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ブックマーク / blog.goo.ne.jp/ikedanobuo (121)

  • 所有という幻想 - 池田信夫 blog

    零士氏がセリフの「盗用」をめぐって起していた裁判で敗訴した。彼がpro-copyright派の愚劣さを世の中に示した功績は大きいが、この事件もいろいろなことを考えさせる。 松氏の脳内では、すべての情報は作者が所有しているのだろうが、これは著作権という誤った制度が生み出した幻想だ。情報の複製が「盗用」なら、彼の「銀河鉄道999」は宮沢賢治の盗用だ。そもそもヴィトゲンシュタインが指摘したように、自然言語の文法も語彙も社会的に共有されているのだから、私的言語はありえない。複製や共有を盗用というなら、すべての表現は盗用なのだ。 トヨタの没落も単なる販売戦略の誤りではなく、「自家用車」という幻想の終わりの始まりではないか。私は免許をもっていないが、今まで不自由したことはほとんどない(例外はシリコンバレーでタクシーがなかったとき)。少なくとも日の都市では、タクシーですべて用は足りる。わざわ

    isrc
    isrc 2008/12/27
    今は、所有権=価格メカニズムという300年ぐらい続いたシステムから、次のシステムへの過渡期だろう。次にくるのがどんなシステムなのかまだよくわからないが、その移行を実験しているのがグーグルだと思う。
  • 新たな「失われた10年」が始まる - 池田信夫 blog

    トヨタが半世紀ぶりの赤字に転落する見通しになった。これはさほど驚くにはあたらないが、問題はトヨタやソニーがこけると、日経済全体が沈没する産業構造だ。つまり現状は一時的な景気後退ではなく、1990年と似た輸出バブルの崩壊が起こったと考えたほうがいい。利下げは、そのショックを緩和する「痛み止め」の意味はあるが、いくら麻酔を打っても病気は治らない。 輸出産業の大幅な業績下方修正は、長期的な水準からの一時的な乖離ではなく、むしろ為替が均衡レートに戻り、アメリカの消費バブルが剥げ落ちて、これまで上方に乖離していた業績が長期トレンドに水準訂正されたと考えたほうがいい。したがって今後の不況は、残念ながら麻生首相のいう「全治3年」といった短期的なものではなく、90年代のような「失われた10年」がまた始まるおそれが強い。 ただ今回の長期不況が90年代と違うのは、金融システムはあまりいたんでいないことだ

    isrc
    isrc 2008/12/21
    製造業の生産性は15年以上かかって1990年ごろの水準に復帰したが、非製造業は1980年の半分以下のまま低迷している。中休みが終わって、また暗いトンネルが始まる。最も危機的なのは、危機感が欠如していることである。
  • ゼロ金利で得したのは誰か - 池田信夫 blog

    FRBが事実上のゼロ金利に踏み切った。アメリカはすでにデフレ局面に入って、自然利子率は負になっていると考えられるので、やむをえないだろう。これで10年前の日とほとんど同じ状況になったわけだ。それから10年、日はいまだにゼロ金利ゾーンから抜けられず、またゼロになるかもしれない。その意味で、日の教訓は貴重な意味をもつ。 日の経験からいえることは、第一にゼロ金利は景気対策ではないということだ。景気対策としての意味はゼロになった段階で終わり、日銀が見ていたのは銀行の資金繰りだった。特に2000...

    isrc
    isrc 2008/12/20
    ゼロ金利によってあなたの預金金利が銀行に移転され、その追い貸しによってゾンビ企業が息を吹き返して、バブルによる損失の穴埋めが行なわれ/株主が負担すべきだった損失を、15年かけて預金者が負担
  • ダウンロード違法化についての超初歩的な経済学 - 池田信夫 blog

