料理家・樋口直哉さんの『おいしさの「仕組み」がわかる 料理のキホン』がスマート新書として発売された。私はこの本の編集を担当させていただいた。 料理には理論がある料理がずっと苦手だった。 レシピを見ても「小口切りって何?」「なぜ、最初に塩を入れるの? あとじゃダメなの?」とかってなるし、料理をしながら自分が何をしているのかもよくわからなかった。やっていることがわからないので、当然、上達することもなく…。 そんな私もcakesで樋口さんの連載を担当するようになってから、料理には理論があり、原理原則を抑えておけば、レシピに頼らずともおいしい料理をつくれるということを知った。 その原理原則をコンパクトに解説したのが、今回発売されたスマート新書『おいしさの「仕組み」がわかる 料理のキホン』だ。 料理の理論って?料理の理論といってもそんなにむずかしいものじゃない。 たとえばお肉の焼き方。肉は加熱しすぎ
この記事はcakesに連載していたものです。若干、リライトしてます(2022年7月) noteで人気の料理家、樋口直哉さん(TravelingFoodLab.)の新連載。第2回目は「出汁の引き方」。出汁は料理の土台、確実に料理をおいしくしてくれる存在です。今回も「一番出汁と二番出汁を使い分ける必要はない」など、これまでの常識を覆す料理論を説得力あるやさしい言葉で解説します。料理の仕組みがわかると、料理の技術が格段に向上するでしょう。 2017年から今年にかけて、料理の世界で流行したキーワードは『一汁一菜』。一汁一菜とは「ご飯+汁物+おかず一品」の食事形式のことで、たしかに炊きたてのご飯に汁、それにおかずが一品あれば、立派な食事の体裁が整います。 前回のテーマが『ご飯』だったので、今回は汁=『みそ汁』について考察してみたいのですが、まずはその前にみそ汁に欠かせない(とされる)『出汁』について
「失敗しないマヨネーズの作り方」という記事でマヨネーズはエマルジョン(乳化ソース)である、という説明をしました。今回はその応用。卵黄の代わりに牛乳を使ってマヨネーズをつくります。 牛乳マヨネーズ 牛乳 60cc 塩 2g 植物油 200cc 酢(またはレモン汁) 大さじ1牛乳は乳タンパク質であるカゼインによって水と乳脂肪分が乳化したエマルジョンなので、卵黄と同じようにマヨネーズをつくることができます。ただ、卵黄ほど強い乳化作用はないので、機械の力を借りる必要があります。 バーミキサーを使って、油の粒子を細かくすることで、安定的な乳化が得られます。 酢以外の材料をビーカーか計量カップ、コップなどに注いでバーミキサーで混ぜます。 底の部分から乳化していきます。ある程度、固まってきたら、バーミキサーを上下に動かして上部の油も混ぜ込んでいきます。 かなり固くなりました。今回は植物油の一部にオリー
寒い日にぽかぽか温まるおでんはいかがでしょう? おでんをはじめとして煮物は、冷める時に味が染み込む、とよく言われますが、これは誤り。スッキリした味わいの出汁でおでんをおいしくいただく方法をご紹介します。 冬にぴったりのおでんはおでん出汁を具材に含ませる料理です。おでん出汁には便利な市販品もありますがわりと濃いめの味付けがおおい印象です。そもそも市販されている練物は甘めの味付けが多いので、くどくなりがちです。せっかく自分でつくるなら出汁から手作りしましょう! すっきりした味に仕上げたいので、今回は「出汁20:醤油1:酒1」でおでん出汁をつくります。一般的なおでん出汁の割合は「出汁20:醤油1:みりん1」ですから、みりんのかわりに酒の甘さを使った配合です。 おでんの基本は「長時間煮込まない」こと。90℃〜95℃くらいの温度を意識すると上手にできます。 おでん材料 大根…半本 こんにゃく…1枚(
