父とその友人、つまり年配の男性2人と、険しくて長い道のりをハイキング、深い森のなかでキャンプをすることになった17歳の少女。父と友人の関係が円滑であるように気を遣い、下品な話題も苦笑いで受け流し、いつの間にか料理や皿洗いまでも少女が担っている。 この光景、見たことがある。映画『グッドワン』の舞台はアメリカの深い山の中であるが、日本のどこか、たくさんの親戚が集まる家で同じような現場を見た記憶がある。本作の脚本・監督を務めたインディア・ドナルドソンは、「離婚した両親のもとで、家族内の平和維持役を担ってきた」経験をもとにして、本作を着想したのだという。詳細の状況は違えど、ジェンダーロールや家父長制にもとづく価値観が根をはる問題は、こうも普遍的なのかと思える作品だった。 映画批評家、常川拓也が映画を通して社会を見つめる連載コラム「90分の世界地図」第8回目は、インディア・ドナルドソンにインタビュー

