前回、私はノモンハン事件を通じて、日本軍がどれほど愚かしかったか、その愚はいまの日本的組織にも引き継がれて、太平洋戦争敗戦の教訓が生かされていないことを指摘した。 日本軍がなぜ巨大な犠牲の果て破れたか、そして、いまもなお日本の製造業が巨大な犠牲を出しつつ世界市場で敗れつつあるのか、その理由を考えてみると、単純な結論にたどり着く。 要するに合理的ではないのだ。 日本的組織はいろんな意味で合理的でない。まず第一に組織の目標がはっきりしていない。たとえばいまの日本企業は、利益の追求が目標なのか、従業員の雇用維持が目標なのか、どうにもはっきりしない。まず組織の存在目的がはっきりしないから、戦略を立てることができない。環境の変化に応じて、作戦を変更することもできない。できることは、組織政治的に安全な「過去の成功に基づいて確立された方法」をなぞることだけである。しかも日本人はそれを徹底的にやる。奇形的