NHK朝ドラ『半分、青い。』が終わってしまった。ヒロイン・楡野鈴愛が弟子入りする憧れの漫画家・秋風羽織の作品として、くらもちふさこ作品が実名で登場して驚いた半年前が懐かしい。くらもちふさこといえば、1972年にデビューして以来、それまでの少女マンガにありがちな上流階級ものや歴史ロマン、スポ根、オカルト趣味、SFファンタジー等の非現実設定による夢物語ではなく、現実味溢れる日常生活を舞台とし、等身大の登場人物の心象風景を台詞以上に卓越した描写表現で描き、ポスト24年組ともひと味違うジャンルを築き上げた。連続した動きによって表現するアニメとの決定的な違いである技法「コマ割り」による視線誘導やリズム感が作り出す「タテ27cm×ヨコ18cm」の限られた空間世界は、アニメや映画よりも、むしろ音楽に近い感覚で展開されている。こうした独特な表現やストーリー構成は常に革新され、洗練さを増し、くらもちふさこは
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