その過程でIT部門を戦略部門へと変革し、20年8月に日清食品は、経済産業省と東京証券取引所によって「DX銘柄 2020」に選出された。DX銘柄とは、デジタル技術を活用してビジネスモデルや業務、組織を抜本的に変革し、競争力につなげている企業を選定するもので、20年は同社を含む35社が選ばれている。 8年間CIOを勤めた日清食品での日々や、これまでの働き方を振り返り、喜多羅氏が今だからこそ考える仕事論を聞いた。 日本企業は「多神教」 長谷川: 日清食品におけるCIOの役割って何だったんでしょうか? 喜多羅: 日清食品は、安藤百福がチキンラーメンを発明し、カップヌードルを発明し、それらを長く主力商品としてやってきた会社です。社内には、「余人をもって代え難し」、代替がきかないスペシャリスト集団として強みを発揮していこうというカルチャーが受け継がれています。 商品開発なら商品開発のエキスパートがいる