台湾に行って新幹線に乗るたびに、感心してきた。スケジュールは遅れない、車内もきれいにされている、お客さんも多い。日本の新幹線技術が台湾に定着したことをつくづく実感するのである。車内において携帯電話で堂々と話す人がいる以外は、日本の新幹線とまったく同じ風景だ。 また携帯電話については、これはマナーの善し悪しではなく、それを許容する文化の有無に尽きる。日本のように話すことが厳密によくないと認識される国は、アジアではむしろ少数派であるので、気にしても仕方がない。 台湾の交通環境を一変させたが…… この日本初の新幹線輸出の「成功例」と喧伝されている台湾新幹線が、いま経営危機に瀕しており、3月にも経営破綻し、政府による接収が不可避ではないかと言われている。乗客でいっぱいになった台湾新幹線の座席に腰を沈めても、この新幹線が破綻寸前であるという事態がどうしても素直に飲み込めない。いったい、何が台湾新幹線
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