シリーズとしては長くなりましたが、硬水と軟水でかなり味や仕上がりが変わってくるのがわかってきました。今回は豚肉を茹でて比較してみましょう。 豚バラ肉を半分に切り、軟水(東京都の水道水)と硬水(コントレックス50%+水道水50%)で茹でてみます。 沸騰するまでは強火、沸いてきたら弱火に落とします。水道水はいつもの状態。はじめのアクを取り除けばその後はアクがあまり出ません。 硬水はアクがたくさん出る一方、硬水はアクがたくさん出るのが特徴。水道水の場合は最初のアクを除去すればアクは出なくなりますが、硬水の場合はしばらく経つと表面にアクが寄ってきます。 都度、除去していきましたが結果として煮汁は硬水のほうが澄んだ仕上がりになります。これはストック編での検討結果と同じです。肉を茹でたときに出てくるアクは水溶性のタンパク質で、鉄を含むヘモグロビンやミオグロビンが含まれるため、加熱されると灰色や茶色にな
日本で最も有名な四川料理といえば麻婆豆腐。中国料理のなかでは『成都市を訪れたら食べよう』というような地方の名物料理の位置づけで、発祥は100年以上の歴史を持つ陳麻婆豆腐店とされています。 陳麻婆豆腐の作り方はこちらの動画で詳しく紹介されています。豆腐を醤油と塩の入れた湯で下茹でし、たっぷりの油で仕上げていくのが特徴。油に移った豆板醤の味(辣)と最後に振りかける四川山椒の風味(麻)が麻婆豆腐の命です。 一方、麻婆豆腐を日本で有名にしたのは四川飯店グループの創業者、陳建民氏。健民さんはNHK『きょうの料理』などにも出演し、中国料理の普及に貢献しました。この2つの麻婆豆腐。まったく別の料理なのですが、今日はそのあたりも踏まえながら、家庭でできる麻婆豆腐の新しい作り方を考えました。 まずは作り方から。 麻婆豆腐 2人前 牛挽き肉 100g サラダ油 大さじ1 A豆板醤 小さじ1 A八丁味噌 小さじ
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家では揚げ物は嫌、という方が多いようですが、実は揚げ物は簡単です。その理由は温度変化がゆるやかで、調整しやすいから。例えるなら安全運転でゆっくりと目的地にたどり着けるイメージです。そのわりには全面から加熱されるので、効率がとてもよく料理を一気につくるのにも向いています。料理屋さん風に言うと「油は仕事が早い」のです。 今日はトンカツを揚げてみようと思います。個人的にはロースが好みですが、今日はヒレカツ。 豚のヒレ肉は内臓側に2本ついている肉なので、特有の癖が出やすい部位です。解決策は良質な豚を選ぶこと。とはいえ国産の豚は大方、三元豚。飼料も均一化されているので「結構、みんなレベルが高い」というのが正直なところ。そのなかでも餌に工夫を凝らしている生産者の方が手がける豚はやはりおいしい。そういう豚をちょっと選ぶといいかもしれません。生産者の方の努力には頭が下がります。 一本、まるごと揚げてもいい
うすくちしょう油は開封して時間が経つと酸化が進み、濃口醤油よりも味が落ちやすいので、濃口とうすくちの2本を台所に揃えてくださいと、以前はなかなか言いづらかったのですが、今は酸化防止ボトルに入ったうすくちしょう油が市販されています。使用頻度が少ない家でもこれなら大丈夫。というわけで、めんつゆの作り方です。 めんつゆ 水 250ml うすくち醤油 50ml みりん 50ml 昆布 5cm角 かつお削り節 ひとつかみ 普段、いちいち計ったりしないでしょうから鰹節と昆布はあえてざっくりとした分量表記にしていますが、めんつゆの基本は出汁5:しょう油1:みりん1です。うすくちしょう油を使うと濃口よりも塩分量は多くなるので、バシッと切れ味のいい仕上がりになります。 作り方はかんたん。すべての材料を鍋に入れて、中火にかけます。昆布は事前に水に漬けておくとさらによし。沸騰してきたら弱火に
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