三菱電機は8日、トルコ政府から通信・放送用の人工衛星2基を約5億7100万ドル(約470億円)で受注したと発表した。 人工衛星を通信や防災に利用する新興国が増えており、今回の受注を宇宙ビジネス拡大の弾みとしたい考えだ。 同社が受注したのは、トルコ国営の衛星通信会社向けで、世界最大手の米ロッキード・マーチンなどに競り勝った。2013年以降に打ち上げる計画だ。 国内メーカーによる人工衛星の輸出は、三菱電機が08年、シンガポールと台湾の通信会社の共同発注を獲得して以来、2例目となる。 経済産業省は今後10年間で、世界の地球観測衛星の打ち上げ数は倍増すると見込み、人工衛星をインフラ(社会資本)輸出の柱と位置づけている。欧米勢のほか、中国や韓国も売り込みを強めており、日本も官民一体で15年までに計10基の受注獲得を目指す。ベトナムからの地球観測衛星の受注に向け、政府開発援助(ODA)を初めて適用する