    著作権法30条を改正して「私的複製」から違法コンテンツを除外する、いわゆるダウンロード違法化が、次の国会に提出される見通しになったようだが、あきらめるのは早い。総選挙では民主党の勢力が増えると予想されているので、参議院で否決すれば葬れる。 これについては以前の記事でも書いたように、侵害による権利者の損失と宣伝効果による利益は、ほぼプラスマイナスゼロだというのが、多くの実証研究の結果だ。Oberholzer-Gee and Strumpf(O-S)論文については、その後も論争が続いているが、この論争で双方ともに前提としているのは、この論文は金銭的利益だけを測定したものだということだ。つまりファイル共有によるレコード会社の損失をC、宣伝によって売り上げが増える効果をBとすると B≒C・・・(1) というのがO-Sの結論だが、消費者は音楽を聞くことで効用を得るので、来の問題はダウンロード

    isrc
    isrc 2008/10/24
    少なくとも音楽産業では、ダウンロード違法化の社会的な効果はマイナスになる可能性が高い。この損失は負の外部効果を考えるともっと大きく、P2P等に萎縮効果をもたらし、cloud computingのようなイノベーションを阻害する
  • クラウド化する世界 - 池田信夫 blog

    The Big Switchの訳が出た。元記事で書いたように、cloud computingを実装しているエンジニアが読んで参考になるような新しいことは、何も書いてない。しかし私の経験でいうと、現場のエンジニアが「3年古い」と思うような話が、経営者の常識になるにはあと3年ぐらいかかり、役所はそのさらに3年ぐらい前の技術に予算をつけることが多い。 この分野で役所が力を入れているのは、レガシー技術と化したスパコンの戦艦大和や日の丸検索エンジンだ。両方とも、現場のエンジニアは「もう勘弁してほしい」とか「こんなのに何年もつきあったら私のキャリアが台なしになる」といっているが、彼らを派遣しているITゼネコンは「補助金あさり」と割り切っている。グローバル市場で勝てないのだから、税金をい物にするしかないのだ。 この現場と経営トップの認知ギャップの大きさが、日IT産業をだめにしている原因なので

    isrc
    isrc 2008/10/13
    現場のエンジニアが「3年古い」と思うような話が、経営者の常識になるにはあと3年ぐらいかかり、役所はそのさらに3年ぐらい前の技術に予算をつけることが多い。
  • 霞ヶ関の2ちゃんねらー - 池田信夫blog

    書の112〜4ページに、話題を呼んだ怪文書公務員制度の総合的な改革に関する懇談会報告書への素朴な疑問」の全文が出ている。おもしろいのは、最初に出ている(スペースも最大の)論点、「政と官の関係」だ。見出しには「なぜ集中管理が必要?国会議員が情報を得られなくなり、かえって『官僚主導』になるのではないか?」と書かれ、「政官の接触の集中管理」の禁止を彼らがもっともいやがっていることがよくわかる。 著者によれば、これを書いたのはなんと当時(今年3月)の行政改革推進部事務局に総務省から出向していた次長だったという。公務員制度改革の責任者が、渡辺大臣の方針を全面的に否定する怪文書を流していたのだから恐れ入る。彼は今年の異動で省に戻ったが、この怪文書の著者であることは霞ヶ関に知れ渡っていたので、増田総務相の怒りを買って左遷されたそうだ。 民間の常識では考えられないが、霞ヶ関や永田町にはこういう

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    isrc 2008/10/03
    霞ヶ関を批判する側は実名なので、いろいろな誹謗中傷を浴びるが、それをつぶそうとする官僚は匿名だ。少なくとも公文書についてはすべて責任者の署名を義務づけ、霞ヶ関から「2ちゃんねらー」を追放すべきだ。
  • 「景気対策」は有害無益である - 池田信夫 blog(旧館)

    福田首相の後継として麻生太郎氏が命らしいが、私は彼が首相になることには反対だ。その理由は、彼が地底人を経済顧問にしているからだ。リチャード・クー氏は「不況のときは、戦艦大和でも何でもいいから巨額のバラマキをやれ」という、半世紀以上前の素朴ケインズ主義をいまだにとなえている。こんな政策をとったら、日経済も財政も破綻することは明らかだ。 同じ理由で、いま政府がやろうとしている「総合経済対策」も税金の浪費である。今週の『週刊東洋経済』の「不確実性の経済学」特集(私も原稿を2書いた)で、小島寛之氏も書いているように、こうした時間非整合的な政策は、消費者の期待形成や企業の戦略を混乱させ、結果的には何もしないのと同じことになる(インフレだけが残る)。最近の経済学が明らかにしたように、消費者や企業の行動を決めるもっとも重要な要因は心理だから、それを勘案しないで物量だけで経済が動くと考えるのは時代

