『ストリンドベリ名作集』を入手したので、これから少しずつ読んでいこうと思う。まずは巻頭に収められている『父』から。 ストリンドベリ名作集 (1975年) 作者: ストリンドベリ,毛利三弥,千田是也,岩淵達治,石沢秀二,高橋康也出版社/メーカー: 白水社発売日: 1975メディア: 単行本 クリック: 34回この商品を含むブログ (4件) を見る 「ご自分を喜劇的な男にしないようにね!」 「こんな悲劇的なことがあるか!」 「なおさら、喜劇的になるわ!」 「しかしおまえはそうならない!」(26ページ) アドルフ大尉は、娘ベルタの教育方針をめぐって妻ラウラと鋭く対立する。ラウラは大尉のかつての乳母マルグレートらを巻き込み、大尉を精神的に追い詰めていく。 うーん、これはすごい。被害妄想というやつは、人物と場面と筋書きをしっかりセットされた場合、これほどまで恐怖を煽るものだったのか。たった三幕、ペー