう。著者は、演劇ジャーナリストの徳永京子さん、批評家の藤原ちからさん。二人のトークイベント、「『演劇最強論』の最新論〜ところで今、演劇って、どうなってる?」から、現代演劇の最新事情をお届けする。(構成/長瀬千雅) 藤原 「演劇って今、どうなってる?」というテーマでお話ししていきたいと思いますが、まずこのをなぜ出版することになったかということからはじめましょうか。 徳永 出版したのは2013年ですが、その時点での日の演劇シーンを総ざらえするというではなく、現在の演劇事情を、ある角度をもって、私と藤原さんで切り取ったです。卑近な

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  • 「大正デモクラシー」はどうして戦争を止められなかったのか/成田龍一氏インタビュー - SYNODOS

    社会運動、政党政治、普通選挙――民主主義的な言論や運動が活発に行われた「大正デモクラシー」。しかし、その後日戦争の時代へと突入してしまう。なぜ大正デモクラシーは戦争を止められなかったのか。歴史学者の成田龍一氏に話を伺った。電子マガジンα-Synodos vol.142より、一部を転載。(聞き手・構成/山菜々子) 「大正デモクラシー」とはなにか ―― 今回は、「大正デモクラシーはどうして戦争を止められなかったのか」というテーマでお話を伺えればとおもいます。まずは、「大正デモクラシー」はどのようなものだったのでしょうか。 まず、「大正デモクラシー」という言葉についてですが、これは同時代に使用された言葉でもなければ、歴史用語として定着しているわけではありません。論者によって「大正デモクラシー」といったときの時期や内容や評価が様々です。「大正」という元号と、「デモクラシー」というカタカナとが

    「大正デモクラシー」はどうして戦争を止められなかったのか/成田龍一氏インタビュー - SYNODOS
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    hyougen 2014/02/17
  • アラブ革命と詩――抵抗文化としての詩、歌、ラップ/山本薫 - SYNODOS

    二年前、 真昼の太陽のような大輪を咲かせた花 丘を失い、 枝すらも失った花 優しい手がその頬をなでることも 泉がその土を潤すこともない だから、硝煙で汚された空気を吸って生きるしかなかった (略) あらゆる醜悪な可能性の前に扉を開け放った花 無力な花 通りに出ていった花 誰もそれを帰してやることはできない 母の腕の中へ/森へ [イマードッディーン・ムーサー作『二年前からの花』より。レバノンのアル・ムスタクバル紙4634号(2013年3月17日)、シリア革命二周年特集ページ掲載] 2011年1月、チュニジアのベン・アリー元大統領を辞任に追い込んだ民衆デモは、短期間のうちに周辺アラブ諸国に広がり、「アラブの春」として世界の注目を集めた。あれから約3年、アラブの春が波及して反政府デモが始まったシリアは、出口の見えない泥沼の内戦状態に陥っている。 恐ろしい人道的災禍が日々報じられるシリアで、市民が

    アラブ革命と詩――抵抗文化としての詩、歌、ラップ/山本薫 - SYNODOS