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    isrc 2008/09/06
    日本が「失われた10年」のトンネルを抜けても成長軌道に乗れない最大の原因は、バラマキ政策で市場のフィードバック機能が破壊され、生産性の低い古い企業が生き残って新しい企業をcrowd outしていることにある
  • 大本営発表という権力 - 池田信夫 blog

    今度の騒動では、日経新聞以外のすべての全国紙・夕刊紙・週刊誌・在京キー局が(直接あるいは電話で)取材に来た。その取材と報道を比較すると、おもしろいサンプル調査になった。 全国紙は、私の話を「裏を取る」材料に使っただけで、談話として使ったのは夕刊紙とJ-CASTだけだった。ただ、これがヤフーニュースのヘッドラインになったため、27日には当ブログへのアクセスが激増し、1日30万PVを記録した。テレビ局は、5社ぐらい撮影に来たが、放送で使ったのは日テレとTBSとテレ朝ぐらい。 おもしろいのはフジで、「サキヨミ」からスタジオ出演の依頼があったので、「私はかまわないけど、私はテレビ業界の天敵なので、前に出演スケジュールを決めてから『上からNGが出て・・・』とドタキャンされたことがあります。上司に確認してください」と答えたら、同じ結果になった。 新聞社はよく「戦時中は大営の検閲や紙の配給のため

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    isrc 2008/09/06
    「検閲や紙の配給のために本当のことが書けなかった」と言い訳は真っ赤な嘘/新聞社は大本営発表をさらに誇張した戦意高揚報道を競って行なった/景気のいい戦果を載せたほうが売れる/つまり国民が戦争を求めていた
  • B-CASについての技術的まとめ - 池田信夫 blog

    先日の速報には10万を超える爆発的なアクセスがあったが、いろいろ間違いがあり、多くのコメントやTBなどで訂正していただいた。まず私がB-CASの規格(ARIB STD-B25)を誤解していたため混乱をまねいたことをおわびし、あらためて(私の理解している範囲で)正確に問題をまとめておく。非常にテクニカルな話なので、関係者以外は無視してください。 私は、まずカードを挿入しないと見えないという程度の簡単な(スクランブルなしの)B-CASが導入され、地デジに移行するときコピーワンスを実装するためにMULTI2が導入されたと理解していたのだが、システム上は最初からMULTI2は入っており、最初は使わなかっただけらしい。そのしくみを簡単に解説すると、いっせいに数千万人に信号を送るため、暗号鍵を共通のECM(Entitlement Control Message)とカード固有のEMM(Entitlem

  • AndroidはSTBの夢を見るか - 池田信夫 blog

    インターネットの父にしてGoogleの伝道師、Vint Cerfが、IPアドレスを冷蔵庫から宇宙まで、あらゆるものにつける構想を語っている。"Everything on IP"は彼の持論だが、このIPをAndroidと置き換えると、TechCrunchもいうように、Androidが単なる携帯OSではなくなるかもしれない。 冷蔵庫や人工衛星につけても大した意味はないが、重要なのはテレビのセットトップ・ボックス(STB)だ。この業界では、世界中で何十もの規格が乱立して、どこも標準になれない。MSTVもAppleTVも失敗に終わった。どの規格もproprietaryで相互運用性がないため、「囚人のジレンマ」になっているのだ。Googleが、Androidを携帯からテレビまで共通のオープン・プラットフォームにしてYouTubeを流せば、このビジネスを「協調ゲーム」に変えて見果てぬ夢が実現するかも

    isrc
    isrc 2008/08/20
    "Everything on IP"は彼の持論だが、このIPをAndroidと置き換えると、TechCrunchもいうように、Androidが単なる携帯OSではなくなるかもしれない。
  • 「ストリートビュー」騒動をめぐる誤解 - 池田信夫 blog

