SEたるもの,常に論理的に物事を考え,計画的に仕事を進めていくことが望ましいのは言うまでもない。ただ,時には「気迫」を前面に出し,気合と根性で膠着した状況を突破しなければならないこともある。 本支店間のネットワーク障害に悩まされていたユーザー企業A社で,ネットワーク監視システムを導入することになった。筆者はその選定にコンサルタントとして参画していた。選考を経て,ベンダーX社の製品が採用されることになった。プロジェクトにアサインされたX社のSEは中堅のリーダーと4年目の若手N君。N君は理知的だがおとなしくちょっと線が細いなという感じであった。 プロジェクトの推進の大きな障害となったのは,A社システム部の運用課長だった。稼働後に,運用の責任を負う立場の人である。今回の導入の検討やベンダー選定が企画課長主導で進められたために「自分に相談なく,企画課の連中が勝手に決めやがって!」という不満が強くあ