    グーグルの新機能「ストリートビュー」が、論議を呼んでいる。上の画像はわが家の近所だが、確かに驚異的な細密さだ。私は意に介さないが、これを「気持ちが悪い」という人がいるのも事実だろう。先行してサービスが始まった海外でも、訴訟などが起こっている。これに対して「自分の家を映すのはやめてくれ」というのは自由だが、法的根拠はない。風景は個人情報ではないからだ。まして「サービスをやめろ」などというのは暴論である。 ただ高木浩光氏の報告によると、総務省の「通信プラットフォーム研究会」で、グーグルの担当者が「日では、名前を表札に書いている。わざわざ自分の名前を公道に出しているわけだから、プライバシーなんて気にしていない」と発言したようだ。こういう無神経な発言は、火に油を注ぎかねない。そもそも名前がプライバシーなのか、というのが大問題だからである。ASCII.jpのコラムにも書いたが、私は個人情報保護法

    isrc
    isrc 2008/08/14
    通信プラットフォームといえばTCP/IPのようなプロトコルのことであり、行政が規制する筋合いのものではない。「特別メディアサービス」などのコンテンツとともに、通信プラットフォームも規制の対象から外すべきだ。
  • 「ネット法」に反対する - 池田信夫 blog

    著作権の問題は、どうも自民党で法制化の動きが急速に進んでいるようなので、ネット規制のときと同様、MIAUなどが対策を立てたほうがいいと思う。きのう送られてきた「ネット法」についての補足説明も、自民党の動きを意識している。以前も書いたように、私は「隣接権を廃止して権利を集約する」という考え方には賛成だが、映画会社やレコード会社が「ネット権者」になるのは反対だ。境真良氏も指摘するように、ネット権を持つ事業者は制作者への正当な対価の支払い義務を負うと言うが、これは欺瞞である。最初から利用する権を付与された事業者と、利用される定めを負わされた制作者の間に、「正当な対価」など設定され得ない。流通業者が源的な権利者になり、創作者が流通業者に依存しないと作品を発表できなくなるのは、「一億総クリエイター」になり、インターネットで「中抜き」が行なわれている現状に逆行するものだ。「補足説明」では、創作者にも

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    isrc 2008/07/17
    もともと著作権法は18世紀にできた出版業界についての「業法」/業界の区分に意味がなくなった現在は、一般法である民法に吸収すべき/著作権法は強行法規ではないので、ライセンス契約で上書きできる
  • Gross National Cool - 池田信夫 blog

    きのうの記事は、わかる人にわかるようにしか書かなかったのだが、意外にも今月最大のアクセスを記録した。アクセス元をみると、京大をトップとして大学からのアクセスが多いので、少しわかりやすく解説しよう(長文失礼)。 きのうの図2は、学部の教科書に出てくる「独占価格」の説明だ。つまり著作権とは、国家公認の独占なのだ。こういう政策は有害であり、例外的に許されるのは電力やガスなどの「自然独占」の場合だけで、これも競争的にすべきだという議論がある。デジタルコンテンツの場合には、価格が限界費用=複製費用と均等化するスピードが速いので、独占を作り出さないと投資のインセンティブが失われる、という理由がつけられるが、こういう費用構造はコンテンツだけではない。 たとえば新しいファッションが発表されると、似たような服が同じシーズンに大量に出回るが、デザイナーは「著作権」なんか主張しない。ブランドの価値を守ること

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    isrc 2008/07/15
    「コンテンツ産業」を次世代の基幹産業に育てようというもくろみは、GDPベースでは失敗確実/キャラクターやゲームや音楽をYouTubeなどでばらまいてGross National Coolを高め、日本を魅力的な国にすること
  • 岸博幸氏の間違いだらけの経済学 - 池田信夫 blog

    今週の週刊ダイヤモンドに、岸博幸氏の「ダビング10で市場縮小の恐れ」という「寄稿論文」が掲載されている。あまりにも間違いが多いので、ダイヤモンドに投稿しようかと思ったが、よく考えたら15万部の週刊ダイヤモンドより毎週35万PVの当ブログのほうが読者が多いので、こっちで反論することにした。少しテクニカルなので、興味のない読者は無視してください。 岸氏の主張は、上の図に要約される。彼によると、市場における財の価値は、価格という指標を通じて伝達される。ところが、デジタル技術の向上とインターネットの普及という環境変化によって、経済学でいうところの「外部経済効果」が働き、コンテンツの価値をゼロに近い水準に引き下げてしまった。この「外部経済効果」(そんな経済学用語はないが)を阻止するためにダビング10などのコピー制御が必要だといいたいらしいが、この文章はナンセンスである。岸氏によれば、青い曲線で決ま

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    isrc 2008/07/14
    インセンティブを価格規制によって守るのは、死荷重をもたらす農業補助金と同じ愚策である。効率性とインセンティブの問題はデカップリングし、包括ライセンスなど契約ベースで解決すべきだ。
  • オークションの人間行動学 - 池田信夫 blog

    私は以前から周波数オークション(および逆オークション)を提案しているのだが、総務省には聞いてもらえない。2001年にその是非が検討されたときも、審議会に経済学者がいないので、「キャリアの経営が破綻する」とかいうナンセンスな理由で却下された。しかし書を読むと、オークションというのは、そんな恐いものではないことがわかるだろう。 オークションは、マクミランもいうように自分の評価を正直に申告させるメカニズムである。しかし実際には、人間は合理的でも正直でもないので、eBayやヤフオクではスナイパーなどさまざまな変則的行動が起こる。書は実験経済学の成果も踏まえて、ゲーム理論の最新の成果をおもしろく伝えている。 こうした理論で、ウェブ上で起きている現象を説明できる。たとえばGoogleが急成長した一つの理由は、広告オークションだ。検索広告はGoogleの発明ではなく、Bill Grossが彼の特

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    isrc 2008/06/30
    本書を読むと、オークションというのは、そんな恐いものではないことがわかるだろう。こうした理論で、ウェブ上で起きている現象を説明できる。たとえばGoogleが急成長した一つの理由は、広告オークションだ。
  • 「中抜き」の経済学 - 池田信夫 blog

    磯崎さんにも指摘されたように、日の中小企業には銀行からの借り入れでリスクをとる傾向が強い。私の例にあげた会社(私は利害関係者ではない)もそうだし、新銀行東京も再建の方針に「ベンチャー融資」を掲げている。この原因には、中小企業がVCや資市場で資金を調達するのがむずかしいというだけではなく、さまざまな要因がある。 基的な問題は(日だけではないが)、税制のバイアスだ。Modigliani-Millerでも知られるように、法人税や倒産がなければ、理論的には負債と株式は同じである。しかし現在の税制では、金利は経費として控除されるが、配当には課税される。日では「会社は経営者のもの」という通念が強いので、中小企業は節税のため、借り入れで資金を調達して利益を配当しないように操作する。その結果、企業の70%以上が赤字法人である。 質的な違いは、銀行が資金を仲介してリスクをプールするのに対して

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    isrc 2008/06/30
    ローリスク・ローリターン構造は日本社会に広くみられる。これは情報が稀少な時代には有効だったが、情報が過剰になった世界では、本源的な生産者にコントロール権を移し、自由にリスクを取れるようにしたほうがいい
  • 流動化するブルーカラー、固定化するホワイトカラー - 池田信夫 blog

    サンフランシスコで開かれているSupernovaという会議に参加している。テーマは「モバイル」で、ノキアから無名のベンチャーまで、いろんな企業がプレゼンテーションをするのだが、日ではもう商用化しているようなサービスが「イノベーション」として語られるのにはうんざりした。ところが日の話は、まったく出ない。日の携帯がいかに「ガラパゴス化」しているかを痛感した。 iPhoneについては、ほぼ全員が否定的だった。もう一つのテーマがsocial networkingなので、アップルの許可なしにアプリケーションの開発できないiPhoneは、若者にさえ「Blackberryのほうが自由だ」といわれていた。むしろグーグルのJoe Kraussに、Androidについて質問が集中していた。世界市場ではノキアのひとり勝ちで、途上国をほぼ手中に収め、キャリアまで兼ねている。日の端末メーカーは技術力では最

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    isrc 2008/06/17
    テーマは「モバイル」で、日本ではもう商用化しているようなサービスが「イノベーション」として語られるのにはうんざりした。日本の話はまったく出ない。日本の携帯がいかに「ガラパゴス化」しているかを痛感した。
  • 「食糧自給率」の向上は食糧危機を悪化させる - 池田信夫 blog

    自民党の「米粉加工品を普及推進する議員連盟」が発足し、福田首相が糧危機に関連して「こういう内外情勢になると、糧自給率を上げることは国家戦略上の課題だ」とあいさつしたという。この点は民主党も同じで、「自給率100%をめざす」などと言っている。 しかし、この政策は論理的に間違っている。いま起こっている糧危機は、穀物価格の上昇である。以前の記事でも書いたように、高騰した小麦の国際価格でさえ、国内価格の約半分。米は1/3だ。自給率を高めるというのは、割高な国内穀物を増産することだから、価格高騰の対策にはならない。むしろ自給率(国内農家)を守るための補助金が、穀物の価格をさらに高くしているのだ。 では、供給の絶対的不足は起こるだろうか。1993年、米の凶作で260万トンの緊急輸入が行なわれたことがある。その原因は、減反政策で半分近い水田が休耕田になっていたためだ。普通に生産していれば、凶

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    isrc 2008/06/17
    日本の食糧自給率が「カロリーベース」で39%というのは、数字を低く見せるためのごまかし/たとえば豚肉の国内自給率にそれぞれの飼料自給率をかけて計算。豚の53%は国内で飼育されているが「国産豚」は5%だけだ。
  • 放送業界と江戸時代の「幕藩体制」 - 池田信夫 blog

    ASCII.jpのコラム「地デジのIP放送、なぜ東京ローカル?」に、鬼木甫氏(大阪学院大学教授)からコメントをいただいたので、そのまま掲載する:「地デジのIP放送、なぜ東京ローカル?」を読んで、筆者は江戸時代の幕藩体制を連想します。「自由な移動を許さない」点で両者が共通しているからです。 江戸時代には国民がそれぞれの藩内に閉じ込められ、藩外への移動は関所によって制限(規制)されていました。このシステムは、藩主と藩の支配者(上級武士)が藩を統治し、藩内の農民から富(租税)を集める役を果たしていました。もし藩外への移動を自由化すれば、農民は暮らしやすい場所に移ることになり、農民からの収税の上に成り立っている体制が崩れるからです。そして全国にわたる藩の頂点に幕府があり、将軍を名目的リーダーとした幕閣が幕藩体制を動かしていました。つまりこのような幕藩体制は、武士による農民の支配を維持し、「中世的

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    isrc 2008/06/05
    映像情報の仲介・流通の任に当たる事業者や団体が、既得権益を守るため情報流通に制約を加え、視聴者やクリエータの利益を害していることは、農民を守ると称しながら政治権力と結び付いた商人・問屋の歴史と重なって
  • 中山信弘氏の情熱 - 池田信夫 blog

    知的財産権研究会のシンポジウムに行ってきた。1985年から2ヶ月に1回つづけられ、100回記念という息の長い研究会だ。テーマは「著作権法に未来はあるのか」。驚いたのは、会長の中山信弘氏が「今のままでは、著作権法に未来はない」と、現在の制度の抜改革の必要を説いたことだ。特に検索エンジンが「非合法」になっている問題については、6月16日の知的財産戦略部の会合で「合法化」の方向が出され、来年の通常国会で著作権法が改正されるという。メモから再現すると、こんな感じだ:著作権法は、300年前にできて以来、最大の試練に直面している。特にPCやインターネットで膨大なデジタル情報が流通し、数億人のユーザーがクリエイターになる時代に、限られた出版業者を想定した昔の法律を適用するのは無理だ。私も最近、教科書を書くために初めて全文を読んだが、こんなわかりにくい法律は他にない。昔建てた温泉旅館に建て増しを重ねた

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    isrc 2008/06/01
    中山信弘氏が「今のままでは、著作権法に未来はない」と、現在の制度の抜本改革の必要を説いた。小倉秀夫氏も真っ青の激越な主張で、みんな茫然としていた。まだ日本は終わってない、と思う。